自殺するなら異世界転生を‼︎

ハト

第10話

焦って天使に見えない天使さま、その天使さまに言い詰められ沈み込む俺。
薄暗い夕方の一室に変な絵が出来上がった。

「ふっふっふー、自殺する前のテンションに戻ったね?これはもう行くしかない!行くしかないよね?!」

それに言い返せない俺がいる。
もう行ってもいいなとどうでもになれと思う。

「あー、もういいよ!行くよ!行けばいいんだろ!」

もうやけだ。開き直り全てを捨てると思い全力で返事をする。

「ほんと?ほんとに行ってくれる?」

目が軽く赤い。泣く寸前だったのだろう。

「あぁ、行くよ!」

「ほんとにほんと?」

何度も確かめてくる。なんか普通にかわいい(笑)。

「ほんとだから、ほんとに行くから!」

この会話が2回ほど続いた。
いい加減うざい。

「もおぉー!行くって言ってんだろ!いい加減泣きやめよ!」

つい頭にきて怒鳴ってしまう。
かろうじて泣き止む天使さま。しかし目尻にはまだ涙が浮かんでいる。

「泣き止んだな?俺が泣かせたみたいでなんかやだなこの感じ・・・」

行くことを決めたからには色々と確認しなければならない。何も準備なしで行ったら困るからな。
ということで天使さまに色々と質問する。

「あ、あ〜。天使さま?異世界に行くのに何か持っていけるの?」

とりあえず私物を持っていけるか確認する。

「ぐすっ・・・。うーん、無理だね」

即答する天使さま。
まぁ、当然っちゃ当然だよな。

「持っていけるのは、着ている服とかかな。それと身につけてる小物とかだね」

「そうか、何も持ってけないのか。じゃあ現地調達するしかないな」

「そうだね〜全部一人でやってってもらうつもりだからね〜、全部現地調達だね」

なんか『無人島に持って行けるものは一つだけです。あなたは何を持って行きますか?』っていう質問みたいだ。
行くと言ってから段々とテンションが戻ってきている天使さま。
そんなことを気にすることなく質問タイムは続く。

「言語とかどうなの?英語ならともかく他の言語はわからないよ?どうなんだ?」

「あー、言葉ね。その辺は大丈夫!異世界に行く間に頭に入れとくから」

「あっ、頭に入れる?勝手に頭いじられるのかよっ!」

言語という一番大事なことなのにその返答は何か闇を感じざるをえない。

「そっ、大丈夫うまくやるから」

すごいニッコリ笑っている、ここに来て一番の笑顔だと思う。

「そ、そうなんだ〜・・・」

若干引いている。

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