自殺するなら異世界転生を‼︎

ハト

第7話

今の僕の現状だと地獄ではまだ序ノ口と言う天使さま。
確かに肉体的には痛い思いは全くしていない。
しかし、精神はもうすり減って自殺まで決意するほどに弱っている。
それ以上なんて全く想像できない。
なので、度胸試しもいいところで行く決心を決めるため体験してみることにする。

「い、いいだろう。体験してやろうじゃないか」

強がった口調で言うが声が震えている。
やはりどこか怖いという感情が無意識に出てきているのだろう。
それを聞いて天使さまは笑顔になりはじめた。

「そ、じゃあ10秒・・・、じゃ今の君は精神がほんとに崩壊しかねないから・・・、半分の5秒くらいにしようか」

ニコッとするがなかなか厳しいことを言う天使さま。

「お、おう・・・、5秒間なんて楽勝だよ。やってやろうじゃないか」

後に引けず強がったまま急かすように促す。
すると天使さまはまたニコッと笑いだした。

「よしっ!じゃあいくよ!地獄の体験どうぞご覧あれ〜」

そう言って僕の頭に手を乗せる。
少しピリッとした感覚の後今までに体験したことがない凄まじい体験を俺はした。
それは痛いなんてものではない、四肢を切られ、血を抜き取られ、体のあちこちを傷つけられる。
全てが致命傷になる罰。
死ぬほどの痛みを与えられているというのに死ぬことができない。
むしろ死ぬことを許されないという世界。
痛みの中意識が飛ぶことはなくはっきりとした状態でその痛みを繰り返し与えられる。
それが地獄に行って罰を受けるということらしい。

「ウァァァァァァァァーー!!!!」と死の直前を感じるのような絶叫をあげる。
そして数分だろうか俺の意識は戻ってきているのに頭が働かず、ずっとボーッとしていた。
むしろ気絶していたのではないだろうかと言うくらいに。
たった5秒間だけなのにこれだけの苦痛を体験する。
もし10秒間もこの感覚を味わってたら間違いなく俺の精神は立ち直れないほどに病んでいたことだろう。

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