チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

激突前夜

エレナを送って帰る途中、1人で街を歩くツカサは空からポツリと雫が落ち、雨が降っているのに気付いた。

(雨……か…)

いつからだったろうか…雨が好きになったのは。中学生だった頃?それとももっと前?それは分からないが、この胸の内から溢れる殺戮衝動は確かに雨の影響だろう。
その衝動は甘く蕩けるように体を包み、頬が上気する。だが、いつまでもこの感覚に浸るわけにはいかない。ツカサは目を閉じ、息を吐きながら衝動を胸の内に押し込む。
すると、ツカサが目を開ける頃にはツカサを取り巻く狂気が霧散した。

「これは一体何なんだろうな…」

ツカサは遠くを見つめ、雨に打たれる。
ツカサはスキルによって風邪や病気にかかることが無い。こうやって感傷に浸るのも一人でいる時だけの特権だ。

「そういえばステータス画面の機械音声最近聞いてないな…レベルも上がったりしてるんだが、最近は聞こえない」

バグったりでもしたんだろうか。
何だかんだで前の世界からの付き合いであるので、自覚すると少し寂しくなる。

「早く宿に帰るか」

ツカサは宿へと踏み出す足の動きを早め、小走りでアカツキ達の待つ宿へと向かった。




「おかえりなさい」
「おかえり」
「おかえりなさいです」
「ただいま」

「明日…行くんですか?」
「ああ、未探索だった残りのエリアも見てきた。明日処刑しよう」
「ツカサ様、どこまでもお供します」
「ああ…」


窓の外では冷たい雫が空から零れ、まるで空が泣いているようであった。

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コメント

  • 真砂土

    そう言えばツカサって血を吸わなくても生きていけるんだw

    1
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