チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

対話

『さあ!さあ!!さあ!!!!やって参りました!超絶期待の第二試合!!サカツキ選手vsサティナ選手!!この2人もワンパンでこれまでの試合を駆け上がってきた!!レベルが高いぞ今年の大会!!!』

全くである。ほとんどの試合がワンパンで終わるとか見応え無さすぎる。
まあその分、後になって見応えが出てくるわけだが。

『それじゃあ、グダグダ言わずにさっさと始めちまおう!!準備はいいかぁ?…試合、開始ィィィィィ!!!!』
「《竜聖機鎧》」

試合開始の合図が会場中に響き渡り、ツカサは竜聖機鎧を纏う。
だが、サティナが動く気配は一切無い。

(……?)

どういうことだろうか。
これまでのパターンを見ると、真っ直ぐ突っ込んで来そうなものだが…

「…サカツキ殿」
「…サティナ。いや、『魔神カイン』か?」
「左様」

魔神様の御降臨だ。
対話をお望みのようである。

「こんなつもりでは無かったんだがな…すまない。私の部下が粗相して…」
「謝る必要はない。その様子だと…消えるつもりだったな?」

魂魔法でカインの魂を調べたが、魂は消えかけであり、それを分かっているであろう当人は落ち着いている。

「ああ、私の魔神のただの残りカス。せっかくだから…と、この娘を見守りながら消えようと思っていたのだがな。どうにもそうはいかんらしい」
「で?あんな暴れ回ってたアンタが、今は落ち着いているのは何でだ?」

そう、あのフードの男…話を聞くに部下だろうか。奴が水晶で何かをした後、開放されたかのように暴れていたというのに今はこんなに落ち着いている。
大方予想は付いているが…

「…大変申し訳無いんだが、それは私の能力が暴発したせいだ。私の力は『憤怒』。自らの怒りを無理やり引き出し、怒りを莫大なる力に変える能力なのだ。開放されたばかりで力の制御が効かなくてな…今は無理矢理魂を消耗させながら抑えている」
「やはりか…」

憤怒…キリスト教の七大罪として有名な言葉だ。
憤怒、嫉妬、傲慢、怠惰、暴食、色欲、強欲の7つ。
この世界にもあるのだろうか…
最近のラノベだと使いやすさからか、スキルとかでよく出てくるが…

「さて、そろそろ時間も少ない…サカツキ殿、一つ頼まれてはくれないか?」
「ん?何だ?」

頼まれるとは答えない。
死ねとかだと困ってしまうからな。

「…この娘を、救ってやってくれ」
「………ああ、頼まれた」

ツカサは目を瞑り、ゆっくりを瞼を開くと、深く頷いて答えた。
カインは安心したような表情を浮かべ、告げる。

「そうか…それは、よかった。相手が魔神なら…安心だ。頼んだぞ…俺の…娘を……」

カインはよろめき、地面へと倒れていく…
その体が地面へと落ちることは無かった。

ギリギリで落下が止まっていた。
サティナの足の指が地面へめり込み、ミシミシと言う音がサティナから聞こえてくる。

(指の力だけで体の落下を止めるか…日本ならテレビ出演待ったナシだな)

ブリッジのように体を反らしていたサティナは体を起こし、スキルを発動させる。
…《半獣化》。ライカンスロープの固有スキルだ。サティナの全身が毛で覆われていき、人狼のような姿になる。

「さて、やるかな」
『ワオオオオオォォォォォォン!!!!』

サティナの上げた遠吠えが試合開始の合図となり、ナハグル史上最大の歴史に残る激戦が今始まった。

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