チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

玉座に座る老人

「ふぅ…」

ツカサの去った謁見室。
そこには静寂と、一国の王として君臨するただ1人の老いぼれだけがあった。

「まさかあのような条件を提示するとは…人として完敗だな…」

ツカサは人ではなく魔神だが、そんな存在に人として負けてしまった。
彼に勝つ事は人の身では不可能だろう。

「全く、頼もしい味方が出来たものだ」

ツカサが提示したのは3つ。

1、ツカサ達に危害を加えず、この国から漏れる情報を最低限まで抑えること。
2、ツカサ達のこの国への居住権。
3、ツカサ達に1度でも危害を加えようものなら全面戦争と取り、容赦なくこの国を消す。


この3つだけ。
命を見逃してもらうのにこれでは不釣り合いだと言ったが、こう言って突き返されてしまった。

『お前の都合なんざ知らん。金ならいくらでもあるし、作れる。権力もいらん、欲しけりゃ暴力でもぎ取る。それら以外でお前らができるのはこの3つ以外に無いだろ?』

と言われてしまったのだ。
これでは実質、居住権を与え、権力から彼らを守るくらいしかする事がない。

「奴らがいつ攻めてくるか…できればこの国に彼らが滞在している間である事を願いたいな…」

既にこの国に神はいない。
その事実を知るのは国王である私と勇者レシィ殿、そして一部の権力者のみだ。
魔神の討伐を諦めた事で神から見放されてしまったのである。
そして、去った神が宗教国家である"神聖宗教国サンクチュアリ,,へ移ってしまった事でかの国から我らの国が狙われているのだ。

「神は我々を道具としか見ていないのか…」

かの国は魔神を死に物狂いで探している。
どれだけ時間がかかったとしても、いずれ魔神を探し当てるだろう。

老人は先程までその場にいた魔神の言葉を思い浮かべる。

『居住権を貰うとは言っても、滞在する訳じゃないからな。俺はもう少し世界を見たい。満足したら安息の地としてこの国を考えるだけだ』

まるで旅人のような事を言う魔神をおかしく思い、老人は苦笑する。

「魔神とは…一体何なのだろうな…」

一国を背負う玉座に座った老人は目元を手の平で覆い、ため息をついた。

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