チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

違和感

〜side:アカツキ〜

ツカサ様と分かれて夜道を3人で歩く。
この街は夜も活気があり、空は暗いが地面は朝と思ってしまうほど明るい。

「明るいですね」
「だな!」
「私としては少しうるさくはありますが、こういうのは嫌いではないです」

サティナさんはライカンスロープであり、耳や鼻がいい。故にこの喧騒は少しうるさく感じるかもしれない。

「さて、情報収集を始めますか」
「「はいよ!(らじゃー!)」」

私達が街に出てきたのは遊びに来た訳ではありません。ツカサ様から街で情報収集をしてほしいとお願いされたのです。
大したことのない情報でも沢山集まればいい情報に繋がるかもしれないからです。

「サティナには少し申し訳ないが、まずは酒場で盗み聞きが手っ取り早いかもな」
「うっ…頑張ります」

今は姿を変えているため見えなくなっているが、サティナさんの耳が見えていたら今頃垂れ下がっているだろう。
私は苦笑いを浮かべ、手近でそこそこ人のいる酒場に3人で入る。

「いらっしゃい!!」

店員による威勢のいい挨拶が酒場に響く。
酒場の中では笑い声や調理する音などが聞こえ、騒がしい。
私達は店員に案内された席へと座ってエールだけ頼む。

「それじゃあ、始めるか」

私達は頷き合い、目を瞑って集中する。
耳が特にいいのはサティナだが、私達も曲がりなりにも亜人だ。
聴覚も人間よりある程度は優れている。
店内の話を盗み聞きするなど容易い。

「これ結構キツいな…」
「思っていたより集中力がいりますね…」

少し集中が乱れると他の声が被さって聞こえなくなってしまう。
私は気を取り直して他の客の話に集中する。
…すると、1つ違和感を感じる会話が聞こえて来た。

「そういえば、隣の家の娘さんが失踪したらしいぜ!」
「またかよ!ウチの娘もこの前失踪しちまったんだよな〜」

それは会話の内容とはまるで正反対の、非常に明るい楽しげな声だった。

「チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く