最強家族のまったりライフ
9話 成長はしている……はず
「ふう、終わった~」
あんな惨劇の後だというのに、その惨劇をつくった張本人のレレナ姉さんはとても清々しい笑顔を浮かべていた。
良い笑顔をしている彼女に向かって、こいつが犯人です!と言っても誰も信じないだろう。ましてやまだ5歳程度の少女なのだ。
俺はこのような惨劇を見ても、まるで心が動かなかった。
異世界の身体だからなのか、加護の影響なのかは定かではないが、良かったと思っておこう。
俺が考え事をしている間にレレナ姉さんは死体に近づき、伸びている牙を突き立てた。すると、血を吸っているのだろう、死体はみるみるうちに萎んでいき、仕舞いには死体は、ミイラのようになってしまった。血を吸い終わると、また別の死体に近づき同じようにミイラにしていく作業を繰り返していった。
あの小さな身体のどこに入るのだろう、と考えているとルーナ姉さんも俺を抱えたまま一つの死体に近づき、牙を突き立てた。
お、おお………。ミイラになっていくのを近くで見ると迫力あるなぁ。
だが、これを見ても俺の心が動くことはなかった。
そのあともレレナ姉さんとルーナ姉さんが他の死体も同じようにミイラにしていったので、その場には、黒づくめのミイラが大量に転がることになった。
全ての死体をミイラにし終わり、またベンチに戻って景色を見ていると、母親とメイドが一緒に戻ってきた。
「ごめんなさい。ちょっと遅くなっちゃって―――あら、あなたたち、あれはなに?」
母親は姉さん達に話しかけている途中にミイラが目に入ったようで、問いかけてきた。
「なんか黒い人達が襲ってきたから倒したの!それでね、お腹が空いたから血を吸ったの!」
レレナ姉さんは悪気もなくそういった。
「そうなの。なら問題ないわ。
………ところで、血を吸っているところをクルスちゃんには見せてないわよね。」
俺の母親が笑顔でそう言うと、さっきまで自信満々だったレレナ姉さんも、話を聞いていたルーナ姉さんも戦闘の時にはかいていなかった汗がだらだらと吹き出してきた。
その様子を見た母親は先ほどから笑顔のままなのに、スタン○でも出せそうな雰囲気を纏わせて、姉さん達に話しかけた。
「まさか……見せたの?」
「「ご、ごめんなさーーーい!!」」
レレナ姉さんはもちろん、あの大人しそうなルーナ姉さんでさえ大声をあげて謝ったと思ったら、俺を抱えたまま俺の母親に背を向けて、疾風の如く駆け出した。
結局そのあと母親の手によって一瞬で捕まった姉さん達は、こっぴどく叱られ、俺に謝ってきた。
「「ごめんね、クルス。」」
俺は別に気にしてないので、気にしてないという意味を込めて笑顔を作ると、よく分からないがレレナ姉さんとルーナ姉さんと別に笑顔を向けてない母親とメイドのシェーラまで頬を赤らめて俯いてしまうという事件が起こった。
あれから3ヶ月がたった。
この世界でも季節はあるそうで今は夏だ。俺が生まれた季節は気温的に春だったので、今はかなり暑い……はずなのだが、この屋敷にはクーラーでもあるのか、季節が変わってもとても快適な温度だ。
この3ヶ月間は特にどこからかの刺客もなく、いつも訓練をする毎日だった。あったことと言えば、父親が顔を見せに来たことだ―――――
―――――扉の開く音がして今日も母親が来たのかと思ったら、今日はいつもの二人と一人の男性がいた。
耳が尖っているのでエルフだろう。やっと普通のエルフに会え『いえ、彼もハイエルフです。』ええ!?ハイエルフは俺の母親とメイドたちだけじゃなかったの??
『申し訳ありません、マスター。彼はその時外出していなかったようなので、調べることができませんでした。』
そ、そうなのか。な、なあティオ。
その~もしかしなくてもこの人も……
『はい……間違いなく化け物です。』
俺はもう驚かなかった。この屋敷にいて普通な人がいるわけないのだ!
そんな現実逃避をしていると母親―――名前はセーラというらしい、これからは他人行儀はやめて普通に母さんと呼ぼう―――がその男のことを紹介し始めた。
「クルスちゃん、この人は私の旦那さん、つまりあなたのお父さんのカレイドですよ~。」
この人が父親か……。容姿はバックにした銀髪に銀瞳の30代前半のナイスガイといったところだ。顔の造形は強面で街であったら、全財産置いて逃げ出すほどだ。
身長も高く、190センチ以上はあるだろう。
母親に紹介されると俺の父親は無言で手を伸ばしてきた。え?俺殴られるの?ごめんなさい!なんもしてないけどとりあえずごめんなさい!!
そんなことを心の中で叫んでいると、その手は俺の頭に置かれ、
「クルス~。お前のパパだぞ~。」
とてもだらしない笑みを浮かべて、俺の頭を撫でていた。
殴られるのかと思っていたがその手は気遣うように優しく俺の頭を撫でていて、とても気持ちよかった。
父親は俺をひとしきり撫でたら「またくる!」と言って部屋を出ていってしまった。
それからというものの、部屋に俺以外がいないと決まって俺のところにきてだらしない笑みを浮かべながら撫でていく、というのが日課になった。
――そして俺の父親は今日も俺を撫でに来ている。いつも強面だが、このだらしない笑顔を見てしまうととてもそんな風には見えない。実際、優しいのだろう。
俺はそう思いながら撫でられていると、終わったようで、俺の頭から手が離れた。そしていつものように「また来る!」といい、部屋を出ていった。
こそこそ来るくらいなら母さん達と一緒に来ればいいのに。
『おそらく、恥ずかしいのでしょう。』
そういうもんか。
さて、誰も居なくなったしこの3ヶ月でどのくらいステータスが伸びたか気になるな。
ずっとステータス確認してなかったからな。
ステータス!
クルス・レグサンド :男    0歳
種族:高位森人族
状態:健康
Lv . 1 
耐久力   10/10
魔力      664/664
攻撃  5
防御  5
俊敏  5
器用  402
運     85
《スキル》
剣術Lv . 1・身体強化Lv . 1 ・気配察知Lv . 5(2up)・気配遮断Lv . 5(3up)・魔力操作Lv . Lv . 5(1up)・魔力探知Lv . 5(2up ) ・隠蔽Lv . 1 
・調教Lv . 1 ・加速Lv . 1 
・成長倍加Lv ―・神の導き手Lv . 1 
・スキルクリエイトLv . ―(0P)
《加護》
主神イリスの加護、魔王の加護
《称号》
転生者、神の加護を受けし者、 
魔王の息子、世界の深淵を知る者
おお、魔力も器用も約5倍になってる。
でも何も倒してないからレベルはそのままか。
スキルも全部Lv . 5になったな。
特に魔力探知と気配察知は早く屋敷内の人達を見つけるために頑張ったからなあ…………まあ、無理だったんだけど。
気配遮断も3レベルも上がったのにあの化け物たちにはすぐ見つかるし…。
俺本当にチートなのかな……。
『マスター。通常でしたらスキルレベルが5になるまでには、最低でも10年必要です。ですから、マスターのスキルレベルの上がり方は異常なのです。』
《それにご主人様の魔力量はレベル1で、しかも赤ん坊で600とかあり得ないですからね。》
そんなかかるところを俺は4ヶ月ちょっとか。それに忘れてたけどまだ俺0歳の赤ん坊なんだよな。それでこの魔力量……うん、一応チートなんだな。
でも俺って成長倍化だけしかないから少なくとも、スキルレベルが5になるのに5年はかかるんじゃないのか?
『私も詳しくはわからないので、確証はないですが、おそらくマスターについている加護か称号が原因だと思います。』
加護か称号ね。そういえば魔王の加護なんてあったもんな。そういう能力があっても不思議じゃないか。
普通の人間からしたらチートなんだな。
『ええ、普通の人間からしたらそうですね。』
そうなんだ。普通ならね……。普通……普通か………ふふふ、はははは…………。
くそったれ!!!もっと強くなってやる!
あんな惨劇の後だというのに、その惨劇をつくった張本人のレレナ姉さんはとても清々しい笑顔を浮かべていた。
良い笑顔をしている彼女に向かって、こいつが犯人です!と言っても誰も信じないだろう。ましてやまだ5歳程度の少女なのだ。
俺はこのような惨劇を見ても、まるで心が動かなかった。
異世界の身体だからなのか、加護の影響なのかは定かではないが、良かったと思っておこう。
俺が考え事をしている間にレレナ姉さんは死体に近づき、伸びている牙を突き立てた。すると、血を吸っているのだろう、死体はみるみるうちに萎んでいき、仕舞いには死体は、ミイラのようになってしまった。血を吸い終わると、また別の死体に近づき同じようにミイラにしていく作業を繰り返していった。
あの小さな身体のどこに入るのだろう、と考えているとルーナ姉さんも俺を抱えたまま一つの死体に近づき、牙を突き立てた。
お、おお………。ミイラになっていくのを近くで見ると迫力あるなぁ。
だが、これを見ても俺の心が動くことはなかった。
そのあともレレナ姉さんとルーナ姉さんが他の死体も同じようにミイラにしていったので、その場には、黒づくめのミイラが大量に転がることになった。
全ての死体をミイラにし終わり、またベンチに戻って景色を見ていると、母親とメイドが一緒に戻ってきた。
「ごめんなさい。ちょっと遅くなっちゃって―――あら、あなたたち、あれはなに?」
母親は姉さん達に話しかけている途中にミイラが目に入ったようで、問いかけてきた。
「なんか黒い人達が襲ってきたから倒したの!それでね、お腹が空いたから血を吸ったの!」
レレナ姉さんは悪気もなくそういった。
「そうなの。なら問題ないわ。
………ところで、血を吸っているところをクルスちゃんには見せてないわよね。」
俺の母親が笑顔でそう言うと、さっきまで自信満々だったレレナ姉さんも、話を聞いていたルーナ姉さんも戦闘の時にはかいていなかった汗がだらだらと吹き出してきた。
その様子を見た母親は先ほどから笑顔のままなのに、スタン○でも出せそうな雰囲気を纏わせて、姉さん達に話しかけた。
「まさか……見せたの?」
「「ご、ごめんなさーーーい!!」」
レレナ姉さんはもちろん、あの大人しそうなルーナ姉さんでさえ大声をあげて謝ったと思ったら、俺を抱えたまま俺の母親に背を向けて、疾風の如く駆け出した。
結局そのあと母親の手によって一瞬で捕まった姉さん達は、こっぴどく叱られ、俺に謝ってきた。
「「ごめんね、クルス。」」
俺は別に気にしてないので、気にしてないという意味を込めて笑顔を作ると、よく分からないがレレナ姉さんとルーナ姉さんと別に笑顔を向けてない母親とメイドのシェーラまで頬を赤らめて俯いてしまうという事件が起こった。
あれから3ヶ月がたった。
この世界でも季節はあるそうで今は夏だ。俺が生まれた季節は気温的に春だったので、今はかなり暑い……はずなのだが、この屋敷にはクーラーでもあるのか、季節が変わってもとても快適な温度だ。
この3ヶ月間は特にどこからかの刺客もなく、いつも訓練をする毎日だった。あったことと言えば、父親が顔を見せに来たことだ―――――
―――――扉の開く音がして今日も母親が来たのかと思ったら、今日はいつもの二人と一人の男性がいた。
耳が尖っているのでエルフだろう。やっと普通のエルフに会え『いえ、彼もハイエルフです。』ええ!?ハイエルフは俺の母親とメイドたちだけじゃなかったの??
『申し訳ありません、マスター。彼はその時外出していなかったようなので、調べることができませんでした。』
そ、そうなのか。な、なあティオ。
その~もしかしなくてもこの人も……
『はい……間違いなく化け物です。』
俺はもう驚かなかった。この屋敷にいて普通な人がいるわけないのだ!
そんな現実逃避をしていると母親―――名前はセーラというらしい、これからは他人行儀はやめて普通に母さんと呼ぼう―――がその男のことを紹介し始めた。
「クルスちゃん、この人は私の旦那さん、つまりあなたのお父さんのカレイドですよ~。」
この人が父親か……。容姿はバックにした銀髪に銀瞳の30代前半のナイスガイといったところだ。顔の造形は強面で街であったら、全財産置いて逃げ出すほどだ。
身長も高く、190センチ以上はあるだろう。
母親に紹介されると俺の父親は無言で手を伸ばしてきた。え?俺殴られるの?ごめんなさい!なんもしてないけどとりあえずごめんなさい!!
そんなことを心の中で叫んでいると、その手は俺の頭に置かれ、
「クルス~。お前のパパだぞ~。」
とてもだらしない笑みを浮かべて、俺の頭を撫でていた。
殴られるのかと思っていたがその手は気遣うように優しく俺の頭を撫でていて、とても気持ちよかった。
父親は俺をひとしきり撫でたら「またくる!」と言って部屋を出ていってしまった。
それからというものの、部屋に俺以外がいないと決まって俺のところにきてだらしない笑みを浮かべながら撫でていく、というのが日課になった。
――そして俺の父親は今日も俺を撫でに来ている。いつも強面だが、このだらしない笑顔を見てしまうととてもそんな風には見えない。実際、優しいのだろう。
俺はそう思いながら撫でられていると、終わったようで、俺の頭から手が離れた。そしていつものように「また来る!」といい、部屋を出ていった。
こそこそ来るくらいなら母さん達と一緒に来ればいいのに。
『おそらく、恥ずかしいのでしょう。』
そういうもんか。
さて、誰も居なくなったしこの3ヶ月でどのくらいステータスが伸びたか気になるな。
ずっとステータス確認してなかったからな。
ステータス!
クルス・レグサンド :男    0歳
種族:高位森人族
状態:健康
Lv . 1 
耐久力   10/10
魔力      664/664
攻撃  5
防御  5
俊敏  5
器用  402
運     85
《スキル》
剣術Lv . 1・身体強化Lv . 1 ・気配察知Lv . 5(2up)・気配遮断Lv . 5(3up)・魔力操作Lv . Lv . 5(1up)・魔力探知Lv . 5(2up ) ・隠蔽Lv . 1 
・調教Lv . 1 ・加速Lv . 1 
・成長倍加Lv ―・神の導き手Lv . 1 
・スキルクリエイトLv . ―(0P)
《加護》
主神イリスの加護、魔王の加護
《称号》
転生者、神の加護を受けし者、 
魔王の息子、世界の深淵を知る者
おお、魔力も器用も約5倍になってる。
でも何も倒してないからレベルはそのままか。
スキルも全部Lv . 5になったな。
特に魔力探知と気配察知は早く屋敷内の人達を見つけるために頑張ったからなあ…………まあ、無理だったんだけど。
気配遮断も3レベルも上がったのにあの化け物たちにはすぐ見つかるし…。
俺本当にチートなのかな……。
『マスター。通常でしたらスキルレベルが5になるまでには、最低でも10年必要です。ですから、マスターのスキルレベルの上がり方は異常なのです。』
《それにご主人様の魔力量はレベル1で、しかも赤ん坊で600とかあり得ないですからね。》
そんなかかるところを俺は4ヶ月ちょっとか。それに忘れてたけどまだ俺0歳の赤ん坊なんだよな。それでこの魔力量……うん、一応チートなんだな。
でも俺って成長倍化だけしかないから少なくとも、スキルレベルが5になるのに5年はかかるんじゃないのか?
『私も詳しくはわからないので、確証はないですが、おそらくマスターについている加護か称号が原因だと思います。』
加護か称号ね。そういえば魔王の加護なんてあったもんな。そういう能力があっても不思議じゃないか。
普通の人間からしたらチートなんだな。
『ええ、普通の人間からしたらそうですね。』
そうなんだ。普通ならね……。普通……普通か………ふふふ、はははは…………。
くそったれ!!!もっと強くなってやる!
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