チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

食料庫

ツカサ達はあの後しばらく話し合い、とりあえず情報を集めて叩くという方向に落ち着いた。どのみち戦うなら今戦ってしまおうという事である。

「ま、できるなら早い方がいいしな」

ツカサは現在、藍色の忍者装束に身を包んでいる。銀色の仮面が月光を反射し、ギラリと光る。

「今日は地下だな…何階あるかによって明日まで探索を引っ張るかが決まるな…」

ツカサはため息をつき、闇夜に姿を消す。
影が影を縫い、影が壁を這う。
鼻腔をくすぐる血の匂いを辿って。

「…ここか」

そこは城の裏庭にあった噴水の水溜まり内の小さな穴。

「これくらいなら…行けるな」

ツカサはその直径10cmほどの穴を見てそう呟いた。普通の人間なら、まずありえないと笑うだろう。
だが、ツカサならばそれが可能だ。

「《儀血血闘術:血液化》」

次の瞬間…ツカサの全身が赤黒い液体となり、表面が波打つ。

「よし、行くか」

ツカサは何事もなかったかのように淡々と呟き、噴水へと飛び込む。
するとそこにはもう誰の姿も無く、ただただ水を吹き出し続ける噴水だけがあった。

「結構長いな…」

ツカサは排水口のような管を通りながらボヤく。初めて直径10cmの穴に入った。

「何もしなくていいのは楽だな。勝手に運ばれていく」

日本にいた頃、子供の頃よくプールで遊んだ流れるプールを思い出す。
あれと同じだ。

「いや、どっちかというとウォータースライダーか?…どっちでもいいか」

ツカサはトンネルの奥の小さな光を見やり、目的地は近いと確信。
少しスピードを上げて直径10cmのトンネルを抜ける。

「とーちゃく!」

ツカサは流れる勢いのままに勢いよく水から飛び出す。
周囲に人気はない。

「ここは…看守かなんかの部屋か?」

どうやら自分はトイレから出てきたようだ。
ばっちいが我慢しよう。

「スキル解除」

《血液化》を解除し、いつも通りの藍色の忍者装束へと戻る。

「匂いが強すぎて人がどこにいるか分からん…こりゃ昨日よりかなり難易度高いな」

ツカサの嗅覚は血の匂いに関してならば犬すら遥かに上回る。だが、全域が血の匂いで満たされているとなると匂いの出処が分からない。

「闇雲に探すしかないか…」

ツカサは部屋を物色を終えると音も無くスルスルと移動し、扉を開けた。
通路には…誰もいない。

(地図と鍵が手に入ったのはでかいな。行動範囲がかなり広がった)

どうやら本当に看守?管理人?の部屋だったらしく、地図や鍵が置いてあったのだ。
ツカサは地図をもらい、鍵をスキルで複製しておいた。ありがとうございます。

「1番近いのは食料庫…?」

ツカサは地図に対し少し疑問を浮かべる。
何故なら1階を探索した際、かなり大きな食料庫を見つけたからだ。
巨大な食料庫が1階にあるというのにこんな血の匂いが充満する地下にも食料庫があるとは考えにくい。
そしてもう1つ…

「牢屋はあるみたいだが、解体室が無い?」

フェンの話によると、吸血鬼からすれば人間は食料であり、血だけでなく肉も食すという。人を解体せずにいきなりそのままかぶりつくなどというワイルドな食べ方は高位の吸血鬼っぽくないので解体室はあると思ったのだが…

「ここが食料庫か…」

色々と考えている間にもう着いたようだ。
ツカサは音を立てず、静かに扉を開く。

「ほぉ…なるほどね……」

その先にあったのは、腹を裂かれた人間が吊るされた食料庫であった。

「こりゃ、たしかに食料庫だわ」


〜tips〜
《儀血血闘術:血液化》
全身を血液へと変化させる能力。
このスキルは非常に応用が効くスキルであり、他の儀血血闘術と組み合わせる事で更に強力になる。

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コメント

  • solbird

    お気に入り400ありがとうございます!

    4
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