規格外の殺し屋は異世界でも最凶!?

くうはく

手紙

フィーナさんとのお出掛け騒動の翌日、もうすぐお昼になる頃...王城の某廊下にて─────


「あの...ソラ?何をしているんですか?」

「おー、フィーナさんおはよう。朝から元気だね〜、今ちょっと取り込み中だからまた後でね?」

「あ、はい、おはようございます。いえ、まぁ、私にも色々ありますし…って、そうではなくて!この状況を説明してくださいよ!」


「そう言われてもなぁ...」

そう、俺は今廊下のド真ん中で正座をしている...

そして、

「それにその子は一体誰なんですか?」



幼女に怒られていた…


「あー、どこから説明したものか…実は今朝な...」





─────────────────


椎名 蒼空しいな そら

職業: 殺し屋
種族: 人族
Lv: 4

HP 4000/4000

MP 0/0

物理攻撃 2800

物理防御 2300

魔法攻撃 0

魔法防御 2600

俊敏性 2000

《魔法適性》

無し

《スキル》
体術 LvMAX
剣術 LvMAX
暗器術 LvMAX
柔術 LvMAX
銃術 LvMAX
投擲術 LvMAX
槍術 LvMAX
弓術 LvMAX
隠密 LvMAX
気配察知 LvMAX
暗殺術 LvMAX
料理 Lv4

《EXスキル》
・言語理解
・時の支配 Lv1(固有スキルユニークスキル)
・死神 Lv1(固有スキルユニークスキル)
・創造神の加護

禁忌目録インデックス

・????


《称号》
・異世界人
・創造神に認められし者
・最凶の殺し屋
・死神


───────────────────


「なんだこりゃ〜...」

思わず1人で気の抜けたツッコミを入れてしまった…

とりあえず状況を整理しよう。

MPが0になったのは分かる。自称神が魔力を消すとか言ってたし、そうなれば魔法適性なんてゼロだ、必然的に魔法がステータスから消えるのも道理だろう。Lvが上がっているのは昨日の戦闘の結果だろうから理解は出来る。

駄菓子菓子...それでも、解せない。

「なんなんだ?禁忌目録って...」


その瞬間、目の前の空間が歪んだ───

そしてその空間から赤い霧が溢れ出し直ぐにそれらは1ヶ所に集まりだした。
その中から無機質で凛とした小さな、しかし透き通った鈴のような綺麗な声が部屋に響く。


「呼び出し記述コードの発言を確認...音声認証、網膜認証、体格、創造神エレノス様より提供された情報と一致、名称ソラ、貴方を今より我が主として登録します。」

そして徐々に霧が消えていき、


幼女が残った…

身長は130もないだろう、だが、蒼穹の瞳に桃色のショートカットの童顔と、幼さを感じる中に潜む大人っぽさは見るもの全てを魅了するためだけに美の神の渾身の1作と言われてもうなずけるほど、簡単に言うとめっちゃくちゃ可愛い少女が立っていた。




「あー、君はだれ?って聞いてもいいかな?」

「はい、私は禁忌目録インデックスと言い、創造神エレノス様が書き記す神界図書のうちの1冊です。」

「神界図書?」

「はい、この世界トライデントが存在し主様の元いた世界地球が存在するように、この世においては神界から見ることが出来る世界が523個存在します。そして、それら1つ1つの世界の歴史、娯楽、文化、等々をエレノス様は523冊の本にそれぞれ書き記し、生命を吹き込み、それぞれの世界に適応する肉体を与えられました。その1冊がこの私、禁書目録です。」

「523冊って...あの人はなんでそこまでしているんだ?」

「エレノス様曰く、『他の世界に中々干渉できない上に、何正年以上も生きていると暇すぎる』だそうです。補足ですか正年の正とは主様の世界で言う10の40乗にあたります。」

「それは暇になるわな…」

どれだけ世界があって、仕事があって、それぞれの文明があっても規格外の年月があっても、桁が違いすぎる...あの爺さんどんだけ生きてんだよ…

「てか、そんな大層なやつをなんで俺に寄越すんだ?」

そう、問題は爺さんじゃない、いや、爺さんの歳も歳だけど、それ以上にそんなに大事なやつをなんで俺に寄越したのか、分からない。

そうして熟考していると、


「主様、創造神エレノス様よりお手紙を預かっております。」

...嫌な予感がするけどテンプレ的にどうなんだろうか....


「.............................見たくないなぁ」

そう言いつつも手紙を受け取り封を切って読む。


──────────────────

【やぁやぁ、ソラよ。
この手紙を見ているという事はもう禁書目録とは会えたんだろう。まぁ難しい話はそれに聞くといいじゃろうから、簡単に言うぞ、そこのクズ本お主にくれてやるわ。好きなように利用するが良い。お主の命令には逆らえないようにしてあるからの、性処理なり、ムカついた時のサンドバックにするなり、言えば、なんでも言うことを聞くぞ。お主の好きなように使うといい。これでもお主はわしの友として見ておるからの、これくらいは感謝しなくてもいいぞ笑】



グシャリ...

「....ま.......す...?....し...様?...主様!」

「っ!....あぁ、えっと…禁書目録だっけ、呼びにくいからイラって呼んでもいい?」


「それは構いませんが、主様、どうなされましたか?何やら怒っていらっしゃるようですが、手紙に何か書いてあったので?」


しまったな、感情が表にでてたみたいで、若干困惑されてる...つか、めっちゃ可愛い...

「イラはこの手紙の中身を知っているのか?」


「いえ、なにも存じ上げません。」


「そか、とりあえずこれを読むといいよ。」


本当なら読ませないべきなんだろうか、それでも、読んだ時、イラはどんな反応をするのだろうかという好奇心が手紙を渡してしまった。

すると、


「....なるほど、元より神界図書から主様の手に渡った時点で私は主様のモノ。私に拒否権はありません....好きなようにお使いください。...なんでしたら、先程から怒っていらっしゃるようですので憂さ晴らしにでも使われてはどうですか?」


..........................


「いや、それはしない。その代わり2つ聞いてもいいか?」


「なんでしょうか?」


「1つ目、本当にその手紙の内容そのまんまイラに当てはめてもいいのか?」


「...はい。元よりエレノス様より与えられた肉体です。頑丈ですし、手紙に書いてある通り命令して下さればそれがなんであれ実行致します。」

..........................


「そっか、なら2つ目、イラの能力でこっちから天界に行くことは出来る?」


「出来ません」


即否定された…


「そっかぁ...それは残念だ」


「ですが…」


「ん?」

「片道切符を1枚預かっております。」


「おー、それは今から使える?」


「はい、ですがこれは1回きりのみ、主様が今考えてる事に使うには勿体ないかと」


「考えていること?」


「はい、あくまでも私の予想ではありますが、私の扱いに対して怒っていらっしゃるのではと、」

テンプレだしバレてるか…


「それで?」



「しかし、この手紙に書いてあることは事実、所詮本でしかない私はもう数十年もすれば朽ち果てます。エレノス様が手放すのは至極当然のことかと。しかし能力が使えるのも事実、肉体もあります。ならば有効活用すべきというエレノス様はなにも間違っていませんよ?」



「うん、3割正解だね。」


そう、まだ足りていない


「3割ですか...わたしもまだまだですね。ならば何故ですか?」



「それはいずれ教えるさ、とりあえず今すぐ行こっか。」



「主様がそう仰るならば、私に拒否権はございません。では....」


そう言ってイラは1枚の紙をどこからか取り出し徐に破った。


そして次の瞬間、俺とイラの姿は王城から消えていた。





───────────────


目を開けると、数時間前に訪れた真っ白な空間、神界が目の前に広がっていた。

そして、


「む?なんじゃ、ソラよ、中々早く来たのう」


いつもの爺が後ろに居た。


「よぉ、ちょっとイラの事でお礼をしに来たんだよ。つーわけで、とりあえず4発殴らせろ。」






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