幼女と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について
48話目 シャル、換金する
師匠からはこういう時には冒険者ギルドか大きな商店で売るのが良いと教わったので、看板に注目しながら街を歩いているとすぐに見つけることが出来た。
「剣と盾の絵が書いてあるってことは、冒険者ギルドかな?」
師匠が言うにはこの国で字が読める人はあまりいないらしい。もちろん、自分のお店を持っているような人や貴族の人なんかは読めるけど、冒険者になるような人間で字が読める人はほとんどいないらしい。だから、冒険者が多く来るこの街では文字よりも絵を看板に書くのだそうだ。
「お邪魔しまーす」
そこが本当に冒険者ギルドかわからないので、ちょっと扉を開いて中を覗きながら小声で挨拶をしてみます。建物の中には多くの人がいて、そのほとんどの人が男の人でした。私自身良い想いを持っていないし、師匠からも冒険者とは関わらないようにと言われていたので武器や防具を持った人たちの方は見ないようにします。
受付の人が買い取ってくれるらしいけど、あの人かな?
武器や防具を持っておらず、他の人たちよりは仕立ての良い服を着て冒険者の人たちに対応している人が何人かいるので、その内の一人に話しかけることにします。
「あのー、すいませーん」
「はい、どういった御用でしょうか」
私の考えは間違っていなかったらしく、話しかけた女性は丁寧な物腰で返事をしてくれました。
「えっと、これを買い取ってもらいたいんですけど」
そう言って私はリュックから果実を一つ取り出します。それを見た受付の人はやや驚いた顔を見せましたが、特に何かを言うこともなく果実を手に取ってしげしげと眺めます。
「ギルド会員で無い方からの買い取りは四割値引きされてしまいますが、会員証をお持ちですか?」
よ、四割もですか。ですが私は冒険者でも無ければ冒険者になるつもりもありません。手痛いですが四割引きで我慢しましょう。
「四割引きで大丈夫です。いくらになりますか?」
「本当によろしいので? 登録はすぐに終わりますが」
「いえ、大丈夫です」
「それでは銀貨五十枚の四割引きで銀貨三十枚となります」
それくらいの値段なら許容範囲内ですね。
「じゃあこっちもよろしくお願いします」
値段が納得出来る物だったのでリュックから残りの果実も取り出します。全部で三十個はあるので金貨九枚ですね。
「こ、これは……」
受付の人はその量に驚きの声をあげながらも果実を確認し、金貨九枚を渡してくれましたが、代金を渡す際に真剣な表情をして私に忠告してきたました。
「同じ女性として忠告しますが、お気をつけてお帰り下さい」
「は、はあ」
一瞬何を言われたのかわからなかったのですが、彼女がちらりと冒険者たちの方を見ることでその意図がようやくわかりました。
ああ、こっちの方を『そういう目』で見てる人が何人かいるみたいね……。
私みたいな年端もいかぬ小娘が金貨九枚という身に合わぬお金を持っていればそうもなりますか。失敗しちゃったなあ。いざとなれば護衛がなんとかしてくれるでしょうが、あまり事を大きくしないためにも極力人目の多い場所を通ることにしましょう。
「あ、そうだ、宝石とかアクセサリーとか、とういうのを扱ってる店ってどこにありますか?」
せっかくの忠告を無視するような形になってしまい、受付の人は面食らった顔をします。そんな顔しないで下さい。ここに来たのはそれが目的だから行かないわけにはいかないんです。
「それでしたら、ここを出て左手の通りは商店が立ち並んでおりますので、その奥の方にそういった品物を扱う店があります」
「わかりました。ありがとうございます」
「本当に、お気をつけて」
先程よりも真剣みの増した表情でそう言われてしまいました。
受付の人の案内通りに道を行くとそれっぽい商店が見つかったので、そこに入ることにしました。中には種々様々なアクセサリーや宝石が置いてあり、値段も手持ちのお金でなんとかなりそうなものです。
よし、ここにしよう。
私はここで買い物をすることを決め、店内に足を踏み入れるのでした。
「剣と盾の絵が書いてあるってことは、冒険者ギルドかな?」
師匠が言うにはこの国で字が読める人はあまりいないらしい。もちろん、自分のお店を持っているような人や貴族の人なんかは読めるけど、冒険者になるような人間で字が読める人はほとんどいないらしい。だから、冒険者が多く来るこの街では文字よりも絵を看板に書くのだそうだ。
「お邪魔しまーす」
そこが本当に冒険者ギルドかわからないので、ちょっと扉を開いて中を覗きながら小声で挨拶をしてみます。建物の中には多くの人がいて、そのほとんどの人が男の人でした。私自身良い想いを持っていないし、師匠からも冒険者とは関わらないようにと言われていたので武器や防具を持った人たちの方は見ないようにします。
受付の人が買い取ってくれるらしいけど、あの人かな?
武器や防具を持っておらず、他の人たちよりは仕立ての良い服を着て冒険者の人たちに対応している人が何人かいるので、その内の一人に話しかけることにします。
「あのー、すいませーん」
「はい、どういった御用でしょうか」
私の考えは間違っていなかったらしく、話しかけた女性は丁寧な物腰で返事をしてくれました。
「えっと、これを買い取ってもらいたいんですけど」
そう言って私はリュックから果実を一つ取り出します。それを見た受付の人はやや驚いた顔を見せましたが、特に何かを言うこともなく果実を手に取ってしげしげと眺めます。
「ギルド会員で無い方からの買い取りは四割値引きされてしまいますが、会員証をお持ちですか?」
よ、四割もですか。ですが私は冒険者でも無ければ冒険者になるつもりもありません。手痛いですが四割引きで我慢しましょう。
「四割引きで大丈夫です。いくらになりますか?」
「本当によろしいので? 登録はすぐに終わりますが」
「いえ、大丈夫です」
「それでは銀貨五十枚の四割引きで銀貨三十枚となります」
それくらいの値段なら許容範囲内ですね。
「じゃあこっちもよろしくお願いします」
値段が納得出来る物だったのでリュックから残りの果実も取り出します。全部で三十個はあるので金貨九枚ですね。
「こ、これは……」
受付の人はその量に驚きの声をあげながらも果実を確認し、金貨九枚を渡してくれましたが、代金を渡す際に真剣な表情をして私に忠告してきたました。
「同じ女性として忠告しますが、お気をつけてお帰り下さい」
「は、はあ」
一瞬何を言われたのかわからなかったのですが、彼女がちらりと冒険者たちの方を見ることでその意図がようやくわかりました。
ああ、こっちの方を『そういう目』で見てる人が何人かいるみたいね……。
私みたいな年端もいかぬ小娘が金貨九枚という身に合わぬお金を持っていればそうもなりますか。失敗しちゃったなあ。いざとなれば護衛がなんとかしてくれるでしょうが、あまり事を大きくしないためにも極力人目の多い場所を通ることにしましょう。
「あ、そうだ、宝石とかアクセサリーとか、とういうのを扱ってる店ってどこにありますか?」
せっかくの忠告を無視するような形になってしまい、受付の人は面食らった顔をします。そんな顔しないで下さい。ここに来たのはそれが目的だから行かないわけにはいかないんです。
「それでしたら、ここを出て左手の通りは商店が立ち並んでおりますので、その奥の方にそういった品物を扱う店があります」
「わかりました。ありがとうございます」
「本当に、お気をつけて」
先程よりも真剣みの増した表情でそう言われてしまいました。
受付の人の案内通りに道を行くとそれっぽい商店が見つかったので、そこに入ることにしました。中には種々様々なアクセサリーや宝石が置いてあり、値段も手持ちのお金でなんとかなりそうなものです。
よし、ここにしよう。
私はここで買い物をすることを決め、店内に足を踏み入れるのでした。
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