チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

旅立ち

ツカサは怒られた。
それはそれは怒られた。
何故か?

「何を!どうやったら!ダンジョンが壊れるんですか!!」
「申し訳ない」

こういう事だ。
現在俺はシャルさん…ではなく、ラビスの冒険者ギルドのギルド長に怒られている。
見た目は黒い長髪でイケメンな優男風の男だ。

「ほら、形あるものはいつか壊れると言うじゃないですか」
「壊れるのが早すぎるんですよ!!」

この人も結構いじりがいがありそうだ。
キレのあるいいツッコミをしてくれる。


さて…こんなどうでもいい事はさておき、今後についてだ。
まず、ロキは死んでいない。
あの後、レベルを鑑定すれば殺したか分かるじゃ〜ん…と自分を鑑定すると、その時はレベルが上がっていたのだが後でもう一度確認したらレベルが元に戻っていた。
幻術か何かによるものだろう。
本当にめんどくさい敵である。

そして、俺達【FREE】の動向について。
これに関しては、ラビスのダンジョンを全て攻略したら次の街へ行こうという事で決定した。
次に向かう街は冒険者ギルドの総本山。
"冒険者の街 ナハグル,,だ。
そこは冒険者ギルドの本部が存在する街であり、最も冒険者で賑わっている街でもある。
闘技場なんかも行われているらしいので是非参加したい。

そして、ツカサ達の冒険者ランクについてだ。まさかのアカツキ達が大出世をした。
なんとツカサは功績が認められて白金ランクに、アカツキ達は黒金ランクへ飛び級だ。
まあ、最高難易度で未探索のダンジョンを1週間もかからず攻略したとなればギルドも認めざるを得なかったのだろう。
ちなみに、シャルさんはすごくキラキラした目で白金ランクのギルドカードを渡してくれた。…1分間くらいギルドカードを離してくれなかったが……


そんなこんなでツカサ達は特に問題も無くラビスの他のダンジョンも全て攻略した。
攻略する順番を間違えたとも言う。
そして、今日は冒険者ギルドでの俺達の送別会の日だ。

「「「「カンパーーーイ!!!」」」」
「この街の英雄!」
「色男!」
「キャーー!抱いてー!」

色んな声がツカサ達へ向けられるが、その中に悪意の混じったものは一つもない。
ちなみに最後の人はオカマ風の冒険者だ。
近付かないでください。

………お願いします…

オカマから逃げたツカサはアカツキ、フェン、シャルさんの3人で時々背中を叩かれたり挨拶されたりしながら飲み合う。

「いやー…まさかサカツキさんに黒金どころか白金ランクのギルドカードを渡すことになるとは…感激ですね」
「シャルさん、受付嬢じゃなくて占い師になったらいいんじゃないですか?」
「ははは!それもいいですね!」

フェンが奥で暴れてる気がするが、気のせいだろう。
ちなみにアカツキは酔いつぶれてツカサの膝の上で寝息を立てている。
よくこんな喧騒の中で眠れるものだ。

「サカツキさん…」
「ん?何ですか?シャルさん」

シャルさんが微笑み、口を開く。

「隠してる事…一つだけでいいので教えていただけませんか?…なんて」
「………何故です?」

それは色々な感情がごちゃ混ぜになった、大雑把すぎる問いかけ。
だが、シャルさんには伝わったようだ。

「…何となく、サカツキさんには壁があるような気がして…あっ!答えたくないならいいんですよ!!そ…「ツカサだ」え?」

(本当に…この子は占い師にでもなった方がいいんじゃないか……?)

ツカサはシャルさんの言葉を遮り、自分の名前を明かして敬語をやめる。これは親愛の証だ。

「俺の名前。サカツキは偽名だよ」

シャルさんは口を開いたまま時が止まったように停止し、満面の笑顔でツカサの手を握った。

「ありがとうございます!あ、今日の事、誰にも話したりしないですから!」

そう言ってシャルさんは席を立ち、手を振って去っていく。一滴の雫を残して。
だが、また何処かで会えるだろう。
そう予感してアカツキを背負い、飲み比べで酔って暴れているフェンの首根っこを掴んで引っ張りながら宿へ向かった。




第3章  迷宮街ラビス~完~

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