VRMMOをガチャで生き抜くために

りっきー

9話──新しいフレンド

リュウがログインしました。

メニューを開いてフレンド欄を見た。
その時フレンド欄に一人しかいないことに気がついた。

「やばい、ゲーム内で知り合いを作らないといけない...」

「まだサクラは来てないようだね。」

「プレイヤーと仲良くなろうかな。」
冒険者ギルドの休憩所で話すのもいいけど、生産系プレイヤーが営んでるお店に行ってちょっと買い物がてら世間話してこようかな。

「そうと決まれば、早速行動だ。」
俺の座右の銘は【思い立ったが吉日】だからな!

『ガチャ』

「ごめんください。」

「いらっしゃいませ。」
これまた美人なお姉さんだ。20歳をこえてるかな?

「新しい防具を見に来たんですけど...」

「防具でしたらこちらにありますよ!」

「おぉ!なかなか上質なものですね。」

「ありがとうございます!これ私が作ったんですよ!」お姉さんとても嬉しそう。

「そうだったんですか。凄いですね!俺にはこんなこと出来ないですよ。」

「えへへ。まあスキルのおかけですけどね。」少しドキッとしてしまった。

「でも、凄いですよ!特にこの胸当てとか防御力高いですし。」

「うふふ。嬉しいわ。ひとつ聞いてもいいかしら?」

「どうしたんですか?」

「その剣何?なんかとても業物のような気がしてならないのだけれども。」

「分かるんですか?凄いですね。これはですね妖刀──村正何ですよ。チュートリアルのガチャで当たっちゃったんです。」

「凄いですね!出来れば見していただきたいんですけど...ダメですかね?」
ぐ、この上目遣い断れるわけがない。

「どうぞ。」

「ありがとう。うわ、これすごい。切れ味は高いし、剣の模様も綺麗、オークションに出したら結構高く付きそうね。あ、ごめんなさい。そういうつもりはないのよ?」

「大丈夫ですよ。お姉さんが悪い人ではないのは分かりますので。そう言えば名前を聞いてなかったですね。俺はリュウです。よろしくお願いします。」

「ありがとう。私はマイ。よろしく!それにしてもこれはほんとにすごいわね。」生産系固有スキルに【利き眼】というものがあってアイテムに特化したスキルがあるらしい。

「運が良かったんですよ。俺もびっくりしました。」

「そうね。出来ればそういうものをゲットした時に見せて欲しいのだけれども、参考にしたいし。」

「いいですよ!」

「ありがとう。じゃあフレンドお願い出来る?」

「わかりました。」

リュウとマイはフレンドになりました。

「じゃあ、この防具ください。」
これは【黒のローブ】といって少しだけ気配が消せる代物なんだとか。

「分かったわ。剣を見せてもらったから、7000ゴールドでいいわよ。」

「いいんですか!?ありがとうございます。」因みに本当は1万ゴールドだった。
まさかの3割引き。所持金は5000ゴールドになっちゃったけどな。

「こちらこそありがとね。また来てね。」

「はい!また来ます!」
そう言って俺は何でも屋【MAI'Sキッチン】を出た。

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