天才過ぎて世間から嫌われた男が、異世界にて無双するらしい。

暗喩

第6話 天才vsドラゴン。



ーーーーーー

  俺は今、目の前にいる五十メートルを越える大きさのドラゴンを見上げながら、睨み合っている。

  一つとして物を語る事もなく......。

  ドラゴンは、俺が動き出すのを待っている様子だった。

  俺も俺で、ドラゴンに合わせる様に間合いを取っている...。


ーーその時間は、永遠とも取れる程に張り詰めていて、まさに、一触即発と言える状況である。


ーーそして、暫く静寂が続く......。


ーーその時だった。ーー


  ドラゴンは、その大きな体で俺に向かい、勢いよく飛び込んで来たのだ。

  ある程度の行動は読んでいた俺は、素早く避ける。

  避けたのを確認すると、ドラゴンは間髪を入れずに、そのまま俺の方に首を向け、炎を放って来た。


ーーこれは、避けられない......。


  そう思った俺は、全身に炎を纏う事で、ドラゴンの炎と同化したのだ。

  そこに、俺が同じ様に手から炎を放つ。

  ドラゴンは一瞬、攻撃を打ち消した事に驚いた後で、俺の放った炎を避けるのであった。


ーーそれから、暫く攻防は続く。


  炎を出したり、襲いかかったり、打ち消しあったり......。

  そんな状況が数十分続いた後で、俺とドラゴンは、一度体制を立て直す為に、再び間合いを取った......。


  その際、周りを見渡すと草原が煌々と燃えているのが確認出来た。


ーーすると、ドラゴンが今度は先程とは違い、物凄い炎のオーラを纏い、口元を光らせているのを見て、何かの大技の準備をしているのがわかった。


  それを見た俺も、大規模な炎のオーラを纏いつつ、即興で作った炎の刀を取って見せた。


ーー再び長い沈黙が続く......。ーー


ーーそして、その沈黙は破られた。


  ドラゴンは俺に向かって、口から出した炎を、纏っていたオーラごと放ってきたのだ。


ーー煌々と燃え上がるその炎は、容赦なく俺へと向かってくる。


  オーラにより、ドラゴンの形となったその炎の規模は、先程の実験で俺が全力で出した炎よりも、ずっと大きいものなのだ......。

  
  俺は、それが襲いかかって来た事で、動けなくなってしまった。


ーーここまでの攻撃は、絶対に防げない......。


  そう考えていると、ふと、走馬灯の様に過去の事を思い出した......。ーー

「お前はこの世にはいらない存在なんだよ、化け物。」

「あれ、まだ死んでなかったんだ。」

「クラスみんなであのクズを殺そうぜ!」


ーー容赦ない罵倒の嵐、罵声の声。


  いつか、誰かが信じてくれると思って生きて来た筈だった...。

  しかし、世界は俺を必要としていない。


ーーだから、ここで死ぬのもまた良いのでは無いだろうか......。


ーーそんな時、キュアリスの叫び声が聞こえた......。


「雄二!!!絶対負けないでね!!!!」


  その声は、泣いている事がすぐにわかる程、不安定なものである。


ーー俺には誰も期待してくれている人がいない。


ーーだが、今ここに俺を信じてくれる人がいる。


  それを、今この瞬間、キュアリスの一言で自覚したのだ。


  俺は、迫り来る炎の息吹の中、少しだけ涙を零した。

「キュアリス、ありがとな......。」

  俺はそう呟いた後で、

「うおーーー!!!!!」

と、叫んだ。

  そして俺は、手に持っている炎の刀を持って、その息吹に向かい走って行った。


ーーそして、刀を振り下ろした。


ーーその瞬間、ドラゴンの放った炎の息吹は、真っ二つに切れたのだ。


  すかさず、そのままドラゴンへ向かい、俺は、全身の力を込めて、首を目掛けて一振りした。


ーードラゴンは、首をはねられ、体と共に地面へと大きな音を立てて落ちて行った。


ーー俺は、それを見て、勝ったことを確信した。



ーーーー戦いは終わったのである......。ーーーー




  俺は、倒したドラゴンの亡骸を横にして、呆然と立っていた。


ーーすると、辺りが煌々と燃え続けているにも関わらず、キュアリスが俺に向かって、走ってきた。


「雄二!! 雄二!! 勝ったんだね......。ドラゴンに......。本当に良かった......。死んでしまったらどうしようって、正直怖かったんだよ......。」

  キュアリスは、俺が生きているのを確認すると、泣き叫んでいた。

  俺は、彼女がここまで俺を心配してくれていた事に、驚いた。

「心配かけたな......。」

 
ーーそして、みるみるうちに俺は顔を歪ませ、再びオイオイと涙声を上げたのだ。


ーー膝をついて、情けない程に......。


  暫く、そこで俺達は泣き続けた。


ーー業火の中で......。ーー


ーーーーーー

  正気を取り戻して、洞窟の方へと戻ってきた俺達の前には、先程の兵士達がいた。

  その中の、一際強そうな者が、俺に向かって、

「いや...、まさか、『スケアリー・ドラゴン』を倒してしまうとは...。お主、何者なんだ?」

そう言ってきた。

「大した者ではないよ。俺達は只の旅人。怪しい者ではないよ。」
 
  俺は咄嗟に見苦しい言い訳をした。

  するとその兵士は、

「そんな訳はあるまいが......。まあ、今は恩人だ。お礼を込めて、我が街へと招こう。詳しい話もしたいのでな。ここに留まっていた辺り、『ヘベレスシティ』に行くつもりであったのだろう。我々が責任を持ってお送り致そう。」

  そう俺達に提案してきた。

俺達は、そのご厚意を受ける事にして、荷物を纏めた後、彼らの馬に乗ったのであった......。

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コメント

  • ポムニー

    兵士前のはで数人目の前で焼かれ食べられてるのに、平気な主人公。
    身体強化等の話出てないから、生身で五十メートルの突進回避できる身体能力…
    最後炎の刀でドラゴンの首狩るのもジャンプ力もともとどんだけなんだよ!スポーツなら練習しなくても全国レベルとは…
    そしてドラゴントレインしてきて、部下喪って助けられての上から目線。

    0
  • ノベルバユーザー225775

    兵士失格物だなwww

    1
  • 夕音 朝月

    兵士の存在価値がww

    2
  • トロンボーン吹きの少女

    兵士働いてない…。

    3
  • こう

    兵士ドラゴン連れてきたにも関わらず洞窟内にいて戦いが終わったらありがとう町に招待しようって
    見てて腹立つな

    4
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