感じるのは快楽だけ

白鹿

屈辱の快楽


思わずため息が出る。


本当に俺をどうしたいんだ。


俺はどうすれば…


今までされて来たこと全てが理解し難く屈辱的なものだった。


このまま逃げ出せずにいたらどうなってしまうのだろう。



人間は適応能力が高いからこのような非常にひどい状況でも慣れてしまうのだろうか。


前テレビで七年前に誘拐された少女が保護されたというニュースを見た。

その時に話していたのは、犯人以外の人と会うことも話すこともない状態では誘拐されたという前提があったとしても少し優しくされるといい人だと勘違いしてしまうらしい。

また、ほかの人の意見がないので犯人の言っていることが段々と正しく思えてくるらしい。


その間に少女は犯人に対して好意を持っていたということも言っていた。



この状況から早く抜け出さないと、






と、考えていた時ドアの向こうから足音が聞こえて来た。



ドアが開く




そこにはさっきと同じ男が立っていた。




今度は何をされるのだろう。



肩に力が入る。





男は少しづつこちらへ歩いてくる。



息がつまる。


恐怖で身がすくむ。



視線はしっかりと男を見つめる。




目の前で立ち止まる。





と同時に口元に布の感触。

少し濡れている。




鼻にツンと刺激臭がした。



一瞬のことで何も抵抗できない。



意識が遠のいた。






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