チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

禁忌の遺跡

俺達はジャングルを探索し続けた。
一向に沈まない太陽に焼かれながらも1歩ずつゴールの見えないジャングルを進む。
だが数時間ほど経ち、ようやく変化が現れた。

「ん?…あれ石のレンガじゃね?」
「どれだ?」

フェンが指差す先を見てみると、コケや蔦で隠れているが、確かに石のレンガだ。

「ありがとうございます…フェン…上で何か奢ります…」

アカツキはもうダメなようだ。
ちなみに、アカツキは現在フェンにおぶられている。
そこはお前がおぶるところだろうと皆は言いたいだろうが、それは違うのだ。

皆は忘れていないだろうか…俺が「暑がりである事」を。
そんな俺が蒸し暑いジャングルでカイロのようになっているアカツキをおぶってみろ…死ぬぞ。

「とりあえず、外周回ってみるか…」
「ぶち抜…「何が起こるか分からんのだから入口探すぞ」

フェンがめんどくさいと言わんばかりに大剣を振りかぶり、ツカサが宥める。
そして数分後…入口を見つけた。

「遺跡…ですね」
「ああ、だな。なんかワクワクして来た」

フェンがワクワクしている。
俺もワクワクする。

(マヤ文明の遺跡っぽくていいな!)

ツカサは内心ウキウキだ。

「よし!探検だ!」
「あっ!!」「フェン!1人で先に行くな!」

走り出したフェンを追いかけて遺跡に入る。
すると、不思議な事に先程まで感じていた蒸し暑さが嘘のように涼しくなる。

「結界か…」

一家に一台欲しいヤツだな。
すると、フェンが突然立ち止まった。

「フェン……壁か」
「ああ、壁…というよりも、壁が扉になってるな…ほら、あそこ」

フェンが指差した壁には床から天井まで真っ直ぐ割れ目が入っている。
どう見ても割れたせいでできたものではない。

「文字か…?読めんな」
「私も…分かりません」

壁には文字のようなものが描かれているが、それを読む事ができない。
何語なのかすらも分からないのが残念だ。

「巨人語…かな?」
「フェン?分かるのか?」
「ああ、研究仲間の中に巨人に詳しいヤツがいてな…読む事くらいならできる」
「お前何気に博識だよな…」
「お前…私が研究者だったの忘れてないか?」

フェンはその性格と見た目によらず頭がいい。巨人語はかなり難易度が高いとされる言語だ。そんなものまで読めるとは思わんかったぞ…

「爬虫類系魔物の言語なら読み書きや喋るのも聞くのもできるし、ゴブリン語とかの亜人系魔物の言語も難易度によるけど読み書きはできるぞ」
「凄いですね…」

フェンは通訳にでもなればいいと思う。
そんな事をツカサは考えた。

「さて、読んじまうか!」

フェンは目を細めてじーっと見つめ、指で追いながら文字を読んでいく。

「…………多分おっけーだ」
「もう終わったのか…どうだった?」

フェンが巨人語文字を人語で読み上げていく。

「……ここはこの世界の禁忌を閉じ込めし場所、何人たりとも入る事は許されない。もしもこの世界の禁忌に触れようものなら汝の身は滅び、世界は滅びる。厄災を解き放ってはならぬ……だそうだ」
「………厄災…魔神か?」
「わかんねぇ…でも、とんでもねぇのがいるのは分かるな」
「…厄災という事は、フェンと同等かそれ以上ということですよね?」

厄災級…世界における最強クラスの魔神の象徴だ。それは世界を殺した証明であり、世界を敵に回した証。
解き放っていいものか…

「ま、厄災ってのはあくまでも例えで、ステータスの称号じゃないかもしれねぇ。だから、とりあえず開けてみてもいいんじゃねぇか?」
「……そうだな。だが、装備を万全にしてまたここに来よう。遺跡の入口に転移板があった。1度帰ってまた明日か明後日に来るぞ」

俺達は遺跡の巨大な扉に背を向けてラビスの街へ帰還した。

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