チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

幕間2 ERROR?

「〜♪〜♪♪♪〜〜♪♪」

男は鼻歌混じりに手元を動かす。
とても優しそうな微笑を浮かべながら料理を作る。

トントントントントン

包丁が野菜を切る子気味いい音がする。
用意していたコンソメスープの匂いが鼻腔をくすぐり、食欲をそそられる。

「今日もいい出来だな」

彼は付け合わせのアスパラガスを塩茹でしながらステーキの肉を冷蔵庫から取り出す。

前日に肉叩きで潰し、玉ねぎを敷いておいたものだ。きっといい具合に柔らかくなっているに違いない。

「筋は…ちゃんと切ってあるな。よし」

彼はオリーブオイルに揚げるように入れておいたにんにくを取り出し、肉を焼き上げる。
彼は焼き加減はレアが好きなのであまり肉を焼かない。ステーキガストなどに行って、焼かずに食べるか5秒くらいしか焼かないタイプである。

「よし!できた!!」

丁度いい焼き加減。完璧だ。

「味見…うん!いける!!」

彼は満足そうに頷いて更に料理を盛り付ける。皿は二人分。スープも二人分だ。
体力を付けるためには食べてもらわなければ。

「ご飯できたよ」

彼が扉を開けた先には椅子に縛り付けられ、涙を流す女の姿。
彼の手元にあるのが何の肉なのか分かっている彼女は泣きながら首を横に振る。

「食べたくないの?」
「ヒック…うぅ…(コクン)」
「好き嫌いはダメだよ。ほら」

彼女は俯いたまま食事を取ろうとしない。
彼はため息をつく。

「ふぅ…困るんだけどなぁ…体力付けてもらわないと…」

彼は考えるように顎を手に置く。
少し考え、その姿勢を解いた。

「いいかい?君はね、望まれてココに来たんだ。本来は僕だってこんな長く苦しませて殺すなんてしたくないんだよ?殺したい事に変わりは無いけれども」

彼女は目を見開き、目の前に突き出されたナイフを凝視する。

「全く…なんて最低で最高な仕事なんだろうね…ククク…」

彼女はナイフに近付き、首に刺そうとする。
これから凄まじい苦しみが待っているならいっそ…とでもいうように。
だが、彼はそのナイフをひょいとどけてしまう。

「ダメダメ。死のうとするなんてダメだよ。余計に苦しむだけだよ?僕医療の心得があるんだ…自己流だけどね」

彼女の希望は打ち砕かれ、顔を俯かせる。
声を出したくとも出せないのはとっくにもう分かっている。
声帯を切られているのだ。
叫び声など上げられない。

「さ、素敵な夕食の後はお仕事だ!精をつける為に食え食え!ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」

彼女の長い贖罪は、実に1ヶ月に渡った。
彼は猟奇的連続殺人鬼☆○356%2+〒。
世界へ侵食した彼の狂気は、ある日を境にピタリと止まった。

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コメント

  • solbird

    忘れられるべき記録

    2
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