クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

112話 告白練習

 俺は、シェレールのことが好きだ。
 と、いっても別に俺は告白する気はない。というかそんな勇気、俺にはない。
「竜斗、おはようございます。今日は、具合良さそうですね。」
「ああ、おはよう。もうバッチリだ!シェレールのおかげだよ。ありがとう。」
「ふふっ、別に構いませんよ。」
「さて、もう朝食はできてるのか?」
「はい、今さっきリビングに朝食を持って行ったので竜斗を呼びに行こうとしていたところです。」
「ああ、そうか。みんな待たせてるか?」
「まぁ、そうですね。みんな待ってますよ。」
「それは悪いことをしてしまった。早く行かないとな。」
「はい。」
 俺は、シェレールと共にリビングへ向かった。
「竜斗、遅いわよ!」
「悪い、悪い。ごめんよ。」
「全く、ほら、早く席について食べましょ。せっかくの朝食が冷めちゃうわ。」
「ああ、そうだな。」
 俺たちは、それからみんな揃って朝食を食べた。
「あ、そうそう。リュウ君に言っておかなきゃいけないことがあったんだ。」
「ん?なんですか?」
「私の仕事、ようやく一段落着いたから今日からは手伝ってもらわなくてもいいよ。」
「あ、そうなんですか。良かったですね、一段落ついて。」
「リュウ君のおかげだよ。ありがとう。」
「いえいえ、俺は、手伝っただけですから。」
 俺がそう言うとロイアさんは、少し俺の方に近づいてきた。
「それで、あのことはどうなったのかな?」
「あのこと?」
「君が想っている人への気持ち。」
「あ、ああ、それですか。まぁ、自分なりの答えは出ました。」
「おお!良かったじゃないか。それで、その答えをその人に言うのかね?」
「いえ、さすがに俺にそんな勇気はありません。」
「そうか、残念だね。なら、娘との結婚については?」
「それもお断りさせていただきます。さすがに好きな人がいるのにそれ以外の人と付き合うのはちょっと……」
「まぁ、そうだよね。悪いね、諦めが悪くて。」
「あの、さっきから何をコソコソとお話しているんですか?」
 俺とロイアさんが話している間にルビーが割って入ってきた。
「あ、ああ、べ、別にルビーに関係することじゃないよ。」
「なんか怪しいです。お父さん、リュウさんに変なこと言ってませんよね?」
「ああ、もちろん大丈夫!」
「ならいいですけど。早く朝食を済ませてくださいね。」
「あ、そうだったな。」
 周りを見るともうほとんど朝食を済ませていた。
 俺とロイアさんは、その後急いで朝食を済ませた。
「はぁ〜、俺に告白する勇気があればなぁ。そうしたらこんなに悩まないのに。」
 俺は、朝食を済ませたあと自分の部屋でこの気持ちについて整理していた。
 あ!そうだ!勇気が出るスキルを作ればいいんじゃないか!
(マスター、それはあまりよろしくはないかと。)
 え?どうして?
(マスターは、告白する時に自分の力ではなくなにかほかの力によっての告白を受けて喜びますか?)
 ………いや、喜べないな。
(そうでしょう?ならそれはやめるべきです。思いを伝えたいなら自らの力で伝えるべきです。)
 そうだな。毎度のこと、ナビには助けてもらいっぱなしだな。
(それが私の役目なので。)
 ははっ、頼りになるな。
 なら、告白の練習でもしてみるか。
(それがいいと思います。何度も練習して自信を持たせるのが大切かと。)
 よ、よし!やってみるか。
 あ、その前に誰にも聞かれないように空間魔法で作った空間で練習しよ。
 よ、よし、やるか。
 俺は、目の前にシェレールがいると想像して……
「シェ、シェレール、お、おれはお前のことがっ……」
(ダメダメです。勢いをつけるのはいいですが噛んでしまってはダメです。)
 わ、分かった。
 次は噛まないように気をつけて、まずは深呼吸。
「シェレーリュ!」
(いきなり噛んでるではありませんか!)
 やっぱり告白って難しいな。
(そう簡単に出来たら練習なんて必要ありませんからね。)
 そ、そうだよな。よし、次いくか!
「シェレール、俺、お前のことが好きだ!」
(………)
 あ、あの、ナビさん、どうでしょうか?
(それで終わりですか?)
 はい。
(全然ダメです!言い方もセリフもダメダメです!)
 マジか!?上手くいったと思ったんだけど。
(マスターのその言い方ではただ言っているだけです。それじゃ本当に自分のこと好きなのか疑ってしまいます。)
 な、なるほど。確かにそうだな。
 よし、今度はもっと感情を込めて!
「シェレール!俺、お前のことが好きだ!」
 ど、どうでしょうか?
(まぁ、先ほどよりは良くなったと思いますがセリフが少し安直すぎませんか?)
 そ、そうかな?
 で、でもこういう時って変に飾らず素直に言った方がいいんじゃないか?
(まぁ、そうでしょうがもう少し言い飾ってみるのもいいでしょう。)
 そ、そういうものか?
 な、なら
「シェレール、これからは俺が一生守ってやる!」
(意味がわかりません。)
 な、なぜ!?
 結構決まったと思ったんだけど?
(その言い回しだと告白したとは思わないんじゃないんですか?というよりマスターはよくそういうことを言っているので通じませんよ。)
 マジか!俺、そんなこと言ってる?
(はい、言ってます。毎回ああ、また言ってるよ。と思ってます。)
 そ、そうですか。
 よし!次だ!
 その後、俺は、ナビからずっとダメ出しをくらいながら練習を続けた。
 そしてその日は、1回も良いものを出せれずに終わった。
 その日の夜、カリウス街から離れた森の奥地で何かを企む男がいたことを竜斗は、知る由もなかった。

コメント

  • ユチチユチチ

    ナビ本当にワロタ

    0
  • ノベルバユーザー328077

    告白する気無かったんじゃ

    0
  • リムル様と尚文様は神!!サイタマも!!

    なにかを企む男って大罪人だよね!?

    1
  • レモン

    ギル達どうしたんですか?見ないんですけど

    1
  • 白髪

    月が綺麗ですねでしょーw

    3
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