は、魔王?そんなのうちのブラコン妹の方が100倍危ないんだが
5話 空浮くポーチと不思議な本と
そんなやり取りをしていると突然クレアのポーチが光りだす。
「おい、お前のポーチ光ってるぞ」
「なんですかこれ 」
「お父さんが言ってたノート──」
「ラブラブカップルのラブラブなやり取りを邪魔するなんて生意気なポーチですね! 」
ハクヤの 言葉を遮り興奮気味にそう叫ぶ。
(だから、どこがラブラブカップルなんだよ! )
そう言ってクレアはポーチを外すと思いっきり投げ飛ばした。
「え⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
そして眼前で起きたその光景に言葉を失ってしまった。
それもそのはず、投球したポーチは物凄いスピード、前部分を高熱でだろうか赤く染め、そう隕石が降ってくるようなイメージが合うだろう。
そんな状態になりながらポーチがぶっ飛んで行ったのだ。
余りにも急で現実離れした現象に呆気にとられていると、思いっきり投げ飛ばしたからなのかクレアがスッキリとした爽やかな笑顔を向けてくる。
「お前⋯⋯今何を⋯⋯?」
「何言ってるの? お兄ちゃんそんなあり得ない物を見たような顔をして」
だがクレアは特に何も感じてない様子であっけらかんとしている。
しばし逡巡、そして出た答えはあのポーチが何か不思議なポーチである事。
中も異次元のような所に繋がってたのだからそんな機能があってもおかしく無いはず⋯⋯だ。
そうだそうだと頷いていると想像はすぐに打ち破られた。
「ん? 何? てか、私のポーチどこ行った? 」
そんな言葉で投げられた方向を見るすると、投げ飛ばされたポーチは空中で静止しているように見える、いや静止している。
「なんなんだ本当にあのポーチは⋯⋯」
    そう言ってクレアにポーチの場所を指差して見せる。
「あ、あった! え? でもなんで⋯⋯?」
「あーポーチが浮くとか不思議だよな、やっぱ異世界って感じだな」
「いや、うん。 それはそうだけど⋯⋯ お兄ちゃんあそこまでの距離ってどれぐらいある? 」
「ん? なんでそんな事⋯⋯ あ⋯⋯5キロ372.2メートル? 」
「同じだ⋯⋯私も何故かそうだと分かるんだよ。ありえない、よね。それに人間の視力じゃ普通見えないよ」
「あ、あぁ見えるはずがない⋯⋯な 」
すると突然、ポーチが凄まじいスピードでこちらに飛んで戻ってきた。
投げられた時間を遡っているかの様なリターン。
「「え⋯⋯? 」」
「いや死ぬってそれ!…… 」
「それやばすぎるよ! し、死ぬ前にお兄ちゃんキスして! 」
    そう叫ぶとクレアが抱きついてくる。
「ちょ、クレア! 今そんな事してる場合か! に、逃げるぞ」
「無理だよお兄ちゃん! 死ぬ前にキスしてよ!
そしたら悔いは残らないから! あ、やっぱり結婚出来ないから悔いは残るかな。 てへっ」
    クレアは舌を少し出し、片手で頭を小突いてウィンクをしてくる。
可愛い、けど今はそんな事してる場合ではない!
そんな事をしている間にもポーチはどんどん加速してこちらに突っ込んでくる。
「だーかーらぁ! お前はどんだけバカなんだよ!やばい、やばい、やばいぃぃぃぃぃぃ!」
来るべき衝撃に備え咄嗟に目を瞑る。
自然とクレアの抱きしめる力も強くなっていた、多分今までなら車でも潰せるレベルな気がする。
だがいつまでたってもその衝撃は来なかった。
その代わりにカシャッと何かがハマる様な金属音がその場に響いた。
    ハクヤは恐る恐る目を開く。
   そこには頬をピンクに染めニコニコしているクレアの姿、そして手にはスマホを持っている。
   クレアは俺が目を開けたのに気づくと、
「ドッキリ大成功! お兄ちゃんかーわーいい!! でも、キスしてくれなかったのは減点かなぁ」
「は? ⋯⋯ポーチは?  てか、なんでスマホ持ってるんだよ」
「まだ分からないのかなぁお兄ちゃん❤︎」
   なんだかとても馬鹿にされてる気がして⋯⋯うざい。
「あぁ、全く分かんねぇよ」
「それはねぇ、さっきポーチの中に手を入れた時に偶然スマホを発見しちゃってね。異世界でおどおどしているお兄ちゃんのかっこ可愛い写真をいっぱい撮ろうと思ってね、隠し持ってたの!」
そんな大事な情報を隠していたクレアを睨み、あとで絶対仕返しでもしてやろうと心に誓うハクヤ。
「で、ポーチ投げたらあんな飛んじゃって、いやぁあれは本当びっくりしたよ。 あのポーチすごいねー。   すると頭の中にポーチを私の所に戻す方法みたいなのがいきなり浮かんできたの!  半信半疑だったけどこれでお兄ちゃんの可愛い写真撮れるかも! って思ってやってみたら今に至るわけだよ」
(こ、こいつ⋯⋯はめやがった。なんでそうゆう所だけは頭の回転早いんですかね⋯⋯)
「て事はあれも全部演技で元々死ぬなんて思ってなかったってことか?」
「いや、衝撃本当に死ぬかと思ったよ」
    そう言っているクレアの顔からは冷や汗が出ており、少しスマホを持っている手も震えているのだからそうなのだろう。
「お前って結構タフだよな」
「もちのろんだよ!お兄ちゃんの為なら火の中、水の中、異世界だって行っちゃうよ!」
「おい、最後のは絶対俺のためじゃないよな!」
「そんなことないよ。私とお兄ちゃんの未来が明るくなるためだよ! これで道が拓けたね! 結婚しようお兄ちゃん!」
   クレアは顔を赤く染めてそんなことを言ってるが相当恥ずかしいらしい。
「お断りします。 それよりポーチまだ光ってるな⋯⋯」
    クレアの肩がガクッと下がる。
「はぁー⋯⋯本当だねーこのポーチ何なんだろうねーー」
明らかに分かりやすく棒になっているクレアの頭に、優しく手刀をかましつつ、ポーチを覗くと何かを見つけたようでそれを取り出した。
「なんだ? それ」
「なんかの参考書っぽいね。名前は『〜異世界チュートリアル〜』て書いてあるけどこれってお父さんが言ってたやつだよね⋯⋯?」
「名前そのまんまだな! 誰だよそれ書いた奴」
    クレアがそれを渡してきて、裏表紙に目を通した。
「作者八神 誠って⋯⋯お父さんじゃねーか! 」
本当にあの人は何者なのだろう。
自分達の親のはずなのにこんなに分からない事が多すぎるなんて思わなかった。
そしてクレアと二人頷くと、本を開いた。
「おい、お前のポーチ光ってるぞ」
「なんですかこれ 」
「お父さんが言ってたノート──」
「ラブラブカップルのラブラブなやり取りを邪魔するなんて生意気なポーチですね! 」
ハクヤの 言葉を遮り興奮気味にそう叫ぶ。
(だから、どこがラブラブカップルなんだよ! )
そう言ってクレアはポーチを外すと思いっきり投げ飛ばした。
「え⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
そして眼前で起きたその光景に言葉を失ってしまった。
それもそのはず、投球したポーチは物凄いスピード、前部分を高熱でだろうか赤く染め、そう隕石が降ってくるようなイメージが合うだろう。
そんな状態になりながらポーチがぶっ飛んで行ったのだ。
余りにも急で現実離れした現象に呆気にとられていると、思いっきり投げ飛ばしたからなのかクレアがスッキリとした爽やかな笑顔を向けてくる。
「お前⋯⋯今何を⋯⋯?」
「何言ってるの? お兄ちゃんそんなあり得ない物を見たような顔をして」
だがクレアは特に何も感じてない様子であっけらかんとしている。
しばし逡巡、そして出た答えはあのポーチが何か不思議なポーチである事。
中も異次元のような所に繋がってたのだからそんな機能があってもおかしく無いはず⋯⋯だ。
そうだそうだと頷いていると想像はすぐに打ち破られた。
「ん? 何? てか、私のポーチどこ行った? 」
そんな言葉で投げられた方向を見るすると、投げ飛ばされたポーチは空中で静止しているように見える、いや静止している。
「なんなんだ本当にあのポーチは⋯⋯」
    そう言ってクレアにポーチの場所を指差して見せる。
「あ、あった! え? でもなんで⋯⋯?」
「あーポーチが浮くとか不思議だよな、やっぱ異世界って感じだな」
「いや、うん。 それはそうだけど⋯⋯ お兄ちゃんあそこまでの距離ってどれぐらいある? 」
「ん? なんでそんな事⋯⋯ あ⋯⋯5キロ372.2メートル? 」
「同じだ⋯⋯私も何故かそうだと分かるんだよ。ありえない、よね。それに人間の視力じゃ普通見えないよ」
「あ、あぁ見えるはずがない⋯⋯な 」
すると突然、ポーチが凄まじいスピードでこちらに飛んで戻ってきた。
投げられた時間を遡っているかの様なリターン。
「「え⋯⋯? 」」
「いや死ぬってそれ!…… 」
「それやばすぎるよ! し、死ぬ前にお兄ちゃんキスして! 」
    そう叫ぶとクレアが抱きついてくる。
「ちょ、クレア! 今そんな事してる場合か! に、逃げるぞ」
「無理だよお兄ちゃん! 死ぬ前にキスしてよ!
そしたら悔いは残らないから! あ、やっぱり結婚出来ないから悔いは残るかな。 てへっ」
    クレアは舌を少し出し、片手で頭を小突いてウィンクをしてくる。
可愛い、けど今はそんな事してる場合ではない!
そんな事をしている間にもポーチはどんどん加速してこちらに突っ込んでくる。
「だーかーらぁ! お前はどんだけバカなんだよ!やばい、やばい、やばいぃぃぃぃぃぃ!」
来るべき衝撃に備え咄嗟に目を瞑る。
自然とクレアの抱きしめる力も強くなっていた、多分今までなら車でも潰せるレベルな気がする。
だがいつまでたってもその衝撃は来なかった。
その代わりにカシャッと何かがハマる様な金属音がその場に響いた。
    ハクヤは恐る恐る目を開く。
   そこには頬をピンクに染めニコニコしているクレアの姿、そして手にはスマホを持っている。
   クレアは俺が目を開けたのに気づくと、
「ドッキリ大成功! お兄ちゃんかーわーいい!! でも、キスしてくれなかったのは減点かなぁ」
「は? ⋯⋯ポーチは?  てか、なんでスマホ持ってるんだよ」
「まだ分からないのかなぁお兄ちゃん❤︎」
   なんだかとても馬鹿にされてる気がして⋯⋯うざい。
「あぁ、全く分かんねぇよ」
「それはねぇ、さっきポーチの中に手を入れた時に偶然スマホを発見しちゃってね。異世界でおどおどしているお兄ちゃんのかっこ可愛い写真をいっぱい撮ろうと思ってね、隠し持ってたの!」
そんな大事な情報を隠していたクレアを睨み、あとで絶対仕返しでもしてやろうと心に誓うハクヤ。
「で、ポーチ投げたらあんな飛んじゃって、いやぁあれは本当びっくりしたよ。 あのポーチすごいねー。   すると頭の中にポーチを私の所に戻す方法みたいなのがいきなり浮かんできたの!  半信半疑だったけどこれでお兄ちゃんの可愛い写真撮れるかも! って思ってやってみたら今に至るわけだよ」
(こ、こいつ⋯⋯はめやがった。なんでそうゆう所だけは頭の回転早いんですかね⋯⋯)
「て事はあれも全部演技で元々死ぬなんて思ってなかったってことか?」
「いや、衝撃本当に死ぬかと思ったよ」
    そう言っているクレアの顔からは冷や汗が出ており、少しスマホを持っている手も震えているのだからそうなのだろう。
「お前って結構タフだよな」
「もちのろんだよ!お兄ちゃんの為なら火の中、水の中、異世界だって行っちゃうよ!」
「おい、最後のは絶対俺のためじゃないよな!」
「そんなことないよ。私とお兄ちゃんの未来が明るくなるためだよ! これで道が拓けたね! 結婚しようお兄ちゃん!」
   クレアは顔を赤く染めてそんなことを言ってるが相当恥ずかしいらしい。
「お断りします。 それよりポーチまだ光ってるな⋯⋯」
    クレアの肩がガクッと下がる。
「はぁー⋯⋯本当だねーこのポーチ何なんだろうねーー」
明らかに分かりやすく棒になっているクレアの頭に、優しく手刀をかましつつ、ポーチを覗くと何かを見つけたようでそれを取り出した。
「なんだ? それ」
「なんかの参考書っぽいね。名前は『〜異世界チュートリアル〜』て書いてあるけどこれってお父さんが言ってたやつだよね⋯⋯?」
「名前そのまんまだな! 誰だよそれ書いた奴」
    クレアがそれを渡してきて、裏表紙に目を通した。
「作者八神 誠って⋯⋯お父さんじゃねーか! 」
本当にあの人は何者なのだろう。
自分達の親のはずなのにこんなに分からない事が多すぎるなんて思わなかった。
そしてクレアと二人頷くと、本を開いた。
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