第3話 訓練

朝起きるとメイドさんが部屋の前にいた。

「おはようございます」

「おはようございます。闇瀬様。まだ、自己紹介をしていませんでしたね。私はこの城でメイドをしています。アリスと申します。」

「改めて闇瀬神夜です。こんな無能の世話なんてやりたくないですよね。すみません」

「いいえ、そんなことはありません。これから訓練ですよね？ご案内します。」

アリスさんに連れられ僕は訓練場に来た。

「こちらが訓練場になります。それでは失礼します。」

僕は訓練場に入ると先に来ていたクラスメイトの視線が一気に集まる。
それでいつもは終わりだった。

「おいおい無能よ、なんで俺たちより遅く来てんだよ、お前は無能なんだから俺たちより早く来て奉仕しなきゃダメだろう？」

「そうだぜ無能。また、殴られたいのか？まあ、いつもと変わらないがなあ！あはははははははは！」

そう言って霧乃達は元いた場所に帰っていった。
僕は何も言えないまま訓練場のはしにいどうした。しばらくすると四人の男女が入ってきた。

「これで全員か！それでは自己紹介をしよう。私はソレイユ王国の騎士団長をしている。レイラ・フォン・ベルフィムだ！こっちは副団長のアルバ・フォン・タルムーバだ！」

「どうもこんにちは皆さん。僕はアルバです。よろしくお願いしますね。」

赤い髪をしていてキリッとした目をしている女性がレイラさんで金色の髪をしたイケメンの男の人がアルバさんらしい。

「私はソレイユ王国の魔法師総隊長をしているボルグ・フォン・アルタナだ」

「僕は魔法師団第1師団の隊長をしているガルム・フォン・トスカーナだ。」

次は青い髪をした白いローブを付けた男の人がボルグさんで、ボルグさんの髪の色を少し薄くした青い髪の人がガルムさんだ。

「これから遠距離部隊と近距離部隊に別れて訓練を行う！魔法系のやつはボルグ総隊長の方へ、体術や武器を使うような奴は私の方へこい！わからないやつは聞きに来い！」

クラスメイトがわらわらと別れていく中僕はレイラさんに聞きに行った。

「僕はどっちに行けばいいですか？」

「ステータスを見せてくれ」

「ステータス」


【名前】闇瀬光輝
【種族】人族
【性別】男
【職業】無職

【生命力】150
【魔力】200

【スキル】進化

【称号】勇者、転移者

「これは……そうか君が……。正直いってわからない。そうだな君は訓練なしでいいだろう。自由参加にする。」

「はあ、わかりました。けど、どうすればいいんですか？」

「そうだな図書館にでも言ったらいいのではないか？」

「分かりました。ありがとうございます。」

「ああ。………………………………すまない」

レイラさんは返事はしたが最後に何かを言っていた。僕には聞こえなかったが。
その後僕は道行く人に聞きながら城の図書館に行った。
たしかに僕の戦闘力は皆無だ。みんなが無能と言うのもうなずける。だからせめて知識はと思って図書館に来てみた。

それから僕の図書館通いが始まる。