チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

実力の違い

サティナの咆哮が会場全体に響き渡り、まずツカサはサティナに先手を譲る。
凄まじく整ったフォームで突撃してくるサティナ。
魔神カインがいかに優れた戦士だったかが如実に現れている。

(あんな綺麗な走り姿初めて見たぞ!体術スキルMAXですら出せない、完璧すぎる無駄の無い動きだ!)

ツカサがサティナの走り姿に驚いている間にサティナは一瞬で距離を詰め、ツカサにコンボを仕掛けてくる。

『グルォ!!』
「くっ…速すぎるだろ!」

ツカサは反撃する暇もなく、サティナの攻撃を防ぎ続ける。
サティナ…否、カインはステータスを見て分かる通り、完全なインファイターだ。
だが、そのリーチの短さを完璧なフォームと体捌きなどで補っている。

(右、左、右、右、下…)

隙が無い。癖も無い。変則的かつ効率的。
今のツカサが技術で勝つのは不可能だ。

「ハハッ…無茶苦茶な奴だな…」

だが…1つ、彼女に欠けるものがある。
それは…

「でもよ…軽いんだよ。魔神歴は俺のが上。まだまだ力が適応しきってない」
『グルォ!?』

ツカサはサティナのアッパーをモロに受けるが、よろめきもしなければビクともしない。
ステータスの差というのは非常に大きい。
サティナは天才だ。試合時間が経つごとに魔神の力に適応していき、どんどんステータスが伸びていくだろう。

…だが。

「所詮は新参者。魔神を舐めるな」
『ごフッ!!?!?』

ツカサは鎧に包まれた拳をサティナの鳩尾に叩き込む。
サティナは吹き飛び、リングの床を何度か跳ねた後、空中で姿勢を整えた。

『グルルルルルルル……』
「…ま、流石にタフだな」

サティナからはドス黒いオーラが立っており、それが《憤怒》のスキルの影響である事がはっきりわかる。

(何かして来そうだな)

ツカサは再び臨戦態勢をとり、サティナの攻撃に備える。

『ワオオオォォォォォン!!!!』

サティナが遠吠えを上げると共にドス黒いオーラがサティナの内側から爆発する。
そして、オーラが晴れたリングの上にはドス黒い鎧に包まれた人狼が1匹。

「へぇ…面白いな」

ツカサはサティナを鑑定し、面白そうに口角を上げる。

(サティナの魔力以外のステータスが爆発的に上がっている…いや、魔神の力への適応速度も上がっているな。こりゃ代償もんの力かね…長く使わせるわけにはいかないな…)

ツカサは上がった口角を元に戻し、表情を引き締める。
そして、サティナの突撃。
先程までとは比べ物にならない速度で接近してくる。だが、まだまだツカサには及ばない。

「甘い」
『グルァ!?』

ツカサはサティナの右ストレートを回避し、鎧を掴んで思いっきり床へと叩きつける。

「オラァ!!!!!」
『グルッ!?』

サティナが叩きつけられた床は大きく陥没し、その衝撃でサティナは垂直にバウンドする。
ツカサはサティナの首を掴み、魂魔法でサティナの魂と魔神カインの魂へ干渉する。

「さあサティナ、お前が日の目を見るのは近いぞ!俺に全部任せろ!《魂魔法:干渉》!!」

ツカサの意識は暗い闇へと落ちていき、サティナと共に倒れた。
さあ、お嬢様を救いに行こうか。

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