虐められていた僕は召喚された世界で奈落に落ちて、力を持った俺は地上に返り咲く

黒鉄やまと

第5話 ダンジョン

この1週間でレイラさんとは随分と仲良くなった。そして今日何故か僕も含めて全員が訓練場に呼び出された。

「さて、みんな集まったな。急だが明日からダンジョンに向かう。たしかに訓練も大切だが、魔王軍と戦う時最も多いのは魔物だ。だからダンジョンで魔物狩りをしてもらう。ほかの利点としては訓練であげられるレベルには限界がある。しかし、魔物を倒せばレベルも開けられるし経験値も得られる。そのような理由で明日からダンジョンに向かうことになった。きょうは訓練はなしなので各自の自由にしてもらって構わない。」

「「はい」」

ダンジョンか……。
ダンジョンとは別名迷宮とも呼ばれる。ダンジョンは自然発生するものと過去に作られたものがある。自然発生するものはダンジョンコアというものを中心に作られ始めるものだ。ダンジョンコアを破壊するとさまざまな褒美がある。そして1時間後にはダンジョンは消滅してしまう。

過去に作られたものは神々の遺産とも呼ばれ聖遺物アーティファクトとはまた別のものだ。神が作ったとされるそのダンジョンは長い時が経つているため階層はかなり深く今突破されている階層では324階層だという。世界の予測としては500ぐらいが平均ではないかと呼ばれている。ダンジョンはしたに行けば行くほど強いモンスターが現れる。

そのような考え事をしながら歩いていると前からレイラさんが来た。

「闇瀬か、少し話をいいか?」

「はい。いいですよ」

「では、こっちへ来てくれ。」

案内されたのはレイラさんの自室だった。

「えっと、レイラさん?ここ、レイラさんの自室ですよね?」

「ああ、そうだ。好きなところに座ってくれ。あ、ベッドはダメだぞ。」

そう言われ僕は近くのソファーに座る。
レイラさんは僕と自分の分の紅茶を出しながら向かいに座った。

「突然のことだが明日君は殺される。」

「…………はい?」

「実は一週間前に国王陛下にお前の始末命令が下った」

「一週間前って……僕達が来てすぐじゃないですか!」

「ああ、そうだ。陛下も君のことを無能と呼んでいらない存在として始末しようとしているらしい。」

「……それで、レイラさんは僕を殺すんですか?」

「……わからない」

「……そうですか。失礼しますね」

「…………」

僕は静かに部屋を出た。
自分の部屋に戻ると僕は食事も食べずにすぐに寝た。

翌日起きて支度をして部屋を出た。
訓練場に行き、いつものように罵られ、馬車に乗ってダンジョンに向かった。
今回行くダンジョンは太古の時代からあるダンジョンとされている。


「ここがダンジョンだ!これから20階層まで降りる!何かあっても大変なので今回は20名の騎士に来てもらった!何かあればすぐに言うように!」

レイラさんは少し悲しい表情をしながら話をした。

「それでは各自班を組んで1人ずつ騎士について行くように!」

「闇瀬、君はこっちだ。」

「……はい」

レイラさんに呼ばれ僕は騎士団の人と一緒に行くことになった。

ダンジョンに入って少しずつ僕も魔物を倒しながら進んでいく。しばらくすると大きな空間に出た。右側には大きな亀裂が入っている。その底は全く見えない。

「ここは……」

そうつぶやくと同時に部屋の奥に大きな魔法陣が現れた。

あれは……召喚魔法陣?
その魔法陣から現れたのはローブを着た魔法師団の人達だった。

ああ、そうか……僕は……ここで……

そう思った時には魔法が飛んできていた。
ぼっーとしていた僕に火属性の魔法は簡単に当たる。後ろからは騎士団の人の剣技スキルが発動してスキルを飛ばしてくる。

もう、終わったと思い目をつぶった。


…………???


一向に痛みに襲われない。
恐る恐る目を開けるとそこには僕をかばってボロボロになっているレイラさんの姿があった。

「どう……して……」

「ごめんね、闇瀬。勝手に呼び出しといて使えないから切り捨てて殺す。そんなのひどいよね……」

「なんで!!僕はいらない存在だ!親からも!周りからも!必要とされてこなかった。どうしてそんな僕を……」

気がつけば僕の目から涙が出ていた。

「私は……ゴホッ!闇瀬と話している時が1番楽しかった。上っ面の表情だったかもしれない。けど、それでも。君の笑顔に……ゴホッ!生きるんだ……生きる楽しさを……見つけてくれ……」

そう言ってレイラさん僕の頬に添えていた手は落ちてそれ以降もう動かなくなった。

「死にましたか。ちょうど良かったですね」

「ちょうど……よかった……?」

「はい。冥土の土産に教えてあげましょう。そいつには王国の反逆が疑われていたんですよ。まあ、今死んだのでどうってことないですが。そろそろ死んでください」

アルバさんが剣で僕のことを切りつけた。

「ぐああああ!!!!」

「まだ死にませんか」

「「ファイアボール」」

奥から魔法が飛んできた。それは僕の右肩と腕に直撃して僕の体は奈落に向かって飛んでいった。

ああ……ここで死ぬのか……
ごめんなさい……レイラさん……生きれなかったよ……

そこで僕の意識は途切れた。

コメント

  • にせまんじゅう

    これは闇落ちして復讐するパターンかな?

    0
  • 春咲友花

    あり○れた職業でなんちゃらと同じ
    →それは思った

    0
  • リムル様と尚文様は神!!サイタマも!!

    レイラさん、主人公と復讐してほしい

    2
  • 榎倖生

    あり〇れた職業でなんちゃらと同じ

    3
  • ノベルバユーザー291614

    急展開!!

    5
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