独白


小説はなんて素晴らしいんだろう。

と、ぼくは何らかの小説を読み終えるたびに思っていた。
作者が文字の中に人物、風景、感情を描き、読者に想起を促し、そしてその読者それぞれの中に小説の魂を宿らせるのだ。

自らが創作した物語に対して、読者という見ず知らずの他人が何らかの影響を受けるのだ。小説を通じて世界中の人と繋がることのできる。

ああ、そうだ。ぼくも小説家になろう。

それがぼくの生まれて初めての夢になった。
中学1年生の春のことだった。

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