その少女は求む~私はしたいことしかしません~

sekiyasya

許さない、だけどこっちで生きてみる



紫色の髪をした女性が目を覚まし起き上がる

「ここはどこ」

辺りを見回すがただただ白いだけの場所何がなんだか分からないがすることもないのでそのまま辺りを見回すだけする
そんな風にしているといつの間にか目の前に女性が立っていた
そのことに警戒度を引き上げて話かける

「…貴女は誰ですか」
「そのように警戒しなくてもこちらからはなにもしませんよ」

その言葉に反応して手を後ろにやるが物がない
そのことも含めて距離をとる

白い髪の女性は自分からは話さないようにしようと思い無言で彼女を見る

暫しの間沈黙が続いたが紫色の髪の女性が喋る

「…本当ね?危害は加えないと約束して」
「えぇ、貴女に何かはするけど危害は加えません」
「…何かって何」

そんな返答は当たり前だろう危害は加えなくとも何かはするのだ

「それはもちろん転移のための調整ですよ」
「転移?」

これまた同じように聞きなれないことは聞き返すだろう

「えぇ転移です、それも異世界エルビギンスへの」
「……」

彼女からの返答は無くなってしまい白い髪の女性、創造神はこちらから話しかけるかと思う

「…あぁそ「なんで私なんですか」」

言葉を遮られたがそれに不満そうでもなくただただ考え

「なんでと言われても貴女が死んだから?」
「おししょうさま…お師匠様は?!」
「ん?お師匠様?あぁあの子は死んでいないよ」
「え?」

死んでいないはずはない何せあの人は…

「あの子、えぇとあっちでは天御あまみ志射鳴しいなだったっけ?あの名前面倒だよね。まあとにかくあの子は貴女が刺された後狂ったように辺りを破壊していたわよ」

絶句するあの人が狂う?あの人が?逆に言えば毎日狂ってるあの人が?
彼女ゆきはまともな思考ではなくなり(ある意味まとも)頭の中で問答する
咳払いが聞こえ目の前の人物を見る

「考え込むのはいいんだけどあとじゃダメかな?」
「…えっ、えぇ」
「うんうん、じゃあ話すよ?」

そうして話を聞くが雪はよく理解ができなかった

「え?じゃあとにかくええと、私が転移するときに魔力を一緒に持ってけばいいのね?」
「そそ、そゆこと」
「で、その魔力は勝手に私に付けられるから気にしなくていいと」
「うん」

雪は少し考え

「…いいわどうせで死んでるのだしお師匠様にはお世話になりすぎたけど教えられたもので生きるわ」
「転移したあとは貴女の好きにしていいからね」
「ところでさっき入力したステータスなのよね?」
「確認はあっちでね?」
「…」
「そんな目で見てもダメ、というよりまだ定着してないから無理。転移時にちゃんと定着されるから」
「…分かった、じゃあ送って」
「はいはいとじゃあねまた縁があれば」
「…うん」

それが最後で創造神の前から雪は消える
創造神はいつもの真顔に戻り呟く

「やはりお喋りは楽しいものですね。そういえばステータスはすごいものでしたねまさかあんなスキルを持っていくとは」




~それから300年経った頃~

「まだ眠ってるか、起きるまで待っておきましょう」

創造神はそう言って真っ白なイスに戻り紅茶のようなものをティーカップに注いで飲み始めるそばで転がっている金髪の少女を眺めながら

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