チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

冒険者の街ナハグル

「なー…」
「なんだ?」
「あとどれ位で着くんだ?」

俺達は竜聖機鎧のバイクに乗って爆走中だ。
背中に当たってるアカツキのおっぱおの感触か素晴らしいであります。

「後…2時間くらいだ」
「そっかー…暇だな」
「フェン、私に掴まってていいですから寝てもいいですよ」
「ホントか!サンキュー!」

フェンが喜ぶ声が後ろから聞こえ、数秒で寝息が聞こえてくる。
早すぎだろ。

「ふふっ…まったくフェンは…」

ツカサが後ろをチラッと覗くと、アカツキがフェンの頭を撫でている。
本当に仲良くなったものだ。

「アカツキ、飛ばすぞ!」
「はい!」

ツカサとアカツキは微笑み合い、バイクのスピードを更に上げた。



〜1時間半後〜

「フェン、起きろ〜」
「後5分…」
「もうすぐ着きますよ」
「ふああぁ…」

フェンはまだおネムのようだが、なるべく早めに降りたいのだ。
起きてもらわないと困るので、ツカサはバイクを停めてフェンにチョップする。

「せいっ」
「ぐおあっ!!!」

…かなり鈍い音がしたが大丈夫だろう。
フェンは涙目で頭を撫でながら顔を上げ、目を見開いた。

「ここが…着いたんだな」
「ああ、ここが"冒険者の街ナハグル,,だ」

ラビスよりも遥かに高く、強固な壁に覆われた街。そこから天へと盛り上がったドームからは魔力が感じられ、結界であると容易に想像できる。
国の首都…という程発展しているわけではない。発展レベルはラビスと同じくらいだ。
だが、強固さで言えばそれらを遥かに凌駕するだろう。

「今回の目的は闘技場での金稼ぎだ。そっから何処か安全な場所を見つけられれば家でも買うか」
「そうですね。勇者達に見つからない場所があるといいんですが…」
「その内絶対見つかるだろうな…」

勇者達との戦闘は避けられない。
いずれ戦うハメになるだろう。

「ま、そんな事は今はどうでもいい。とりあえず、今日が闘技場の参加申請の締切日らしいから早く行くぞ」
「おう!」「はい!」

ツカサ達は門番にギルドカードを提示し、ナハグルに入ると一直線に冒険者ギルドへ向かう。

「…あの!」
「「「?」」」

街を歩いていると、突然声をかけられる。
灰色の短髪を持つ少女。
服装は一般的な冒険者のそれであり、冒険者である事が伺える。
(よくよく見てみるとかなり可愛いな)
アカツキから修羅の殺気を感じて思考を切り替える。

「どうしたんですか?」
「冒険者ギルドの場所が分からなくて…道を教えていただけませんか?」

迷子だったようだ。
ツカサはアカツキ達の方を振り返り、アイコンタクトを取って少女の方へ向き直る。

「俺達も今から行くところなんで一緒に行きますか?」
「ホントですか!?ありがとうございます!!」

少女は瞳を輝かせて喜ぶ。

「俺の名前はサカツキです。コイツ達はアカツキとフェン。パーティーメンバーだよ」
「よろしくな!」
「よろしくお願いします」
「あ、私の名前はサティナです!よろしくお願いします!」

ツカサ達は自己紹介を終え、雑談しながら歩いていると、サティナさんが突然「そういえば…」と声を上げてツカサ達の視線が彼女へ集中する。

「見た感じだとサカツキさん達は今日この街は初めてですよね?どういった理由で来られたんですか?やはり…闘技場ですか!」

サティナさんがシュッシュッとシャドーボクシングのように拳を突き出す。
それを見てツカサ達は苦笑する。

「そうですね。サティナさんは参加するんですか?」
「しますよ〜!勝ち残れるかは分かりませんが…ははは…」

サティナさんは苦笑いをしながら頭をかいているが、実際の腕としてはかなり高いだろう。重心が常に安定していて、歩き方も戦士のそれだ。
そこら辺の冒険者よりよっぽど強い。
重心の安定感に関してはバルンと同じかそれ以上に完成度が高い。将来有望である。

「サティナさんならいい所まで行くと思いますよ?きっと大丈夫ですって!」
「そ、そうですか…?へへ…」

サティナさんは褒められたからか、頬を染めて照れている。褒められ慣れていないのが初々しい。
(女の子らしい子だな…こりゃモテるだろうな。ま、ウチのアカツキさんも負けてませんがね!!)

内心で何故か威張るツカサ。
何故お前が威張る、内心で威張っても意味無いぞ、というツッコミは無しである。

「サカツキ様、着いたみたいです」
「おっ…ここがか!」
「大きいな…」

4人でギルドの建物を見上げる。
流石は冒険者ギルドの総本山、かなり立派な建物だ。図書館と言われても違和感が無い。
ツカサが先頭に立って扉を開き、奥にあるカウンターへ進んでいく。

「いらっしゃいませ、こちら冒険者ギルド本部受付です。本日はどのようなご要件ですか?」

(おお…出来る系だ…)
流石、ギルド本部である。

「闘技場に出場したいんですが」
「かしこまりました。では、ギルドカードをご提示いただけますか?」
「ああ」

ツカサ達が各々のギルドカードを受付嬢に提示すると、受付嬢の顔が引き攣る。

「あ、ありがとうございます…あの…」
「はい?」

どうしたんだろうか。顔を引き攣らせたかと思えば頬を染めて挙動不審になる。

「【FREE】の"彗星,,様です…よね?」
「あっ…ハイ」

サティナさんの時が止まり、賑やかだったギルドが静まり返ると、コソコソと小声が漏れ始める。

「あれが噂の"彗星,,か」
「本当に強えのか?」
「分からねぇ」
「チッ…リアジュウガ…」

小煩い奴らだ。おバカさん達は放っておいて受付嬢さんと会話する。

「それで…どうされました?」
「ハッ!?すいません、ファンなんです!サインください!握手も!」
「い…いいけど……」

(サインなんてした事無いぞ…)
とりあえずサイン用紙に"彗星,,と書いて受付嬢に渡し、握手する。

「これで…いいですか?」
「はい…」

受付嬢は大満足なようだ。
(まさかファンができるとは…)
ツカサも出世したものである。

「あの…闘技場は…」
「す、すいません!…では、こちらの用紙にお名前お願いします!」

最初の出来る系の受付嬢さんはどこへやら。
ドジっ子キャラへと大変身だ。
ツカサ達は紙への記入を終え、受付嬢さんに渡して確認してもらう。

「確認しました!ありがとうございます。明後日の朝10時からトーナメントの抽選となりますので遅れないようにお願いします」
「ありがとうございます」

ツカサは受付嬢さんに礼をし、3人を引き連れてギルドを出る。

「サカツキー…腹減った」
「そうだな、昼飯か…アカツキはどうだ?」
「私も少し空きましたね…」
「サティナさんは?」
「え?」

サティナさんがキョトンとし、首を傾げる。

「だから、サティナさんも一緒に食べない?」
「え…えっ!?」

サティナさんは受付嬢さんのように挙動不審になって慌て始める。

「い、いや!白金ランク冒険者様と御一緒に食事なんて!わ、私では不釣り合いで!あ、あの!あの!」
「ははは…」

ガッツリ遠慮されている。
避けられているわけでは無さそうだ。

「おいサティナ!遠慮すんなって!ほら行くぞ行くぞ!!」
「ちょっと…えっ!?待ってぇぇえええ!!!」

フェンがサティナさんの首根っこを掴んで引きずっていく。
ツカサとアカツキは顔を見合わせて苦笑いし、フェン達の後を追った。

「チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く