妹はヤンデレで小学3年生、姉はツンデレで大学2年生
8.
「これなんかどうかな?」
雫は薄いピンク色で白い大きめのボタンのフード付きダッフルコートを自分にあてて聞いてくる。
「うん、良く似合うと思うよ。リボンもついててかわいいよ。」
「えへへ、じゃあこれにしようかな。」
「いいんじゃないかな。」
「お兄ちゃんがそこまで言うならこれにする!」
レジを済ませて今からは俺の服を見に行く。すると前から見知った顔の女性がいた。クラスメイトで席が隣の新垣水美(あらがき みなみ)さんだ。彼女はクラスの中心的な人でよく学校のイベント事の時にクラスを盛り上げてくれる。顔が整っていて誰もが見てもかわいいと思う顔をしている。髪は肩甲骨のしたまでのばし茶髪だ。スタイルもモデル並で明るい性格でよくモテる。席が隣になってからはよく話掛けてくれるが男子の嫉妬の視線が突き刺さる。
「あっ!雄太君だ!」
「こんにちは。新垣さん。」
クイッ
「あーっ、また名字で呼んだ!いつも言ってるじゃん!名前で呼んでって!」
クイッ
「でもまだ最近話始めたばかりだし…。」 
「...っ!やっぱりまだボソ。」
やっぱまだとはなんだろう?何か約束でもしていただろうか。クイッ   雫がさっきから俺の服の袖を引っ張る。雫に顔を向けると。手をかがんてと上下に動かしていたのでかがむと。顔を耳元まで寄せてきて。
「この女、だれ?」
と低い声で聞いてくる。
なにこの子怖い!初めて聞いたよ雫のこんな声!やっぱりヤンデレなのね。最近こんな反応なかったから俺の間違えだと思ってたけど。
「クラスメイトの新垣水美さんだよ。」
「本当にそれだけ?」
雫の目にハイライトが消える。やばい。
「本当にそれだけだよ!だからいつもの雫の目に戻って!そっちの方がかわいいから!」
そう言うと雫の目がいつもどうりに戻った。いや、いつもより輝いてきた。
「ほ、本当に私かわいい?」
なぜ今更聞いてくるのか分からないがかわいいと言って欲しいのだろう。
「あぁ、かわいいよ。」
「えへへー。」
「それよりその子は?」
「ごめん、紹介がまだだったね。妹の雫だよ。」
「こんにちは。お兄ちゃん"の"妹の雫です。」
今凄い"の"を強調しなかった?
「こんにちは。雄太君"の“友達の新垣水美だよ。よろしくね。」
なんで新垣さんも"の"を強調するの?女の子の中で流行ってるの?
「それより。雄太君は何をしに来たの?」
「服と今日の晩飯の買い出しに来たんだ。で、今から俺の服を見に行くところだよ。」
「そっか!じゃあ私が雄太君に似合うの見つけてあげる!」
「い、いいよ。新垣さんも誰かと来てるんでしょ?」
「さっきまでは友達といたけどその友達の彼氏にあってそのまま2人でデートしだしちゃったから別れて来たばかりだから大丈夫だよ!」
「そ、そっか。新垣さんが大丈夫なら俺いいけど...。雫は?」
「お兄ちゃんと"2人"がいい。」
「そんなこと言わないで人数が多い方が楽しいよ!ね?だから一緒に行こっ!」
雫と新垣さんの間に火花が飛ぶような幻覚が見える。初めてあったのになんでこんなにも仲が悪いのだろう。
「まぁ、雫もそう言わずに。新垣さんも1人じゃ寂しいし、服の意見も多い方がいいし。」
「...分かった。」
渋々納得してくれた雫は一層手を繋ぐ力を増やしてきた。流れで一緒に行動することにしたがやはりこの2人をくっつけて大丈夫だろうか…。
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