転生して3分でボスバトル!〜ボスを倒したら邪神になったので異世界の学校に通う〜
器の昇華と眷属化
「いきなり叫んでなんだソイツ、レイが眷属を作ったなんて聞いてねぇぞ?」
大魔王とか名乗って来た奴はよく分からない事を言っている。
というかサタンという名前だけどジェネシスとは見た目がだいぶ違うな、やっぱ違う世界ってことか。
俺が色々考えているとサタンとレイが話始めた。
「……このお方はシン様、新しい邪神様…」
「ハハッそれは無いな、呪われた一族の末裔…レイ・ブラッド、仮にもそいつが邪神だったとしたら絶対お前は近づかない」
「……それは」
どうやらレイには何か"ある"らしい、名前のブラッドってところも隠してたしな。
俺は後でレイに隠してる事全部聞こうと決めた
「なぁレイ、取り敢えずあの大魔王とか言ってる奴倒してもいい?」
俺は既に限界だった、前世?でもすぐイライラするタイプだったのだ…そこ!めんどくさいタイプとか言わない!
「……流石にシン様でも、まだ邪神になったばっかりだし……多分無理だと…思います」
どうやらレイは俺じゃまだ倒せないと思ってるらしい。
レイはあんまり怒ってなくても俺はキレてるのだ、せめて一発はダメージを与えてやろうと思って邪竜とかいうドラゴンにも放った《ニブルヘイム》をサタンに向けて放った…
放ったのだがサタンはほぼ無傷だった、右腕が少し凍った程度で、逆にとても楽しそうに嗤った。
「なかなか強い魔法じゃねぇか!大魔王の俺が結構本気で対魔法術式組んだんだけどなぁあっ!」
サタンはそう言いながら魔法を放って来た。
俺はほぼ同威力の魔法を放ち、魔法を相殺した。
それが引き金となった…俺達は魔法を激しく打ち合った。
凍らせ、燃やし、風で切り刻み、巨大な岩で潰し、闇が襲う。
全て相殺し、互いの魔法を激しくぶつけ合った…
数分程経ち、俺がかなり押していた。
魔法を打ち合いながら、サタンが話しかけて来た。
「お前が邪神ってのは案外本当かもなぁ、レベル3000の俺が本気を出して押されてやがる。
   だからといって俺は邪神なんかに服従する気はさらさら無い!ぶっ殺して俺自身が邪神になるのが目的だからな!」
今の一言でわかったことが2つある、こいつは俺を邪神だと分かった上で殺そうとしている
もう一つはジェネシスとはおそらくレベルのシステムが違う。
俺はジェネシスで2300を超えた辺りでログアウトし、学校にいって殺されてこの世界にきて邪竜とかいうドラゴンとこの城に来るまで魔物を倒しただけだ。
それだけでとても700以上レベルが上がるとは思えない、邪神になって大幅に強くなったという可能性もあるがそうは思えない。
そんな事を考えながら魔法を放っていると、サタンが今までよりも強い魔法を放って来た。
俺はそれを先程までと同じように相殺しようと魔法を放つが威力を間違えた…
強くしすぎたのだ…
大爆発、辺り一面吹き飛んだ。
その爆発が俺の下まで及ぼうとしたその時……
レイが飛び込んで来た、俺にはおそらくダメージがなかったと思う爆発をレイは俺の"もしも"の為に庇ったのだ。
全身傷だらけだった、所々から血が出ていた…
そして右腕がなくなっていた…
「うわぁぁぁあああ」
俺は人生で初めて見る傷に叫んだ、目を逸らしたくなった、吐き気がした。
「ヒール!ヒール!ヒール!なんで治らないんだよ!」
俺は必死に回復魔法をレイにかけ続けた、しかし全く治らない。
レイの胸のあたりに耳を近づける…心臓の鼓動がなくなっていた…
心から何かが抜け落ちる感覚に陥った…
ジェネシスでは他プレイヤーやモンスターとレベル差があり過ぎてダメージを喰らわなかったので全く回復魔法を強くしなかった。
まさかこんな所でその仇をくらうとは思わなかった。
強くなっておけばよかった、もっと強くなっておけばレイを傷つけずに済んだ、もっと強くなっていたら治すこともできた。
強くなりたい、もっと強く
すると脳内にまた流れてきた
【報告、魔王サタンの討伐を確認、自身の強化を実行…成功、器の限界を確認、限界突破の為"邪神の器"を昇華しますか?】
大型モンスターを倒したりすると出てくるやつだ、なんだあいつ死んだのか。
いつもと違う気がする、器の昇華?なんだそれ、でも強くなれるならする、なんでもしよう。
心の中ですると言う。
【了承、器の昇華を実行…成功、新たに《眷属化》《眷属蘇生》を会得…成功】
眷属蘇生?それを使えばレイは治るのか?
【不可、個体名レイ・ブラッドは眷属では無いので使用できません。】
眷属にすればできるのか?
【可能、死亡から1分以内であれば蘇生可能】
眷属にするにはどうしたらいい?
【回答、眷属化させる対象の唇に向けての接吻】
…要するにキスか、だが時間も無いしやるしか無い…
俺はレイにキスをした。
【報告、個体名レイ・ブラッドに向けての眷属化の意思を確認、眷属化しますか?】
する。
【成功、レイ・ブラッドの眷属化しました】
よし、これでレイを治せるか?
「《眷属蘇生》!」
どうしたらいいか分からなかったからレイの身体に触れながら魔力を込め声に出していった。
その瞬間レイの身体の傷が治っていき、すぐ近くに置いてあった右腕も引っ付いた。
意識が戻ったようだった。
「……あれ…レイは、シン様を庇って…」
状況が飲み込めていないようだったからほぼ全ての事を説明した。
レイはとても嬉しそうに笑ってくれた。
笑った後すぐ、泣きながら俺に抱きついてきた。
本当にレイを治せてよかったと思う。
…キスしたことは黙ってるんだけどね
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
147
-
-
58
-
-
1
-
-
4112
-
-
549
-
-
125
-
-
63
-
-
52
-
-
2
コメント
ノベルバユーザー601496
転生して3分でボスバトル!のタイトルに見合っている文の量でサクサク読み進められました。
行間の取り方も見やすいです。