クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

73話 呪い

「君たちに折り入ってお願いしたいことがある。」
 俺たちが朝食を摂っているときにガルード王国国王のジガレッドさんがそう言ってきた。
「お願いしたいことってなんでしょう?一日泊めてもらった恩もありますので可能なら引き受けたいと思います。」
 俺は、そう応えた。
 みんなもコクコクと頷いてくれる。
「そうか、助かる。お願いしたいこととは………儂の妻の病気を治してくれ!」
「病気……ですか?」
 そう言えばまだ妃には一度も会ってなかったな。
「まずは見てもらった方がいいかな。朝食を済ませたあと妻のいる寝室へと案内するよ。」
「分かりました。……シェレールさんと、ルビー、二人に頼ってもいい?」
「「はい、大丈夫です!」」
「二人ともありがとう。」
 俺たちは、すぐに朝食を済ませてジガレッドの奥さんがいる寝室へと向かった。
「ここが儂の妻、レグーナがいる寝室だ。」
 ジガレッドさんは、その部屋の扉をコンコンとノックするが中からは、何も返事が聞こえなかった。
 これは、いつもの事なのかジガレッドさんは、なんの躊躇もなく扉を開け中に入った。
 部屋の中は、すごい静かで応接室のように飾り気がなく、その空間だけすごいしんみりとした感じがした。
「妻は、こっちにいる。」
 ジガレッドさんは、そう言って部屋の隅にあるベットの方へ近づいた。
「これが儂の妻だ。」
 ベットに寝ていたのは、すごく痩せていて全体的に細くなっている女性の人がいた。
「いつから病気にかかってるんですか?」
「もう半年ほど経つな。そしてこの一週間は、起きることがなくずっと寝ている状態だ。」
「シェレールさん、ルビー、治癒魔法をかけてくれ。」
「「分かりました。」」
 二人とも、ジガレッドさんの妻、レグーナさんの体に手を置き治癒魔法をかけた。
 治癒魔法をかけてから10分ほどが経った。
「………やはりダメか?」
 ジガレッドさんは、少し諦めかけていた様子だった。
「……すいません、これは治癒魔法じゃ治せない病気のようで……その……ごめんなさい!」
 シェレールさんとルビーは、治せなかったことに少し責任を感じているのか、ジガレッドさんに頭を下げている。
「いや、気にしないでくれ。」
 ジガレッドさんは、そう言ってはいる表情がすごく辛そうだ。
 そりゃそうだよな。
 自分の好きな人が病気にかかってるのにそれをただ見るだけしかできないなんて辛いもんな。
 ナビ、どうにかして治す方法はないのか?
(マスター、これは、病による症状じゃありません。)
 え?病じゃないってじゃあなんなんだ?
(これは多分呪いによる表情です。)
 呪い……か。王家をよく思わないやつの仕業か?
 まぁ、考えるのはあとだ。
 俺にも治せるか?
(可能です。呪い自体は、とても軽い弱いものなので。マスターの完全創造で解呪を作れば簡単に解けます。)
 おお!そうか。
 なら、さっそくやるか。
 スキル 完全創造
 作るのは、どんな呪いでも解けるスキル。
(解呪を手に入れました。)
「みんな、ありがとう。それそろ戻ろうか。」
 みんなが悲しそうな顔で部屋を出ようとした瞬間、俺は、みんなを呼び止めた。
「ちょっと待ってください!」
「どうしたんだ、リュウ?」
「俺がレグーナさんを治してみせます。」
「ええ!?柊さん、治せるんですか?」
「まぁ、多分大丈夫だと思うよ。」
 俺は、レグーナさんの体に触れ、解呪のスキルを発動する。
 スキル 解呪
 スキルを発動すると俺の手から光があらわれその光がレグーナさんの体を包んだ。
「柊さん、これ、治癒魔法ですか?」
「いいや、違うよ。これは、呪いを解くスキル、解呪だよ。」
「なっ!?呪いだと!?」
 俺が呪いという単語を言葉にすると今までずっと成り行きを見守っていたジガレッドさんが驚いたような声を出す。
「どんな呪いかは分かりませんが、多分呪いだと思いますよ。」
「呪い……そうか……」
 やはり自分の妻が誰かに呪いをかけられていたと知るとどう反応すればいいか困るよな。
「その呪いは、解けるのか?」
「はい、大丈夫です。というよりももう解けてます。あとは、レグーナさんが意識を取り戻すだけですね。」
「なに!?もう解けたのか!?」
「はい。レグーナさんの顔を見てくだされば分かりますよ。」
 俺がそう言うとみんな、レグーナさんの顔を覗き込んだ。
 レグーナさんの顔は、いまさっきまで苦しんでいた表情だったが今は、落ち着いている。
「……ん、んん……」
 レグーナさんが目が少し開きかけた。
 そろそろ起きるかな。
「……ん……あ、あなた……」
「レ、レグーナ!大丈夫か!?」
「……はい、もう大丈夫のようです。体が軽く感じます。」
「おお!そうか!!良かった!本当に良かった!」
 ジガレッドさんは、俺たちがいることを忘れているのかどうなのかは分からないがレグーナさんをぎゅっと抱きしめた。
「あ、あなた………」
 レグーナさんもジガレッドの背中に手を回しベッタリとくっ付いた。
 俺たちは、その光景を数分間黙って見ていた。
「あ、あなた…そろそろ。」
「ん?何故だ?」
「お客様方がおられるようなので。」
「っ!そ、そうだったな!はっはっはっ!!」
 ジガレッドさん、笑って済ませようとしている。
「それよりも、リュウ。それにみんな、本当にありがとう!この礼も必ずする。」
「良かったですね、レグーナさんが元気になって。」
「ああ、本当によかったよ。みんなには、助けて貰ってばかりだな。」
「いえいえ、当然のことですからね。あわレグーナさん、今日のところは、しっかりとご飯を食べて休んでくださいね。」
「分かりました。リュウさんでしたっけ?」
「はい、そうですよ。」
「本当にありがとうございました。」
 レグーナさんは、俺に深くお辞儀をした。

コメント

  • リムル様と尚文様は神!!サイタマも!!

    それそろになってたよ

    1
  • ノベルバユーザー298925

    敢えてであれば申し訳ないのですが呪いの表情となっている部分がありますね

    0
  • ラノベ好きの中学生

    おもしろ過ぎて一気に読んでしまう

    1
  • ノベルバユーザー268976

    王様がみんなとか言ってましたが「そなたら」とか使ってみてはいかかでしょうか?
    これからもたのしみにしてます

    3
  • カツ丼

    ええやんヽ(・∀・)ノ

    5
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