VRMMOをガチャで生き抜くために

りっきー

91話──取り巻き

「そろそろ着く頃かな?」

「そうですね。そろそろだと思いますよ。」

(気合い入れていきましょう。)
ボスは【ネリウス・ザ・ウルフ】というボスらしい。名前だけだとウルフと言うだけしか分からないが、きっと強いのだろう。(名前も強そうだしな。)

「そうだな! ボスの前に取り巻きが居るからまずそっちから倒そう。ボスに手こずると取り巻きが湧くからな。」

(そうですね。じゃあ、基本的に全員倒して良いんですよね?)

「大丈夫だぞ。グレイスよろしくな。」

(はい! 任せてください。)

「取り巻きはHPが少ないから、リルも普通に戦っていいからな。」

「分かりました。ありがとうございます。」

「じゃあ行くぞー!」

「はい!」

(了解した。)
俺達は別れてそれぞれ敵のところへ向かった。しかし、そこまで離れていないので連携が崩れることも無いだろう。

「おっと、やっと出てきたか。」
俺の所に出てきたのは、【サイレントウルフ】だ。攻撃力、HPは大した事はないが、姿、音を消して襲ってくるので厄介である。しかし、対処法は考えられている。【サイレントウルフ】は攻撃する瞬間に1度姿が見え、音がするのだ。仕様のおかげで【サイレントウルフ】は倒せる。俺の所は倒せそうだが、他の2人が心配だ。【サイレントウルフ】も結構レアな魔物だからな。レアと言ってもあまり出現しないだけ。

「でも、2人なら大丈夫かかな? 俺は目の前の敵に集中しないと。」
【サイレントウルフ】の姿が見えるのは一瞬なので集中しないと捉えきれない。

「ふぅ。どこからでも来い。」
俺はその場で静止した。【サイレントウルフ】はどこかに消え、いつでも襲われてもいいように身構える。

『カサカサッ』
一瞬音がして俺は右斜め後ろに刀を向けた。

「どうだ!」
俺は後ろを見た。

「よし。完璧だー。」
俺は集中して疲れたのでその場で倒れ込んだ。

「少し休憩だな。集中力鍛えないと【サイレントウルフ】と戦うのはきついな。」
後々サイレントウルフの群れと出くわしたら絶対勝てないからな。

「そろそろ行かないと2人に怒られるかな。」
俺はゆっくりと歩き始めた。マップでグレイスとリルを見たが、既に倒した後で早いスピードで待ち合わせ場所に向かっている。

「うわ! やば! 早く行かないと。」
ひょっとしなくても、2人は俺よりも強いかもしれない。

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