クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

103話 プレゼント

「リュウさん、師匠、今日は私が二人にこの街の良さを教えてあげますね!」
「おお、期待してるぜ。」
「はい、楽しみです。」
 ルビー、楽しそうだな。まぁ、地元の街に久々に帰ってきたからそりゃ楽しいよな。
「よし!まずはどこに行くんだ、ルビー?」
 俺もルビーが思いっきり楽しめるように俺も楽しむ。やっぱり人が一人で楽しんでいても何か違うからな。
「そうですね、まずは市場に行ってみましょう。大概の人はそこでお買い物をするので人が大勢いて楽しいですよ。」
「そうか、分かった、ならそこに行くか。」
 俺たちは、ルビーについて行き市場へとやって来た。
 ルビーの言った通り人がすごいいる。
「これは本当に人がいっぱいですね。ちょっと迷いそうです。」
 シェレールは、あまり人混みが得意ではないようで少し困っている。
「なら、はい、シェレール。こうやって掴まっていれば迷わないだろ?」
「っ!そ、そうですね。ありがとうございます。」
「師匠、流石です。私も頑張らなくては!」
「ん?何を頑張るんだ?」
「い、いえ!なんでもありません。それでは行きますがよろしいですか?」
「ああ、大丈夫だ。」
「はい、大丈夫です。」
 俺が掴んでるシェレールの手にギュッと力が入った。
 本当に人混みが苦手なんだな。
「リュウさん、師匠、あれを見てください。」
 俺とシェレールは、ルビーの指さした方向を見ると少し大きな広場がありそこで何かショーをしている。
「あれは、この広場で定期的に行われるショーなんです。昔は私も時々参加していました。」
「そうなのか?すごいな。」
「ふふっ、これでも魔獣使いが得意な親の元で育ってきましたからね。私も魔獣とは仲良くしているんです。あ、そうです!次は私が仲良くなった魔獣たちに会いに行きませんか?」
「おお!それいいな。」
「私も見てみたいです。」
「それでは行きましょう!」
 俺たちは、ルビーと昔仲良かった魔獣がいるという小屋へ向かった。
「おお、いっぱいいるな」
「はい、みんな私の事覚えているでしょうか?ちょっと不安です。」
 ルビーは、少し不安そうな表情をしていたがそんな心配など不必要だった。
 魔獣たちは、ルビーの姿を確認すると一目散にルビーの方へと向かっていった。
「あ、みんな、私の事覚えてくれたんですね!ありがとう、みんな。」
 ルビーは、魔獣たちの体に頬擦りをして喜んでいる。
「あ、みんなにし紹介しますね。こちらは、私の冒険仲間ですごいお世話になってるリュウさんと、私の師匠、シェルさんです。」
 ルビーがそう言うとルビーのその言葉に反応したかのように魔獣たちは俺たちの方へ近寄ってきた。
「ふふっ、可愛いですね。」
「ああ、すごい可愛いな。」
 魔獣のフワフワな毛皮が気持ちいい。
 いつでも触っていられるな。
「リュウさん、師匠、餌を上げてみますか?」
「いいのか?」
「はい。そろそろご飯の時間ですし。」
「それならやらせてもらうよ。」
「私もしてみたいです。」
「はい、ちょっと待っていてくださいね。」
 ルビーは、そう言って小屋の奥に入り何か袋を持って出てきた。
「これがみんなの餌です。まずはお手本を見せますね。」
 ルビーは、そう言うと袋の中から一つ餌を取り出し1匹の魔獣の口元に寄せる。
 そしてその餌を魔獣が食べようとした瞬間、ルビーは、「待て!」と言って餌を食べようとする魔獣を止める。
 魔獣は、おとなしく餌を食べる許可をもらうまで待っている。
「ふふっ、もういいですよ。よく出来ましたね。はい、食べてください。」
 魔獣は、ルビーのその言葉を聞き餌を食べる。
「リュウさん、これが餌です。私がやったとおりにやってみてください。」
「あ、ああ、分かった。」
 俺は、一匹の魔獣の口元に餌を近づけ魔獣がそれを食べようとした瞬間俺は、ルビーのやったとおり「待て!」と言って止めた。
 魔獣は、俺の言うことを聞き餌を食べる1歩手前で口を止めた。
「おお!ちゃんと言うこと聞いてくれたぞ!偉いな!よし、食べていいぞ!」
 俺がそう言うと魔獣は、止めていた口を動かし餌を食べ始めた。
 俺、昔ペットが欲しかったけどそんなことが親なんかに言えるはずもないのでこうやって餌をやるのは俺の一つの夢だったんだ。
「次は師匠、どうぞ。」
「はい、やってみます。」
 シェレールの餌やりも無事上手くいった。
 シェレールは、年相応の笑顔を浮かべ喜んでいた。
「次は、どこに行こうか?」
 俺たちは、小屋から離れ移動している。
「あの、一つ私の寄りたい場所があるのですがよろしいでしょうか?」
「ああ、もちろん構わないぞ。」
「私も構いません。」
「ありがとうございます。それでは、まずはそこへ向かいます。」
 それから数分後、俺たちは、一つのお店までやって来た。
「それじゃ、その、お二人は待っていてください。」
「ああ。」
「はい。」
 ルビーは、俺たちの返事を聞くとそのお店へと入って行った。
「ここってなんの店なんだろう?」
「さぁ?分かりません。」
 まぁ、後でルビーに聞いてみるか。
 その後、ルビーは20分ほどして店から出てきた。
「すいません、お待たせしてしまって。」
「いや、いいよ。ところで何を買ったんだ?」
「あ、そ、それは………」
 ん?言いずらいものなのか?
 あ、もしかして下着だったり?それだったら言いづらいな。謝っておこう。
「悪い、人の買い物にいちいち口出しするもんじゃないな。」
「い、いえ、そんなことは……」
「いや、いいよ。俺が悪いんだから。それより次に行こうぜ。」
「あ、はい。次は、私がこの街で一番好きな場所なんです。」
 ルビーは、ニコッと笑ってそう言った。
「へぇ、それは楽しみだな。どんな場所なんだ?」
「それは着いてからの秘密です。それじゃ行きましょうか。」
「ああ、そうだな。」
 俺たちは、それから30分ほどかけてルビーの言っていた場所に着いた。
 その場所とは少し山に登りとても見晴らしのいい場所だった。
「おお!綺麗だな。」
「そうですね、すごい綺麗です。」
 俺とシェレールは、目をキラキラとさせながらその風景を見た。
「これだけじゃありませんよ。もう少し待っていたらもっと綺麗なものが見れます。」
「もっと綺麗なもの?」
 なんだろう?
 俺たちが少し待っていると日が傾き始め空は、オレンジ色に染まっていた。
「リュウさん、師匠、あれを見てください。」
「ん?お、おお!」
「これは、凄いですね!」
 俺たちが目にしたのは海に沈んでいく綺麗な夕日だった。
 そういえば俺は、昔本当に死にたくなった時に一人で海に沈む夕日を見ていたな。それで気を紛らわしていたっけ。
「あの、リュウさん、これ!受け取ってください。」
「ん?」
 ルビーは、いまさっき買っていたものを俺に渡してきた。
「こ、これって?」
 俺に下着を持たせて何をしようとしてるんだ?
「わ、私なりの日頃の感謝です!」
「ひ、日頃の感謝?」
「はい、リュウさんにはいつもお世話になってますので。」
「え?じゃあこれって下着じゃないの?」
「した…そんな訳ありません!なんで今そんなもの買うんですか!」
 言われてみればそうだな。
「じゃあ開けてみてもいいか?」
「はい。」
 俺は、ルビーから貰った袋を開け、中を確認する。
「どんなものにしようかと、一所懸命に選びました。お気に召したでしょうか?」
 袋の中身は、アクセサリーだった。
「こ、これを俺にくれるのか?」
「はい、お気に召しませんでしたか?」
「いや、嬉しいよ!ありがとう、ずっと大切にするよ。」
「ありがとうございます。あ、師匠の分もあるんです。」
「え?私の分も?」
「はい、師匠には教えてもらったことがたくさんありますからね。どうぞ。」
 そう言ってルビーが渡した袋の中身は、ブレスレットだった。
「ありがとうございます、ルビーさん!大切にしますね。」
「はい!」
 俺とシェレールは、ルビーから貰ったものを身に付けた。
「ふふっ、似合いますよ、竜斗。」
「シェレールも似合うぞ。」
「お二人ともすごい似合います。」
「ルビー」
「ルビーさん」
「「ありがとう(ございます)!!」」
 俺とシェレールは、しっかりと礼を言った。
「こちらこそ、今までありがとうございました!そしてこれからもお世話になります!」
 ルビーは、今日最高の笑顔を見せそう言った。

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