チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

フェンの力

『さああああて!!!この闘技大会も大詰め!!決勝戦!サカツキ選手vsフェン選手ゥ!!!!』

この闘技大会もいよいよ最後の試合。
フェンの成長を見る時だ。

『フェン選手は本日第1試合でド派手な荒々しい戦いを魅せ、サカツキ選手は第二試合でその凄まじい技量とパワーを見せつけてくれたぁぁぁぁぁ!!!!』

フェンの成長…つくづく楽しみで仕方が無い。全身に鳥肌が立ち、武者震いが止まらない…くらい興奮している。

(異世界に飛ぶ前の俺が今の俺を見たらきっと引きつった笑顔で「さすが俺だな…ぶっ飛んでるわ」とか言いそうだな)

異世界に来る前から自分の事を変人と呼び、実際変人であったツカサは自身がぶっ飛んでいることを自覚している。
そういったセリフを吐く可能性はかなり高いだろう。

『さて、サカツキ選手、フェン選手!準備はよろしいか〜??』

おっと…もうすぐ始まるようだ。

「ツカ…サカツキ!」
「ん?」

フェンから何かお言葉があるようだ。
これはしっかりと聞いておかねば。

「油断してると痛い目みるぜ?」
「…望むところだ」

フェンはギラギラとした眼光を走らせており、殺る気マンマンといった感じだ。
ツカサはフェンの有難いお言葉通り用意していた魔道具を懐から取り出す。

「なんだ?そりゃ」
「見てのお楽しみだ」

ツカサの手に握られているのは黒い棒。
青い線が血管のように走っており、脈打っている。

『両者準備はいいみたいだな!!それでは………試合、開始ィィィィィ!!!!』




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

side:フェン


試合開始のゴングが鳴る。
その瞬間ツカサが手に持つ黒い棒を握り潰し、全身が黒い装甲に覆われる。

「ほんと…鎧が好きだな」
「ああ、好きだよ」

ツカサを覆う装甲は鎧というよりも甲殻のようであり、大きな複眼の無い虫のようだ。
所々どこか機械的であり、ロボットのようにも見える。

「さて、行くぞ?」
「ドンと来い!!」
「じゃ、お言葉に甘えて…フンッ!!!」

ツカサが力を溜めるように腰を落とすと同時に装甲の至る所から雷が放出され、姿が掻き消える。

(正面っ!)

私は初動すらうっすらとしか見えなかった事に驚愕しながらも天光を盾のように構えてツカサの初撃を防いだ。
だが、それは悪手だったようだ。

「《雷震撃》」
「があああッ!?!?」

ツカサの全身を覆う紫雷は右腕へと集中。
その雷はどこまでも伸び続ける槍のように天光を伝って私へと感電する。

(クソっ!!油断すると意識が吹っ飛びそうだ!なんてもん作ってんだツカサァ!!)

全身がピリピリし、思ったように体が動かない。まるで他の誰かに体を引っ張られているようだ。

「その程度か?」
「ハッ…舐めんな!!」

私は麻痺している体を無理矢理動かし、特攻した。表情は見えないが、ツカサは私の動きが鈍っていないことになんとなくだが関心しているようだ。

「ドルァ!!!」
「女が出す言葉じゃねぇな。一発貰ってやるよ」

ツカサは《竜牙》を纏った天光をモロに喰らい、激しく後方へ吹き飛ぶ。
だが、空中で姿勢を整えて綺麗な着地を見せた。

「ふむ…」

ツカサのシールドには少ししかヒビが入っておらず、ステータスの違いを嫌という程理解する。

(魔力もかなり込めたんだがな。やっぱりツカサは半端じゃねぇ…)

そうこうしている間にツカサは立ち上がり、装甲に付いた土埃を払う。
そしてツカサは床に転がる床の破片を拾って立ち上がった。

「今度は、こっちの番だな?」
「!?」

パァァァァァン!!!!!
空気が弾けたような音を鳴らして発射された凄まじいスピードの投石。
急いで避けるが、ツカサは距離を既に詰めてきている。

「クソっ!!」

私は不安定な姿勢で無理矢理体を捻り、《竜牙》を発動させて地面を抉りながらの切り上げを行う。

「これは良くないな」

ツカサはバックステップで間合い少し手前まで距離を取るが、そう簡単に逃がしはしない。
私はまたもや無理矢理筋力で振り上げた切り上げの勢いを利用。一歩踏み出し、天光を斜め上から振り下ろす。

(取った!!)

ツカサを切り裂く天光。
だが、その一撃に手応えは無く…

「くっ!!」

私はツカサへ大打撃を与えるチャンスを逃してしまった。

切れる手札は後一つだけ…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

side:ツカサ


(あっぶね〜〜〜!!死ぬかと思った!!)

フェンが切り裂いたのはツカサの残像。
ツカサが受けたダメージは少し掠った程だ。

(作っててよかった…にしても成長したなぁ…)

ツカサの装甲の名前は『VOLT』。
ツカサが日本にいた頃ハマっていたゲームの装備が元となっている。
この『VOLT』の能力は電気操作と1日3回のスピード超強化だ。
単純。故に強い。
この1日3回の強化能力は音や光すらも置き去りにする凄まじい能力であり、ツカサはロマンを感じている。

(後2回…使う予定は無かったんだがなぁ…)

ツカサは正直、もうフェンに花丸をあげたい気分である。だが、まだ試合中なので気を抜かないよう気を付ける。

「斬れたと思ったのになぁ…」
「惜しかったな」

フェンはボヤいているが、ツカサは装甲の裏でホクホク顔だ。
ここまで成長しているとは思ってもいなかった。

(こりゃご馳走作ってやらんとな…)

ツカサが終わった後の打ち上げについて考えていると、フェンが話しかけてきた。

「ハァ…ハァ……ツカサ!」
「ん?」

フェンの息が荒い。
魔力も乱れている。
だというのに…

(威圧感が増している…いや、急激に魔力が上がってるぞ!?)

ツカサは内心驚愕する。
一体何をすればここまで魔力が増幅し続けるのか。既にフェンの魔力は2倍以上になっており、今も尚どんどん魔力が上がっている。

「ツカサ。私はな…ハァ…ハァ…負けず、嫌いなんだよ。…ハァ……だから、今からとっておきを使うぜ…」
「…ああ、かかってこい」

フェンの宣戦布告を受け入れ、ツカサは全身から紫雷を放出する。

「スゥ…はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「!?」

魔力の増幅が止まるどころか更に上がっていく。

5倍

────10倍

────────100倍









────1万倍。

…突如、フェンを中心として魔力の爆風が発生する。ツカサは踏ん張りながらフェンのいる前方を見やり…目を見開いた。

────そこにいたのは。


「フェン。それがお前の力か」

夜空のように黒い鱗が色を取り戻したように青く輝き、まるでスターライトドラゴンが生まれ変わったような姿のフェンだった。

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