チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

洗礼

「着いたぞ」
「うっひょおおおおお!!!でけええええええ!!!!」
「凄いですね…」
「ちょっと感動です…」

山を超えた先の平原の奥地、丘を利用して作られたような巨大な国。

(ここがナイルス王国…勇者の国か)

ツカサは表情を引き締める。
ツカサ達魔神からすれば一歩間違えたら全方位からすぐさま狙われる環境。
注意しておかねばならない。

「お前ら気を付けろよ。実戦訓練は1部の勇者以外まだしていないらしいが、勇者の特殊能力は警戒すべきものだ」
「確か、ツカサさんの《竜聖機鎧》が勇者の力なんでしたっけ?」
「そうだ。ま、俺の世界は勇者が1人だったからな…その分強力だ。だから俺の力ほど強力なスキルを持った奴はいないと思うぞ」
「ホッ…良かった……」

ツカサは魔神になってステータスが跳ね上がったとはいえ、魔神になる前も歴代最強と讃えられた勇者だ。そのツカサが30人…想像しただけで頭が痛くなってしまう。

「そろそろ降りますか」
「そうだな」

ツカサ達はバイクから降り、ツカサは竜聖機鎧を鎧に戻すとパンドラに仕舞った。



ほどなくして、入り口の門へと辿り着く。
門番による検問はギルドカードを見せれば顔パスである。
白金ランク冒険者様というのは便利だ。

こうしてツカサ達【FREE】は門番達に敬礼されながら天敵の本拠地へと足を踏み入れる。
そこは活気のある商店街。
その賑わいはまるで最初に向かった街であるフウの朝を思い出させるが、そことは明らかに違うのは一般人がほとんどである事だ。

「活気があるな!(りますね!)」
「ツカサ様、お手を…」
「はいよ」

ツカサとアカツキが手を握って歩き、それの後ろにサティナとフェンの二人が付いていく形で歩く。
今日やる事は冒険者ギルドに挨拶しに行き、宿を取ること。王城へ行くのは明日だ。

────そんなこんなで冒険者ギルドへ着いたのだが…

「おおおおお!!!勇者があの上銀ランクのハインツさんを倒した!」
「流石勇者、違うねぇ…」
「これが正義の力だ!!魔王は必ず倒してみせる!!約束しよう!」

なんか嫌な予感がする。
冒険者ギルドの中はどんちゃん騒ぎだ。
入る前からもうわかる。

「…どうする?」
「とりあえず入ってみようぜ」

流石フェン、大胆だ。
ツカサはため息をひとつ吐き、冒険者ギルドの扉を開く。すると、ギルドの中の騒ぎはピタリと止んだ。

「おい…あれって……」
「白金ランク!?って事は…」
「あのパーティーメンバー…間違いない。【FREE】のサカツキだ」
「あの胸…たまんねぇな……」

ギルドの中のおっさん共がヒソヒソ話をしている。聞こえてるぞ。
ツカサはそれらを無視して受付へと向かうが、途中で呼び止められてしまう。

「あなた!」
「…ん?」

黒髪黒目で17才くらいのイケメン君。
間違いない、勇者とやらだ。
どうやら訓練場で戦っていたらしく、汗を額に浮かばせている。

「あなた、白金ランクのサカツキさんですよね。明日から訓練してくれるという…」
「……まあ、そうだが?」
「よければ僕と勝負してくれませんか?」

血の気の多い奴だ。
勇者君の後ろにいるのは取り巻きだろうか。
勇者君と同じくらいの年齢のようで、2人いる。恐らく彼らも勇者だろう。

「…一応、理由を聞いておこう」
「白金ランクがどれだけ強いんだろうと思いまして…私達は勇者です。なので、悪に勝てる為に誰よりも強くならなくてはならない!だから、力の高みがどれくらいの場所にあるのかを見たくてお願いしました!」
「………」

随分とご立派だ。
だが、自分に酔い過ぎだ。
真っ直ぐなのは嫌いではないが…

「…ふむ、力の高みが見たいと……なあアカツキ」
「何でしょう?」
「フェンとサティナ連れて宿取ってきてくれ…2人部屋2つだ」
「かしこまりました」
「んじゃ、また後でな!」

ツカサは称号の《九尾の恋人》の影響なのかは知らないが、居場所が何となくわかるので別行動をしても何の問題も無い。
ツカサはアカツキとフェン、サティナに手を振って見送ると、勇者君の方へ振り返る。

「んで、どーすんの?」
「1対1の決闘形式でお願いします」

腰が低いように見えて、なかなか舐めている。ツカサは勇者様達に向かって手招きする。

「3人で来いよ。遊んでやる」
「「「なっ!?」」」

勇者様達の表情が驚愕に歪む。
その後の反応は怒りを表情に浮かべたり、バカにしたような表情を浮かべたり、困ったような表情を浮かべたりとそれぞれ違っている。

「3対1!?随分舐めてんじゃねぇかよ!!」
「白金ランクなんて聞いたけど、勇者3人だよ?一般人3人じゃないんだよ?舐めすぎじゃない?」
「うーん…サカツキさん、1対1にしておきましょう?怪我をさせたくありません」

うーん…最後のイケメン君のセリフが1番腹立つ。舐めすぎだろコイツら。
ツカサは呆れたような表情でもう一度手招きする。

「いいからかかってこいや。あ、椅子や机に被害は出さないのでご安心を」
「あっ…はい」

ツカサはきっちり受付嬢さんへ、にこやかな表情でそう告げる。
振り返ると、待ちきれなかったのか格闘家っぽい短気そうな勇者様が目の前まで来ていた。

「おらああああ!!!!!!」

パシィィン!!!
格闘家勇者の蹴りがツカサの顔面に入った音だ。ギルドの中へ子気味のいい音が鳴る。

「あちゃー…こりゃ終わったね」
「…いや、まだだよ」

(イケメン勇者君は見所がありそうだな)

「…もう終わりか?」
「何!?」

勇者の蹴りの直撃をくらって平然とするツカサ。これがステータスの差というものだ。

「ほれ…《ストライク》」
「がっ!!!?!?………」

ツカサは格闘家勇者の頭を鷲掴み、スキルを使って脳を揺らす事で意識を刈り取る。

「なっ!?!?」
「どうやって…」

勇者様達は驚いているようだが、ツカサはそんな余裕はくれてやらない。

「ほいっ」
「カッ……」

奥にいた魔法勇者っぽい女の首へチョップを当てて気絶させる。所謂、首トンだ。

「なっ…!?」
「ほれ、これが俺とお前らの実力差だ。鍛え直して来い」

最後のイケメン勇者は額を軽く突いて気絶させた。今回はいい具合に手加減できたと思う。

(正直、女の方は首斬れないか心配だったけどなんとか手加減できたぞ!)

ツカサは勇者達の亡骸(死んでない)をその場に放置し、挨拶を済ませて3人と合流した。


〜tips〜
《ストライク》
衝撃を発生させる魔法陣を生成する魔法。
魔法陣は相手に貼り付ける事や自分に貼り付ける事も可能である。

《九尾の恋人》
ツカサがアカツキと恋人となった証。
二人が互いを想う限りステータスに1.1倍の補正がかかり、互いの位置が分かるようになる。

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コメント

  • 真砂土

    そう言えば手刀っていうスキル貰ってたねw

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  • solbird

    ノベルバユーザー223359さん
    ※勇者ですから(万能言語)

    1
  • ノベルバユーザー223359

    ※首トンを気絶する位の威力でやると現実なら、死んでます

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