その少女は求む~私はしたいことしかしません~

sekiyasya

楽しみたいな


止まったままのオーク達を無視して少女の来た道を戻るすると戦闘音が聞こえてきた
そこに青年のような声が聞こえる


「あぁぁぁぁ!!お嬢様を助けるんだ!そこをどけぇぇ!!」


お嬢様と言っているなら護衛騎士みたいなものなのだろうが騎士にしては口が悪い

そちらの方に行くとオーク2体と戦っている騎士1人、倒れている騎士が2人。よく見ると奥の方にオークらしきものが5つほど倒れている


「どうか助けてくださいませんか!」


お嬢様らしい少女があとから来てその場を見た瞬間言い出した。助けたいのは山々だが騎士と言えばプライドが高い者達だったはずだ(偏見)そのため普通に助けて良いものなのか考えるが


「お願いします!あとを考えるより今なんです!」


なるほどと思った瞬間にこん棒で殴られかけていた騎士の前に立ちこん棒を殴り折る


「っな?!」
「そこのお嬢さんに頼まれたので加勢にはいりました」


そのままバランスを崩しかけていた騎士は斜め後ろにずれもう1体の方の対処に向かった


「…子供に任せるのは大人としてどうかと思うがよろしく頼む」
「はい問題ないですよ」


オークはシイナの目の前で武器を失ったためかおろおろしていた


「じゃあまずはと」


シイナはオークの左足を左足で外側に蹴る。オークがバランスを崩す、そこへそのまま1回転し自分の頭ぐらいまで足を上げオークの右の横腹を蹴る、すると


「あれ?消えた?」


シイナの目の前からオークが消え更に木々も目に見えるほとんどが根本から折れていた

さっきの騎士の方を見るとこちらに剣を向けていた


「どうしたの?」
「…どうしたもこうしたもないだろ!何が目的だ!」


手が、それどころか全身が震えている

そんなのを見せられたらりたくなっちゃうなぁ

自然と口角が上がる


「ふッ、ふふふふふ」
「な、何がおかしい」
「ぇぇ、ぇえ、ええ。全部、全部おかしいわ、あはははははははは」
「ひぃぃ!…」


私は1歩踏み出すすると彼は1歩退く


「あらぁ?何で逃げるのぉ?」
「い、嫌だ」
「なぁにが嫌なのかしらねぇ?」
「く、くるなぁ!」


1歩1歩歩み寄る彼はまともに動くことも無理なようでさっきから動けていない


「ほぉら、手に触れちゃったよ?どうする?何で怯えてるのかなぁ。こんな小さい女の子に」


そこで彼の身体がビクッと震えた子供に怯えている恥辱と未知の強大なものの恐怖が混じった結果だろう


「あぁあそれだけなんだ、面白くないなぁ…。…もういいやちぎっちゃえ」
「え?」


彼はこれ以上の声が出なかった

シイナは触れていた手で右手の人差し指を引きちぎったのだ


「あっ、っあ、あ、…あぁ、うあぁぁぁぁぁ!」
「あはははははははは、そう!そうだよ!そうやって私を楽しませて!」


まるで機械音、ものすごく高い声で笑いながら次に手を引きちぎろうとすると右手に手が置かれた


「…お願い、やめて…殺さないで、傷つけないで…」


うつむいて喋ったその声は震えていた

その少女を見て正気を戻し手を離す、すると護衛の騎士は気絶したのだろうそのまま後ろに倒れた

はぁぁそうだった助けなきゃいけないんだった悪い癖ね…でもまだやりたいな


「ごめんねもうしないから」
「…絶対。」


まだ声は震えていたがこちらに警戒し始めたみたいだった


(もうさっきまでのようにはいかないわね)


心の中で呟きながら護衛達をどうするのか聞く


「できれば彼らが起きるまで待ちたいですが。……方向を教えますのでお母さんを助けてください」


やはり先ほどのことで信用をおそらくすべて失ったのだろう目を合わせようとしない


「分かったわ今度はあんなことしないから、約束する。教えて?」
「…向こうの方ですお母さん達は」


その指差す方向は森の奥の方だった


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