チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

無垢

そこには、あまりにも異質な光景が広がっていた。
噎せ返るような血の匂いが冷気で冷え、薄く霧がかかり、天井から人間が吊るされている。

「こりゃ人間が見たら吐くだろうな」

だが、ツカサは意外にも落ち着いていた。
何故かは知らないが、この光景には酷く落ち着くものがある。
懐かしいような、快感を感じるような。
体の芯が蕩けて自然と下品な笑みが零れるような、そんな快感。

「おっと…いかんいかん」

ツカサは首をブンブンと振るい、疑問そうな表情で首をかしげる。

「何だ?これ」

ツカサは自らの感じた感覚に眉を顰めるが、ツカサはすぐ気にしない事にする。
吸血鬼としての血でも疼いたんだろうと思考の外に追いやった。

「ここが食料庫ね…ここまで堂々と食料扱いするとは流石だな」

吸血鬼としてはそれが正しいのかもしれないが、ツカサは元人間だ。
人間をそういう風にはあまり見られない。
トゥループラチナが人間の血を吸う必要がない種族である事も要因の一つかもしれないが。

「ここには何も無いか…よし、探索を続けよう」

それからツカサは3時間という時間をかけて地下の探索を行った。
途中何度か兵士も見かけたが全てスルー。
非常に楽だった。

「とりあえず今日の所はこれで終わりか…」

地下に捕えられている者はやはり人間の娘ばかりだった。
それも美人な者ほどいい身なりをしており、牢屋の中で上下関係も出来ているようで女の汚い所を見てしまった。

「ああいう女の汚さは見たくねぇな…」

男としては複雑な感覚である。

「さて、脱出といこう…か……?」

ツカサが管理人の部屋のトイレから外へ出ようとすると、後方から足音が聞こえて来た。
音は軽く、歩幅も小さいようだ。

「ねぇ、おじさん誰?」
「!!!」

ツカサは驚愕する。
ツカサは今も透明になっており、兵士の目の前を通っても気付かれないほど気配も消している。
だと言うのに気付かれたのだ。

(殺す)

ツカサは仮面の奥に鋭い眼光を煌めかせ、凄まじいスピードで反転。
驚異的なバネで瞬時に溜めた力を解放してナイフを振るおうとするが…

(何……?)

ツカサは少女の首を刈り取る寸前でナイフを止める。薄皮1枚切れているかどうかというほどギリギリだ。
ツカサがナイフを止めた理由は…

「おじさん、見たことないね。何処の人?」

凄まじく美しい少女。
清廉で、純粋そうな天使を現世に顕現させたような美しい少女だった。
その存在はあまりにも場違いであり、ツカサのナイフに一切動じない面を見ても只者ではないと分かる。
そして、ナイフを止めた理由はもう1つあった。

(シビィに…似ている)

そう、あまりにも似ていたのだ。
少女の外見や雰囲気と、前の世界で殺してしまった仲間の姿が…
そしてツカサは少女を鑑定し…目を見開いた。




エレナ

年齢:11

種族:堕天使

Lv.465
生命力:865423856  魔力:785462458
攻撃力:521  防御力:15687

スキル:光魔法Lv.MAX、魔力操作Lv.MAX、回復魔法Lv.MAX、反転Lv.3、自然治癒Lv.5

ユニークスキル:不老Lv.MAX、魔神Lv.MAX、エレナの理想郷Lv.MAX

称号:無垢、天使、魔神、堕天使、捻じ曲げる者





そう、目の前の少女は…魔神だったのだ。

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