最弱になりすました最強

ちぃびぃ

決闘からの変化

決闘から数日、神扇かおうぎは注目を浴びていた。そのほとんどが疑惑に満ちていた。その理由は突然編入してきた生徒が学園4位を倒したからだ。
この慧藍学園けいらんがくえんは実力主義の学園だからだ。突然編入してきた生徒が実力を示すと疑惑に染まるのは当然だった。

(よく注目されるなー)

(それはそうだろ)

(でも、こんな注目されるとは思ってない……)

(いいじゃねえかー、人気者だな)

(こんなことになるんだったら決闘しないほうが良かったかな)

(てめぇーが決めたことだ諦めろ)

(だよねー……)

アマノトと話をしていると生徒会室に着いた。今日は生徒会長の千莉ちりに呼ばれていた。ドアをノックしてから開けた。

「失礼しまーすッ!?」

驚いて語尾が変になった。なぜなら目の前にはお風呂に入ったあとなのか湯上り姿の千莉がいたからだ。

「えっ……」

頬は微かに赤く染まり、身体全体も火照っていた。正直言ってとてつもなく綺麗だった。

「・・・・・・」

「・・・・・・」 

二人とも硬直したまま数分が経過した。神扇はハッと我に返って謝ってから生徒会室から出ていった。

「ご、ごめんなさい!」




数分後制服に着替え終わった千莉に呼ばれて再び生徒会室に入った神扇はまだ顔が赤かった。

「生徒会室っていろんな設備があるんですね」

「ええ、いっぱいあるわよ。キッチンとか寝室とかお風呂とかね」

「へ、へー、いっぱいあるんですね」

お風呂と聞いてさらに顔が赤くなる神扇。

「あ、あれは忘れてっ!」

千莉が声を上げて言った。その顔は神扇以上に赤くなっていた。

「す、すいません」

神扇は謝った。そのあと話題を逸らすように千莉が話をした。

「それにしても随分有名になったね。学園中の噂になっているよ」

「うわぁ……」

僕は嫌な顔をする。注目されるのは嫌だ。

「そんなに嫌な顔しないで。注目されるのはいいことよ。どうせすぐ収まるだろうし」

「そうですかねぇ」

「ま、とにかく1週間ぐらいはなにかあるかもだけど気にしちゃダメよ」

「分かりましたよ」

頷いて僕は生徒会室を出ようとした。そのとき僕はからかいの意味を込めてこう言った。

「千莉さんって案外可愛いところあるんですね」

そして部屋からでていく。
千莉は神扇に言われたことを時間をかけて理解するとこう叫んだ。

「む~、なによ分かったようなこと言って。か、可愛いだなんてそんなことで騙されないわよ!」



作者からのあとがき
遅くなりました。本当すいません!!いやー、最近忙しくて全然書けないです。
もっと遅くなるかもしれませんが待っててくれるとありがたいです。
「雨と一緒に女の子が降ってきた!?」と「色々な物語」も読んでくれると嬉しいです。ではまた



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