クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

89話 誕生日

「「「「「「「「「誕生日おめでとう!!!」」」」」」」」」
 俺が奥に進んだと同時にそんな声が聞こえた。
 そしてその声を聞いて俺は目を見開いた。
「……みんな、ど、どうして?え?」
 俺の目の前には、今日の朝、用事があると言っていたみんながいた。
「柊君!今日誕生日でしょ!ちゃんと覚えてるんだからね!」
 白井のその言葉に俺も思い出す。
「あ、俺、今日誕生日なのか。」
 俺は、ここに来てから忙しかったので誕生日のことなんて全然覚えていなかった。
「やっぱり忘れてたね。」
 白井は、少し苦笑しながらそう言った。
「竜斗、お誕生日おめでとうございます!」
 シェレールは、俺の前に来てそう言った。
「お、おう、あ、ありがとう。」
 俺は、目を逸らしながらそう言った。
「それにしてもどうしてこんな洞窟?」
 俺は、何故この場なのか不思議に思いそう聞いた。
「ここにちょっと前に私と白井で来たことがあるの。それで、竜斗、あれを見て。」
 ユイにそう言われ俺は、ユイの指さした方を見た。
「お、おお!!」
 俺の目の前には、光魔法の光を反射して輝いている泉があった。
「綺麗でしょ?ここを誕生日をお祝いする場所にはちょうどいいんじゃないかって思ってね!どう?」
「あ、ああ、ありがとう、嬉しいよ。」
「おい!リュウ!そろそろパーティ始めるぞ!」
 ルカのその声に俺も応えた。
 そしてもう一度みんなからお祝いの言葉を貰った。
「柊君、本当は個別で誕生日プレゼントを用意したかったんだけど色々選んでると時間が足りなくなっちゃった。ごめんね。」
「い、いや、いいよ!こんなすごいパーティを開いてくれただけですごい嬉しいから!」
「でもね、みんなでプレゼント用意したんだ!」
 白井がそう言うとみんな何か準備を始めた。
 そして準備を終えると
「柊君!見ててね!」
 白井がそう言った。
「みんないくよ!」
 白井のその合図に一人一人魔法を放ち始めた。
 その魔法がぶつかり合いその光が泉に反射していまさっきよりもさらに輝き始めた。
「お、おお!!すげぇ!」
 目の前にはいくつもの魔法がぶつかり合っていた。
 そして一段落つくと
「柊君、どうだったかな?」
「あ、ああ、凄かった!すごい綺麗だった!」
「ふふっ、良かった!」
「なんか、ここまでしてもらって悪いな。」
「何言ってんの?竜斗は今日誕生日だし、いつも色々と助けて貰ってるお礼よ!」
「本当にありがとう。」
 誕生日でここまで祝ってもらったことなんて今までに1度もあったことは無いだろう。
 俺は、本当にここにいるみんなが大好きだ。
 そして時間もだいぶ過ぎてパーティを終了した。
 俺たちは、今日使ったものや出たゴミを片付けてエミーゼさんの家へと帰っていた。
 その最中にシェレールに小声で声をかけられる。
「竜斗、家に着いてみんなが寝静まった頃に少し会えませんか?なるべく今日中に。」
「ん?ああ、別にいいけど。」
「ありがとうございます。では、その時にリビングで会いましょう。」
 シェレールは、そう言って俺から離れていった。
 なんだろう?
 俺は、シェレールの言われた通りみんなが寝ず静まるのを待ち、それからリビングへ向かった。
「悪いな、少し待たせたか?」
「いいえ、私もちょうど今来たところなので。それよりも外に出ませんか?月が出ていて綺麗ですよ。」
「分かった。それじゃ行こうか。」
 俺たちは、家を出て少し先まで歩いた。
 夜なので少し寒いと感じてきた。
「シェレール、寒くないか?」
「少し、肌寒いですね。」
「なら、これを羽織って。」
 俺は、そう言って俺が着ていた上着をシェレールに渡す。
「え、で、でも、これ、私が使った竜斗が。」
「いいから、いいから。はい。」
 俺は、そう言ってシェレールの肩に上着を掛ける。
「あ、ありがとうございます。……暖かいです。」
「良かった。」
 俺たちは、それから何も喋ることなくずっと歩き続けた。
 長い時間無言の状態が続いたので俺から話を切り出すことにした。
「それで、俺を呼んだ理由は?」
「あ、えっと、その、………竜斗!はい、これ、誕生日プレゼントです!」
 シェレールは、そう言って一つの袋を差し出した。
「え?プ、プレゼント?」
「は、はい。皆さんには黙っていたのですけどその、これ、受け取っていただけますか?」
「あ、ああ、もちろん!ありがとう、嬉しいよ。中、見てもいい?」
「は、はい。」
 シェレールの許可をもらい俺は、中に入っているものを取り出した。
「これは……」
 中に入っていたものは、少し糸のほつれとかがあるが丁寧に作られた手編みマフラーだった。
「少し、汚くなってしまいましたが頑張って作りました!喜んでもらえたでしょうか?」
「ああ!!すっごい嬉しいよ!」
 俺は、そう言ってその手編みマフラーを首にまく。
「暖かいな。」
「良かったです。」
「それでも、なんでみんなに黙ってたの?」
「そ、それは………」
「それは?」
 シェレールは、俯いてモジモジしていたが決心が着いたのか顔を上げ俺の目を見てこう言った。
「竜斗を独り占めしたくて……」
 シェレールは、そう言うと真っ赤になって俯いた。
 俺もそんなことを言われるとは思ってもいなくて顔が熱くなる。
「………シェレール、ありがとう!」
 俺は、ちゃんとお礼を言ってシェレールに笑いかけた。
「………はい!」
 シェレールも真っ赤な顔を上げとても可愛い笑顔で返事をしてきた。
 そして俺の誕生日という日が終わった。

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コメント

  • ヒカッチ

    284878さんに激しく同意(笑)

    0
  • 赤猫

    これ絶対全員と結婚するだろうな。
    (嫉妬)

    0
  • ノベルバユーザー284878

    「私が使った竜斗」w
    主人公使われてて草w

    0
  • ぬぅ

    白井ルートは無いのでしょうか......

    3
  • アリス64

    これルート入ってもうとるやつやんー(ˊ•̤ω•̤ˋ)

    3
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