量産型ヤンデレが量産されました
終Ⅱ
田中がいつの間にか俺のベッドに入っていた。これは実は予想外の出来事なのだ。今この家には田中以外にも俺と一緒に寝ることを狙っている人間が2人いる。ということは3人が牽制しあって結局誰も来ない、もしくは3人とも来るという予想をしていた。
「田中………お前、まさかと思うが榛名と文美を始末してたりなんかは………」
「いやいやい、何でそうなるんだよ。
流石にそんな物騒なことは………しないよ?」
なんで疑問形なんだよ。自信持って言えよ。
しかしそうなると本当に何で田中がここにいるんだ?
「実はね、雄太が風呂に入っている時に3人で話し合ったんだよ。
雄太が大分辛そうだからちょっとどうにかしようって」
おお、気のせいでは無く本当に良識が生まれていた。でもそれなら俺を一人で寝かせろ。
「でも俺一人で寝るって言ったよな?
何で一緒に寝ようとしてるわけ?」
「それは………男の甲斐性ってことで………」
「えぇ…」
「いや、でもね、3人で話し合った結果なんだよ?
これからは雄太のことで争わない代わりに一緒に寝るようにしよう、って」
やっぱり俺の意見が入っていない。
「それに、雄太は何で一緒に寝たくないの?」
「そりゃあ、寝る時くらい一人でゆっくりしたいわけで………」
「これからは3人とも争ったりしないよ?
それに抱き付いたり好きな所触っていいし、我慢できなくなったら我慢しなくていいし」
「いやぁ、でもなぁ」
「もう、そんなに深く考えないで『ラッキー』って思ってればいいんだよ」
うーん、それでいいのかなあ、寝起きで頭働かないからよくわからない。あー、駄目だ、目の前に田中がいるのが駄目だ。疲れとコイツの雰囲気と相まって凄い癒される。何かもう何も考えないで抱きしめて寝たくなってくる。
と思っていると田中は頭を俺の胸に預けて抱き付いてきた。田中の髪からいいにおいがする。撫でたい。撫でよう。
俺も田中を抱きしめて右手で田中の髪を撫でる。こいつの髪ってすっげえサラサラなんだな。あー、気持ちいい。撫でられてる田中も気持ちよさそうだし、こっち見上げて凄い笑顔だし、もういいんじゃないかなぁ。あー、眠い。もういいや、このまま寝ちまおう。田中も深く考えなくていいって言ってるし、大丈夫だろ。
「大丈夫だぞ雄太、俺たちがいるからなー」
いや、お前らがいるから大丈夫じゃなかったんだけどな………。
そしてそのまま寝てしまい朝を迎える。
冷静に考える。
何で男を普通に抱いてるの。
そして他2人が怖い。
どんな反応されるか怖い。
右手が潰されてしまいそう。
一人ガクガクしていたが目の前の田中の寝顔は穏やか。コノヤロウ。いやそれよりも早くこの状況を脱出せねば。万が一田中を抱いて寝ている所を榛名に見ら「雄太くんおはよう!」終わったな。
「あ、いや、榛名、その、お、おはよう」
「うん、おはよう。
朝ごはん出来てるから早く下に降りてきてね!」
「え?」
「ん?
どうかしたの?」
「あ、あぁ、いや、何でもない。
すぐ降りるよ」
「二度寝しちゃだめだよー」と言いながら扉を閉める榛名。え?何で無事なの?田中が言ってたことはマジなの?これで胃壁君はもう戦わなくていいの?やったぜ。
「ふあ………。
あ、雄太、おはよー」
「おう、おはよう。
榛名がもう朝飯出来てるって言ってたぞ」
「わかった。
じゃあ下に行こっか」
そして下に降りる。既に文美も起きており、というより榛名と一緒に朝飯を作ったのか?なんということだ、まさか本当に争うことを止めたというのか。朝食を食べる時も昨日の夜と同様に誰も争うことなく平和に食べることが出来た。え?マジで?
「はい、お兄ちゃん」と、笑顔の文美から鞄を受け取り3人と共に学校へと向かう。
右に榛名、左に田中、後ろから抱き付いている文美とハーレムの様相を呈している。なんだこれ。昨日までと全然違う。3人とも和気藹々としていて誰も怒っていない。俺の胃壁君が仕事をしていない。なんということだ。そして気になる。果たしてどんな話し合いをしたというのか。
「なあ、一体どんな話し合いをしたんだ?」
「えっとね、雄太くんがちょっと限界みたい、って意見が出てね、あんまり自分たちの意見ばかり重視しすぎたんじゃないかってなったの」
おお!やっとだ!やっと気づいてくれたんだ!俺の胃壁君の戦いは無駄ではなかったんだ!
「でもお兄ちゃんのことを好きな気持ちは3人とも本物だから、誰も引き下がらなくてね。
だからとりあえずお互いのことを邪魔せず、出来るだけ協力してお兄ちゃんと一緒に居ることにしたの」
おお、俺のことを思っているようで結局俺の意見は聞いていない。まあでも昨日までよりはマシか。目の前で争われたり俺に危害が加わらないで済むのなら全然大丈夫だ。
「だから………、これからも一緒にいていいか?
俺たちが居て嫌じゃないか?」
「嫌な訳無いだろ。
まぁ、昨日までみたいにケンカされると困るけど、それが無いなら別にいいさ」
元々嫌っている訳ではないのだ。田中や榛名は元より、文美も今までは苦手ってだけで嫌いな訳では無かったし、ケンカしないというのならそれでいいさ。果たして高校卒業後にどうなるのかという問題は残っているがせめてそれまではこの仮初の平穏を楽しむことにしよう。
俺が受け入れたからか「よかった………」と3人が口にする。一応俺の意見も聞くつもりがあったのね。
「じゃあ、雄太くんにもう余計な女が近づかないように私頑張るからね」
ん?
「俺も他の男が近づかないように頑張るからな」
ほ?
「二人が出来なかった分は私がフォローするから安心してね」
は?
「雄太くん」
「雄太」
「お兄ちゃん」
「「「幸せになろうね!」」」
えぇ………。
「田中………お前、まさかと思うが榛名と文美を始末してたりなんかは………」
「いやいやい、何でそうなるんだよ。
流石にそんな物騒なことは………しないよ?」
なんで疑問形なんだよ。自信持って言えよ。
しかしそうなると本当に何で田中がここにいるんだ?
「実はね、雄太が風呂に入っている時に3人で話し合ったんだよ。
雄太が大分辛そうだからちょっとどうにかしようって」
おお、気のせいでは無く本当に良識が生まれていた。でもそれなら俺を一人で寝かせろ。
「でも俺一人で寝るって言ったよな?
何で一緒に寝ようとしてるわけ?」
「それは………男の甲斐性ってことで………」
「えぇ…」
「いや、でもね、3人で話し合った結果なんだよ?
これからは雄太のことで争わない代わりに一緒に寝るようにしよう、って」
やっぱり俺の意見が入っていない。
「それに、雄太は何で一緒に寝たくないの?」
「そりゃあ、寝る時くらい一人でゆっくりしたいわけで………」
「これからは3人とも争ったりしないよ?
それに抱き付いたり好きな所触っていいし、我慢できなくなったら我慢しなくていいし」
「いやぁ、でもなぁ」
「もう、そんなに深く考えないで『ラッキー』って思ってればいいんだよ」
うーん、それでいいのかなあ、寝起きで頭働かないからよくわからない。あー、駄目だ、目の前に田中がいるのが駄目だ。疲れとコイツの雰囲気と相まって凄い癒される。何かもう何も考えないで抱きしめて寝たくなってくる。
と思っていると田中は頭を俺の胸に預けて抱き付いてきた。田中の髪からいいにおいがする。撫でたい。撫でよう。
俺も田中を抱きしめて右手で田中の髪を撫でる。こいつの髪ってすっげえサラサラなんだな。あー、気持ちいい。撫でられてる田中も気持ちよさそうだし、こっち見上げて凄い笑顔だし、もういいんじゃないかなぁ。あー、眠い。もういいや、このまま寝ちまおう。田中も深く考えなくていいって言ってるし、大丈夫だろ。
「大丈夫だぞ雄太、俺たちがいるからなー」
いや、お前らがいるから大丈夫じゃなかったんだけどな………。
そしてそのまま寝てしまい朝を迎える。
冷静に考える。
何で男を普通に抱いてるの。
そして他2人が怖い。
どんな反応されるか怖い。
右手が潰されてしまいそう。
一人ガクガクしていたが目の前の田中の寝顔は穏やか。コノヤロウ。いやそれよりも早くこの状況を脱出せねば。万が一田中を抱いて寝ている所を榛名に見ら「雄太くんおはよう!」終わったな。
「あ、いや、榛名、その、お、おはよう」
「うん、おはよう。
朝ごはん出来てるから早く下に降りてきてね!」
「え?」
「ん?
どうかしたの?」
「あ、あぁ、いや、何でもない。
すぐ降りるよ」
「二度寝しちゃだめだよー」と言いながら扉を閉める榛名。え?何で無事なの?田中が言ってたことはマジなの?これで胃壁君はもう戦わなくていいの?やったぜ。
「ふあ………。
あ、雄太、おはよー」
「おう、おはよう。
榛名がもう朝飯出来てるって言ってたぞ」
「わかった。
じゃあ下に行こっか」
そして下に降りる。既に文美も起きており、というより榛名と一緒に朝飯を作ったのか?なんということだ、まさか本当に争うことを止めたというのか。朝食を食べる時も昨日の夜と同様に誰も争うことなく平和に食べることが出来た。え?マジで?
「はい、お兄ちゃん」と、笑顔の文美から鞄を受け取り3人と共に学校へと向かう。
右に榛名、左に田中、後ろから抱き付いている文美とハーレムの様相を呈している。なんだこれ。昨日までと全然違う。3人とも和気藹々としていて誰も怒っていない。俺の胃壁君が仕事をしていない。なんということだ。そして気になる。果たしてどんな話し合いをしたというのか。
「なあ、一体どんな話し合いをしたんだ?」
「えっとね、雄太くんがちょっと限界みたい、って意見が出てね、あんまり自分たちの意見ばかり重視しすぎたんじゃないかってなったの」
おお!やっとだ!やっと気づいてくれたんだ!俺の胃壁君の戦いは無駄ではなかったんだ!
「でもお兄ちゃんのことを好きな気持ちは3人とも本物だから、誰も引き下がらなくてね。
だからとりあえずお互いのことを邪魔せず、出来るだけ協力してお兄ちゃんと一緒に居ることにしたの」
おお、俺のことを思っているようで結局俺の意見は聞いていない。まあでも昨日までよりはマシか。目の前で争われたり俺に危害が加わらないで済むのなら全然大丈夫だ。
「だから………、これからも一緒にいていいか?
俺たちが居て嫌じゃないか?」
「嫌な訳無いだろ。
まぁ、昨日までみたいにケンカされると困るけど、それが無いなら別にいいさ」
元々嫌っている訳ではないのだ。田中や榛名は元より、文美も今までは苦手ってだけで嫌いな訳では無かったし、ケンカしないというのならそれでいいさ。果たして高校卒業後にどうなるのかという問題は残っているがせめてそれまではこの仮初の平穏を楽しむことにしよう。
俺が受け入れたからか「よかった………」と3人が口にする。一応俺の意見も聞くつもりがあったのね。
「じゃあ、雄太くんにもう余計な女が近づかないように私頑張るからね」
ん?
「俺も他の男が近づかないように頑張るからな」
ほ?
「二人が出来なかった分は私がフォローするから安心してね」
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