#140文字小説

北西時雨

2017/11/09

花が舞っている。花弁ではなく萼(がく)ごと。茎も葉もなく数多散り散りに切り裂かれ、生首のごとき花だけが舞っている。僕が放り投げた花束を瞬く間にそんな風にした切り裂き魔は、次はお前だと言うように、振り向き微笑んだ。

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