は、魔王?そんなのうちのブラコン妹の方が100倍危ないんだが
7話 アホな兄妹と不思議なスキル
「おはようクレア」
「おはようお兄ちゃん!」
目を覚ますといつも通りクレアが俺の腰辺りに馬乗りの状態でいた。
「なんだいつも通り、か⋯⋯。なんかクレアとお父さんのせいで異世界に飛ばされる夢見てたんだよな。 もしかして俺ボケてきたのかな? 」
起きて早々ハクヤはあくびをしつつ、自分が見ていたおかしな夢の話をする。
すると、クレアは首を傾げて何を言ってるのか分からないと言いたいような表情をする。
やっぱりあれは夢だったようだ⋯⋯。
「何言ってるの? お兄ちゃん私達昨日結婚をする為に遥々異世界に来たんじゃない」
当然のことの様に口にしたクレアの言葉に寝ぼけた頭はついてこれないようで、数巡の間ぼけーっとした表情を浮かべたのち、思い出しその残念な結果にため息をついた。
どうやらあれは夢ではなかったらしい⋯⋯。
悪い夢であって欲しかったと嘆くハクヤにクレアがクリクリとした瞳を向け、首を傾げてくる。
正直に言うとめちゃくちゃ可愛かった。
そうなると昨日ハクヤは、自分の不注意でクレアを危険な目に合わせたはずなのだ。
その事実だけは少なくとも夢であって欲しかった、ハクヤの胸が針で突かれるように痛み、改めて自分の愚行を攻め、妹が無事だった事に安堵を覚えた。
「あれ?そんなすぐに信じちゃうの?私が嘘を付いてるかもよ?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
(こいつ明らかに俺で遊ぼうとしてるよな⋯⋯)
だがそうはいかない、今回はクレアはまだハクヤが気づいていないと思っているのだ、だからそこを突く。
「クレアが言ったことを俺が信じないわけないだろ、なんたって俺にとってはクレアが一番大事なんだからな」
さも当然のことの様に言葉を返す。
カァァァァーー。
一瞬にしてクレアの顔が自分の髪のように真っ赤に染まっていった。
やはり妹のこういうちょっとした所が可愛いいんだよな、と思ってしまうハクヤ。
「ななや何を、い、いきなり!? 不意打ちでかっこいい事言うなんてずるいよお兄ちゃん! 」
「全然ずるくないよーだ」
そうな日常的なやり取りを終え、また昨日のことを思い出し、改めて聞こうと決意を固める。
「もう大丈夫なのか? 昨日は俺のせいで気絶させちゃったっぽいけど⋯⋯。⋯⋯⋯⋯⋯⋯そ、それより1回、降りてくれ 重い⋯⋯ 」
「あー!? 今お兄ちゃんはじゅ、う、だ、い、な! 失態を犯しましたよ! 高校生思春期真っ盛りの乙女な妹に《重い》なんて⋯⋯! 酷いです、鬼畜です! 何か言うことを聞いてくれないと、私ぜぇーったい許さないんだからね!」
どうやら地雷を踏んでしまったらしく、むすっとした顔でそう言い張ってくる。
こうなったクレアはどうしようも止めることは出来ない、だが無事だということは少なくとも分かった。
ハクヤはおどけた調子で言葉を返す。
「あーはいはい軽い軽い鳥の羽ぐらい軽いよ」
「またバカにして! お兄ちゃんのバカ! 」
「ごめんごめん」
笑いながらクレアの頭に手を持って行き撫でてやる、するとふにゅ〜っと溶けるような笑顔を見せてきた。
「もぉー⋯⋯お兄ちゃんずるいよぉ、それより今日からどうするの?」
「あぁ、そうだな⋯⋯この世界の事まだなんも知らないし、とりあえず昨日の参考書読んでこの世界の事もう少し知っておこうか」
「うん! 」
そう言うとクレアがポーチからそれを取り出すと表紙を開いた。
「で、昨日の続きだから⋯⋯ あ! そうだ! お父さんに電話させてくれ、言いたい事とか聞きたい事とかたくさんある! 」
するとクレアはビクッと背筋を伸ばし、ヘラヘラとした引きつった笑いを浮かべてくる。
「あの⋯⋯ね? なんかお父さんが言うには大量の魔力を使うとかどうとかで2日後にしか連絡できないらしいんだよね⋯⋯」
「は⋯⋯? おいクレア、俺の可愛い妹ちゃん? その大事な電話をもしかして昨日俺と結婚するとかいうふざけた内容だけに使ったのかなぁー? 」
流石に堪忍袋の緒が切れそうになる。
泣きそうになりながら聞いていたクレアがふとこっちを睨む。
「かかか可愛い!? お兄ちゃんもすっごくカッコいいよ! ん、てか何を言ってるの、兄ちゃん!」
「ど、どうした⋯⋯ 何か変な事でも? 」
「物凄くおかしな事を言ったよお兄ちゃんは!  ふざけたことなんかじゃないよ! 私達の未来の話でしょ! 一番大事な事なんだよ、魔王を倒すことより100倍大事なんだよ! 」
物凄い勢いで言われ、思わずコクコクと頭を振り、そして我に帰る。
「お、おうすまなかった⋯⋯て、おかしいだろ!  何が魔王より100倍だよ! この世界の人に謝れ!  皆さんの前で土下座しろ! 」
「お、お兄ちゃん⋯⋯みんなの前に哀れな姿の私を晒せだなんて⋯⋯まぁでも⋯⋯お兄ちゃんの頼みなら⋯⋯お兄ちゃんの、変態」
「誰もそんな事言ってないだろ! どこをどう解釈してるんだよ!」
「お兄ちゃんの脳内を読んだんだよ! 私はお兄ちゃんの事なら何でも知ってるんだからね!」
「全然嬉しくねぇよ!  て、結局ペースに乗せられてるじゃねぇか! 」
「何を言ってるの? 」
首を傾げてくるクレアのおでこにデコピンをかましつつ、何でもねぇよと返答する。
「それより続き読むぞ! 」
「うん、まぁお兄ちゃんがそんなに私の裸体を大衆の面前に晒せと命令するんだったら、1秒迷ってしちゃうんだけどね❤︎ 」
「もうその話は終わっただろ! 引っ張りすぎだって! はぁ⋯⋯ 続き読むぞ」
「はいはい分かりましたぁ」
─本当にこいつと居ると疲れる、多分元の世界でもほとんどの高校生の2倍は疲れていた気がする⋯⋯もちろんほぼこいつのせいで。
《それで次は君達のステータスについてなんだが、スマホに新しいアプリがいくつかあるはずだ。その中に冒険者能力測定&記録表示というアプリがあるだろう? そのアプリの流れに沿ってやっていれば分かるはずだ》
「ステータスか、いかにもファンタジーって感じだな⋯⋯正直適当に働いて家でも買ってダラダラ過ごしたいんだが⋯⋯」
「ダメだよお兄ちゃん、お父さんとの約束で魔王を倒さないと結婚出来ないんだよ! 」
「おう! 好都合だ!」
「もう! ダメなのはダメ! 絶対結婚するの! これは運命なの! 神様の導きなの! 」
「そーですかい⋯⋯ 」
そのアプリはすぐに見つかった。
アプリを開くとゲームのチュートリアルの様な感じで何故か不思議なゲームと解説が始まる。
チュートリアルをクリアすると俺の名前と画像が表示された。
クレアもその画面まで来た様だ。
その画面には、左側にステータス右側に測定記録と書いてある選択肢がある。
とりあえずステータスを押してみると、様々な数値が表示された。
八神 白夜  LV1
HP           34
AP        27
DP 25
MP       58
基本として様々な数値が記録されているのだが、正直他の人のステータスを見た事がないので高いのかも分からない。
それより気になる事が一つあった。
固定スキル 
 無窮の愛
 無限複製
「なんだこの中二病すぎるスキルは⋯⋯なぁ、クレア俺のスキルおかしいんだけど⋯⋯」
「私のもなんか変なスキルある⋯⋯」
そう言って見せてくる。
クレアのステータスは、ほぼ俺と変わらず、違いがあるとすれば物理攻撃力が俺より少し高く魔法攻撃力が俺より少し低い事ぐらいだった。
スキルは、俺と同じ《無窮の愛》、もう一つは
地獄の刃と言うスキルだった。
二人目を合わせ首を傾げるそして二人自分達のスキルの中二病っぽさとダサさに笑いだした。
「おはようお兄ちゃん!」
目を覚ますといつも通りクレアが俺の腰辺りに馬乗りの状態でいた。
「なんだいつも通り、か⋯⋯。なんかクレアとお父さんのせいで異世界に飛ばされる夢見てたんだよな。 もしかして俺ボケてきたのかな? 」
起きて早々ハクヤはあくびをしつつ、自分が見ていたおかしな夢の話をする。
すると、クレアは首を傾げて何を言ってるのか分からないと言いたいような表情をする。
やっぱりあれは夢だったようだ⋯⋯。
「何言ってるの? お兄ちゃん私達昨日結婚をする為に遥々異世界に来たんじゃない」
当然のことの様に口にしたクレアの言葉に寝ぼけた頭はついてこれないようで、数巡の間ぼけーっとした表情を浮かべたのち、思い出しその残念な結果にため息をついた。
どうやらあれは夢ではなかったらしい⋯⋯。
悪い夢であって欲しかったと嘆くハクヤにクレアがクリクリとした瞳を向け、首を傾げてくる。
正直に言うとめちゃくちゃ可愛かった。
そうなると昨日ハクヤは、自分の不注意でクレアを危険な目に合わせたはずなのだ。
その事実だけは少なくとも夢であって欲しかった、ハクヤの胸が針で突かれるように痛み、改めて自分の愚行を攻め、妹が無事だった事に安堵を覚えた。
「あれ?そんなすぐに信じちゃうの?私が嘘を付いてるかもよ?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
(こいつ明らかに俺で遊ぼうとしてるよな⋯⋯)
だがそうはいかない、今回はクレアはまだハクヤが気づいていないと思っているのだ、だからそこを突く。
「クレアが言ったことを俺が信じないわけないだろ、なんたって俺にとってはクレアが一番大事なんだからな」
さも当然のことの様に言葉を返す。
カァァァァーー。
一瞬にしてクレアの顔が自分の髪のように真っ赤に染まっていった。
やはり妹のこういうちょっとした所が可愛いいんだよな、と思ってしまうハクヤ。
「ななや何を、い、いきなり!? 不意打ちでかっこいい事言うなんてずるいよお兄ちゃん! 」
「全然ずるくないよーだ」
そうな日常的なやり取りを終え、また昨日のことを思い出し、改めて聞こうと決意を固める。
「もう大丈夫なのか? 昨日は俺のせいで気絶させちゃったっぽいけど⋯⋯。⋯⋯⋯⋯⋯⋯そ、それより1回、降りてくれ 重い⋯⋯ 」
「あー!? 今お兄ちゃんはじゅ、う、だ、い、な! 失態を犯しましたよ! 高校生思春期真っ盛りの乙女な妹に《重い》なんて⋯⋯! 酷いです、鬼畜です! 何か言うことを聞いてくれないと、私ぜぇーったい許さないんだからね!」
どうやら地雷を踏んでしまったらしく、むすっとした顔でそう言い張ってくる。
こうなったクレアはどうしようも止めることは出来ない、だが無事だということは少なくとも分かった。
ハクヤはおどけた調子で言葉を返す。
「あーはいはい軽い軽い鳥の羽ぐらい軽いよ」
「またバカにして! お兄ちゃんのバカ! 」
「ごめんごめん」
笑いながらクレアの頭に手を持って行き撫でてやる、するとふにゅ〜っと溶けるような笑顔を見せてきた。
「もぉー⋯⋯お兄ちゃんずるいよぉ、それより今日からどうするの?」
「あぁ、そうだな⋯⋯この世界の事まだなんも知らないし、とりあえず昨日の参考書読んでこの世界の事もう少し知っておこうか」
「うん! 」
そう言うとクレアがポーチからそれを取り出すと表紙を開いた。
「で、昨日の続きだから⋯⋯ あ! そうだ! お父さんに電話させてくれ、言いたい事とか聞きたい事とかたくさんある! 」
するとクレアはビクッと背筋を伸ばし、ヘラヘラとした引きつった笑いを浮かべてくる。
「あの⋯⋯ね? なんかお父さんが言うには大量の魔力を使うとかどうとかで2日後にしか連絡できないらしいんだよね⋯⋯」
「は⋯⋯? おいクレア、俺の可愛い妹ちゃん? その大事な電話をもしかして昨日俺と結婚するとかいうふざけた内容だけに使ったのかなぁー? 」
流石に堪忍袋の緒が切れそうになる。
泣きそうになりながら聞いていたクレアがふとこっちを睨む。
「かかか可愛い!? お兄ちゃんもすっごくカッコいいよ! ん、てか何を言ってるの、兄ちゃん!」
「ど、どうした⋯⋯ 何か変な事でも? 」
「物凄くおかしな事を言ったよお兄ちゃんは!  ふざけたことなんかじゃないよ! 私達の未来の話でしょ! 一番大事な事なんだよ、魔王を倒すことより100倍大事なんだよ! 」
物凄い勢いで言われ、思わずコクコクと頭を振り、そして我に帰る。
「お、おうすまなかった⋯⋯て、おかしいだろ!  何が魔王より100倍だよ! この世界の人に謝れ!  皆さんの前で土下座しろ! 」
「お、お兄ちゃん⋯⋯みんなの前に哀れな姿の私を晒せだなんて⋯⋯まぁでも⋯⋯お兄ちゃんの頼みなら⋯⋯お兄ちゃんの、変態」
「誰もそんな事言ってないだろ! どこをどう解釈してるんだよ!」
「お兄ちゃんの脳内を読んだんだよ! 私はお兄ちゃんの事なら何でも知ってるんだからね!」
「全然嬉しくねぇよ!  て、結局ペースに乗せられてるじゃねぇか! 」
「何を言ってるの? 」
首を傾げてくるクレアのおでこにデコピンをかましつつ、何でもねぇよと返答する。
「それより続き読むぞ! 」
「うん、まぁお兄ちゃんがそんなに私の裸体を大衆の面前に晒せと命令するんだったら、1秒迷ってしちゃうんだけどね❤︎ 」
「もうその話は終わっただろ! 引っ張りすぎだって! はぁ⋯⋯ 続き読むぞ」
「はいはい分かりましたぁ」
─本当にこいつと居ると疲れる、多分元の世界でもほとんどの高校生の2倍は疲れていた気がする⋯⋯もちろんほぼこいつのせいで。
《それで次は君達のステータスについてなんだが、スマホに新しいアプリがいくつかあるはずだ。その中に冒険者能力測定&記録表示というアプリがあるだろう? そのアプリの流れに沿ってやっていれば分かるはずだ》
「ステータスか、いかにもファンタジーって感じだな⋯⋯正直適当に働いて家でも買ってダラダラ過ごしたいんだが⋯⋯」
「ダメだよお兄ちゃん、お父さんとの約束で魔王を倒さないと結婚出来ないんだよ! 」
「おう! 好都合だ!」
「もう! ダメなのはダメ! 絶対結婚するの! これは運命なの! 神様の導きなの! 」
「そーですかい⋯⋯ 」
そのアプリはすぐに見つかった。
アプリを開くとゲームのチュートリアルの様な感じで何故か不思議なゲームと解説が始まる。
チュートリアルをクリアすると俺の名前と画像が表示された。
クレアもその画面まで来た様だ。
その画面には、左側にステータス右側に測定記録と書いてある選択肢がある。
とりあえずステータスを押してみると、様々な数値が表示された。
八神 白夜  LV1
HP           34
AP        27
DP 25
MP       58
基本として様々な数値が記録されているのだが、正直他の人のステータスを見た事がないので高いのかも分からない。
それより気になる事が一つあった。
固定スキル 
 無窮の愛
 無限複製
「なんだこの中二病すぎるスキルは⋯⋯なぁ、クレア俺のスキルおかしいんだけど⋯⋯」
「私のもなんか変なスキルある⋯⋯」
そう言って見せてくる。
クレアのステータスは、ほぼ俺と変わらず、違いがあるとすれば物理攻撃力が俺より少し高く魔法攻撃力が俺より少し低い事ぐらいだった。
スキルは、俺と同じ《無窮の愛》、もう一つは
地獄の刃と言うスキルだった。
二人目を合わせ首を傾げるそして二人自分達のスキルの中二病っぽさとダサさに笑いだした。
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