チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

1匹狐の居場所

ツカサ達はとりあえず宿を取り、今後の方針について話し合う事にした。
男の部屋に美人な女性3人と男1人。
完璧なるハーレムだ…男の夢である。

「さて、この国で何をするかってとこだが…まず大前提としてこの国には魔神がいる可能性が高いという事を頭に入れておいてくれ。どれだけ強いかも把握できないし、どんな能力を持っているかも分からない」

3人共、真剣な表情で頷く。
いい顔付きだ、美人という意味も含めて。
ツカサも頷き、話を続ける。

「だからこそ、俺達は慎重に動かなきゃならん。誰にもバレず、かつ敵の実力や能力などを見極める必要もある。これまでの戦いの中でもトップレベルで難しいだろう」

それほど諜報活動と隠密行動というのは難しい。

「お前達3人は全員1箇所にまとまって行動してもらいたい。単独行動はするなよ、絶対だ」
「ちょっと待ってください!」
「ん?」

アカツキがツカサに待ったをかける。
その瞳は不安に揺れていた。

「そうなると…ツカサ様は…」
「ああ、俺は単独で城に侵入してできるだけ情報を得る」
「無茶です!相手は魔神ですよ!?1人で行ってもし見つかったら…」
「ま、戦闘になって勝って生き残るか負けて死ぬかだな」
「そんな!」

アカツキが涙目でツカサに縋り付く。
ツカサは少し心を痛めるが、息を吐き出して心を落ち着ける。

「いいか、アカツキ…この仕事ができるのは俺だけなんだ。隠密系のスキルを持っているのはこの中で俺一人しかいないんだよ」
「それなら私の幻術だって!」
「他人の感覚を複数操作するのが高等技術なのはお前が1番よく分かっているはずだ、アカツキ。他人の感覚を複数、それも長時間操作し続けるというのは魔神でも困難な領域。神であるロキですら視覚しか惑わせ続けなかったんだぞ?城の中には何時間もいる必要があるんだ、俺達が城を出る前にお前は魔力切れでバタンだ」
「うっ…でも……」
「アカツキ」

ツカサはアカツキの顔をガッチリ掴み、無理矢理目を合わせる。
アカツキは人に慣れた。フェンどころか、知り合いと一緒なら外を出歩ける程度には。
ならば、これは次のステップだ。
これは必要な事…

「アカツキ、お前の居場所はもう俺の傍だけじゃないんだ」
「えっ…」

アカツキはキョトンとした顔でツカサの顔を見る。ツカサは苦笑し、続ける。

「アカツキ、俺は俺が与えてやれる物は全て与えてやったつもりだ。居場所も、生きる意味も、人の温もりも…だがな」

ツカサは優しく微笑み、アカツキの頭を撫でる。

「お前は自分で作れたんだよ。自分の居場所を、自分の生きる意味も、人の温もりも…お前があの地下で欲しかった物全てお前は自分の手で掴み取ったんだよ!」
「ツカサ様…」
「ここが、【FREE】がお前の掴み取った居場所だ!【FREE】がお前の掴み取った生きる意味だ!【FREE】がお前の掴み取った人の温もりと明るい未来だ!…だからよ」

ツカサは一拍置いてこう言った。

「俺が死んでも自殺したりするなよ。お前の命は俺が持ってんだからな、自殺なんざしたらタダじゃ済まさん!」
「ツカサ…様…」
「何、俺は不死身なんだ。死にゃあしねぇよ。もし死んだとしてもお前の温もりが恋しくて生き返って来てやるよ!」

ツカサは今度は獰猛な笑みを浮かべ、眼光を光らせる。

「生きろ」
「っ…」

アカツキが耐えきれないと言わんばかりにポロポロと涙を零す。
だが、アカツキは涙を流しながらも表情は笑っていた。

「私は…手に入れてたんですね……ありがとうございます、ツカサ様……でも」
「でも?」

ツカサは肩を震わせるアカツキの次の言葉を待つ。それは数秒か、あるいは数分か…

「私の居場所は……ツカサ様と、【FREE】です!絶対に…死なないでください!」
「ああ!死なずに五体満足で帰ってきてやる!」

ツカサは泣きじゃくるアカツキの肩を抱き…





この温もりを決して手放さないと誓った。







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コメント

  • 真砂土

    「死にたいなんて言うなよ
    諦めないで生きろよ」
    そんな歌が正しいなんて
    馬鹿げてるよな
    実際自分は死んでもよくて
    周りが死んだら悲しくて
    「それが嫌だから」っていう
    エゴなんです
    他人が生きてもどうでもよくて
    誰かを嫌うこともファッションで
    それでも「平和に生きよう」
    なんて素敵なことでしょう
    画面の先では誰かが死んで
    それを嘆いて誰かが歌って
    それに感化された少年が
    ナイフを持って走った
    僕らは命に嫌われている。
    価値観もエゴも押し付けて
    いつも誰かを殺したい歌を
    簡単に電波で流した
    僕らは命に嫌われている
    軽々しく死にたいだとか
    軽々しく命を見てる僕らは命に嫌われている

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