幼女と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について
11話目 魔法で作りました
暇つぶしにもならなかったが一仕事終えた満足感は多少得られた。そして『そういえばゴリラはどうなったんだ』と思いキラーゴリラの所へ行ってみると先程までキラーエイプと戦っていた奴らは両手を広げてこちらに背を向けて座っている。なにこれ何の儀式?
状況がいまいちわからないので逃げていたゴリラ達の方を見るとこちらを見たままじっとして動かないでいる。あー、つまりこれはあれかね、『俺たちは殺しても構わないが子供達には手を出さないでくれ』ってことか。
先程の戦いの様子といいこの潔さといい、そういう態度は嫌いじゃないよ。元々こいつらを殺す気は無かったが、その殊勝さを評価して褒美をくれてやろうではないか。
余計な動きを見せればそれだけで死んでしまいそうなので無詠唱、無動作で治癒魔法を放つ。そしてすぐに俺はその場から姿を消した。後は仲間で無事を祝ってください。
それから一時間程見回りをするが特に異変は見つからなかったので家に帰ることにした。転移魔法でちょちょいのぱっぱですわ。そして森の中から家の前に一瞬で視界が切り替わる。ドラ助とシャルは庭にいるっぽいな。
「ただいまー」
「あ! リョウ様おかえりなさい!」
庭へと向かい二人に声をかけるとシャルがドラ助の鼻のあたりを撫でながら迎えてくれた。ビビることなく良い関係を築けているようで何よりである。
あ、そうだ、仕事を与えるためにシャルに飯の作り方を仕込むとしよう。
「シャル、そろそろいい時間だし、昼飯にするから先に台所に行っててくれないか?」
「はい! わかりました!」
返事をするや否やぴゅー、っとシャルは走っていく。うむうむ、素直で大変よろしい。さてそれでは素直ではない方にも声をかけておきますかね。
「ドラ助、何かキラーエイプがむっちゃでっけえ群れ作ってたぞ。それだけじゃなくて俺にも襲い掛かってきたから、シャルを襲うなってのはマジで徹底しろよ?」
「グァウ!」
キラーエイプが俺を襲ったことに対する『マジで?!』という驚きと『誠心誠意頑張ります! だから許して!』という懇願が混じった鳴き声だな。まあこれからの働きに期待しておくよ。
庭から逃げるように飛び立ったドラ助を見送ってから俺も台所へと向かうとそこにはエプロンをつけたシャルがいた。俺用のエプロンなので丈が若干どころではなく合ってない。エプロンの裾が地面に当たらないように裾を背中で結んでいるのがまた微笑ましい。ギャーギャーとうるさい猿を見た後なのでその愛らしさにひとしお癒される。
気分はお昼のお料理番組。それでは早速いってみよー。
「よし、じゃあ昼食の準備を始めます」
「はい!」
「まずは蛇口の水で手を洗います」
「洗いました!」
「次に食材を用意します」
食材はいつものように創造魔法先生の出番です。そして俺が一瞬で食材を作り出したことでシャルが目を見開いて固まってしまう。あれ? 今更これで固まっちゃう? あー、そういえば創造魔法使うところをシャルに見せたこと無かったな。
「あの、リョウ様、今のも、魔法ですか?」
「あ、うん、そうだね、魔法だね。物を作る魔法だね」
俺の答えを聞いたシャルはやや興奮した様子で質問を重ねる。
「も、もしかしてこの水道もですか?」
「そうだね。魔法だね」
「この家もですか?!」
興奮のあまりシャルの顔が赤くなっていってる。な、何かテンションが危ない所に行ってない?
「そ、そうだね」
「凄い! 凄いです! やっぱりリョウ様は凄い魔法使い様です!」
「お、おう」
シャルの勢いを止めることが出来ない。殺気やら何やらには慣れているから対処出来るけど、こんな純粋な勢いはどう対処すりゃいいかわかんないよ。シャルの勢いはとどまることを知らず更に質問を重ねる。
「もしかして魔の森もリョウ様が作ったんですか?!」
「いや、それは違うよ」
「あ、そうですか……」
そしてすぐに鎮火してしまわれた。解せぬ。
状況がいまいちわからないので逃げていたゴリラ達の方を見るとこちらを見たままじっとして動かないでいる。あー、つまりこれはあれかね、『俺たちは殺しても構わないが子供達には手を出さないでくれ』ってことか。
先程の戦いの様子といいこの潔さといい、そういう態度は嫌いじゃないよ。元々こいつらを殺す気は無かったが、その殊勝さを評価して褒美をくれてやろうではないか。
余計な動きを見せればそれだけで死んでしまいそうなので無詠唱、無動作で治癒魔法を放つ。そしてすぐに俺はその場から姿を消した。後は仲間で無事を祝ってください。
それから一時間程見回りをするが特に異変は見つからなかったので家に帰ることにした。転移魔法でちょちょいのぱっぱですわ。そして森の中から家の前に一瞬で視界が切り替わる。ドラ助とシャルは庭にいるっぽいな。
「ただいまー」
「あ! リョウ様おかえりなさい!」
庭へと向かい二人に声をかけるとシャルがドラ助の鼻のあたりを撫でながら迎えてくれた。ビビることなく良い関係を築けているようで何よりである。
あ、そうだ、仕事を与えるためにシャルに飯の作り方を仕込むとしよう。
「シャル、そろそろいい時間だし、昼飯にするから先に台所に行っててくれないか?」
「はい! わかりました!」
返事をするや否やぴゅー、っとシャルは走っていく。うむうむ、素直で大変よろしい。さてそれでは素直ではない方にも声をかけておきますかね。
「ドラ助、何かキラーエイプがむっちゃでっけえ群れ作ってたぞ。それだけじゃなくて俺にも襲い掛かってきたから、シャルを襲うなってのはマジで徹底しろよ?」
「グァウ!」
キラーエイプが俺を襲ったことに対する『マジで?!』という驚きと『誠心誠意頑張ります! だから許して!』という懇願が混じった鳴き声だな。まあこれからの働きに期待しておくよ。
庭から逃げるように飛び立ったドラ助を見送ってから俺も台所へと向かうとそこにはエプロンをつけたシャルがいた。俺用のエプロンなので丈が若干どころではなく合ってない。エプロンの裾が地面に当たらないように裾を背中で結んでいるのがまた微笑ましい。ギャーギャーとうるさい猿を見た後なのでその愛らしさにひとしお癒される。
気分はお昼のお料理番組。それでは早速いってみよー。
「よし、じゃあ昼食の準備を始めます」
「はい!」
「まずは蛇口の水で手を洗います」
「洗いました!」
「次に食材を用意します」
食材はいつものように創造魔法先生の出番です。そして俺が一瞬で食材を作り出したことでシャルが目を見開いて固まってしまう。あれ? 今更これで固まっちゃう? あー、そういえば創造魔法使うところをシャルに見せたこと無かったな。
「あの、リョウ様、今のも、魔法ですか?」
「あ、うん、そうだね、魔法だね。物を作る魔法だね」
俺の答えを聞いたシャルはやや興奮した様子で質問を重ねる。
「も、もしかしてこの水道もですか?」
「そうだね。魔法だね」
「この家もですか?!」
興奮のあまりシャルの顔が赤くなっていってる。な、何かテンションが危ない所に行ってない?
「そ、そうだね」
「凄い! 凄いです! やっぱりリョウ様は凄い魔法使い様です!」
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