チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

ナイツ・オブ・クロノス

「な〜あ〜い〜こ〜う〜ぜ〜」
「ダメだ。今日はダンジョンは休みだ」

ツカサにフェンが泣きついている。
ツカサは何かを作るのに集中しており、フェンが抱きつこうがお構い無しだ。

「な〜あ〜」
「ぶわっふ!!」

ツカサの顔にフェンのたわわなおっ…胸が押し付けられる。
ツカサはなんとかセーフゾーンを見つけ、フェンの肩を掴む。

「い〜こ〜う〜ぜ〜!」
「離せ!バカ!」
「ツカサ様、どうされまし…た……」

フェンと格闘していると、朝風呂を浴びていたアカツキが部屋に入ってくる。
アカツキの目が潤み始め、ツカサとフェンがギクリとした顔になる。

「ツカサ様…私はもう必要ない…ですか?」
「「違う違う違う!!」」

部屋から出て行こうとするアカツキをフェンと2人で止める。
(なんでこんな事になってるんだ…)



「そういう事だったんですね」

アカツキをなんとか引き留めた俺達はアカツキに事情を説明し、無事納得してもらえた。

「フェン、文句を言ってはダメですよ」
「……分かった」

フェンとの格闘も無事終結。ツカサは既に物作りに集中している。

「…ところで、何作ってんだ?」
「それは私も気になってました」

2人はツカサが作っているものに興味津々だ。ツカサは作業の手を止めず、2人の質問に答える。

「これはな、この前に戦った騎士の鎧を改造してるんだよ。色々と面白い発見をしてな」
「「面白い発見?」」

ツカサはフェン達に説明する。
ツカサはあの騎士達が魔物ではなく、魔物に限りなく近い"魔道具,,であると気付いたのだ。そして、その機構がまだ生きていたのである。

「最初はあの鎧を1から魔道具に加工して動く鎧にしようとおもってたんだがな、この技術を応用してかなり高性能な人口知能が作れるようになったんだよ」
「ほえー…」

要するに、元から高性能なAIが入ってたからそこに少し手を加えてさらに性能を良くしたという事だ。

「あと、コイツにはこれを使おうと思ってる」

ツカサが小さな石を自らの顔の前まで持ってくる。黒く、蒼い光を発する石。

「これは…ひょっとして…」
「ああ、フェンの魔石を削り取った物だ」
「は!?」

フェンは焦って自分の体をまさぐり始めた。
それをアカツキとツカサはおかしそうに笑う。

「お前自身のじゃない。お前がドラゴンになってた時の死体から取り出した魔石だ」
「なんだよ…よかった…」

フェンは心底ホットしたような顔をしてため息をつく。
そもそもお前に魔石は無いだろ。

「ツカサ様、それは何に使うんですか?」
「ああ、ウロボロスの魔眼を解析できてな。少し力は落ちるが、《血印付呪》で時間操作の能力を付与できるようになった」
「ってことは…」

ツカサを言っていることが理解出来たフェンとアカツキは驚きの表情を浮かべる。

「時間を操れる騎士を製作中という事だな」
「すげぇ…」「なんか…凄いですね」

2人の語彙力が凄い事になっている。
まあ、時間を操れるなんて凄まじい能力だからな。

「ちなみに魔力の消費効率とかは俺の方が上だが、この騎士の方が時間操作を使いこなせるだろうな」
「何故ですか?」
「時間操作耐性をほぼ無敵なレベルでコイツには付ける。ウロボロスの魔眼自体に込められた魔力をかなり使うが、解析してなくても大元の時間操作が分かってれば無理矢理付与することは可能だからな」

時間操作耐性を付けるということは、時間を止めても自分だけは動く事ができるという事だ。この能力は時間操作を使う上で必須と言えるだろう。

そして解析して分かったのだが、ウロボロスの魔眼は消費スキルだ。
魔眼に込められていた魔力が尽きれば力は使い物にならないのである。

「ウロボロスの魔力はもうあまり無い。だから、残りの魔力は俺とフェン、アカツキに使って少し残った魔力は置いておこうと思う」
「具体的にはどのように使うのですか?」

どんどん騎士の外装が完成されていくのを眺めながらアカツキが聞いてきた。

「アクセサリーに付与してお前達に渡そうと思ってる。アクセサリー自体は作ってあるんだ」

ツカサはパンドラから3つのネックレスを取り出す。整形された、フェンの魔石の欠片が装飾されたネックレス。
フェンとアカツキはそれをまじまじと見つめている。

「お気に召すといいんだがな。騎士に使う魔力はもう計算済みだからネックレスに付与して渡せるぞ」
「気に入った、付与してくれ!」
「はいよ」

フェンのネックレスに血印を描き、ウロボロスの魔力を流して完成させる。
フェンは嬉しそうに早速自分の首にネックレスをかける。

「似合うか?」
「おう、似合うぞ」

フェンは嬉しそうな顔で鼻歌を歌いながら住処(自分の部屋)へと帰っていく。
アイツ…ダンジョンの事だけじゃなくて騎士のことも忘れてるな。

「ツカサ様…」
「ん?」

アカツキがツカサの服の袖をギュッと掴む。

「私は後でもいい…ですか?」
「…ふむ」

アカツキの顔を見てすぐに察する。
乙女の顔だ。後で夜景が綺麗な所で渡そう。

「分かった。楽しみにしておけ」
「…っ!はい!」

アカツキが嬉しそうな表情を浮かべる。
これで合ってるはずである。

「さて、仕上げに入るか」

ツカサは騎士製作の仕上げに入る。
核となる魔石に《血印付呪》をし、細部の装飾を行い、ようやく1体目が完成する。

「ふぅ…これで1体。あと4体だな…アカツキ、暇ならフェン連れてぶらついて来ても大丈夫だぞ」

アカツキは、もう人に慣れているように見えるが実際の所、完全に慣れているとは言えない。

(1人で街を出歩けないからな…)

だが、アカツキも着実に人に慣れてきている。フェンと一緒なら怖がることも無くなった。

(ナンパされてもフェンなら男をお星様にしてくれるからな!)

フェンなら任せられる。

「いえ、大丈夫ですよ。ツカサ様の顔を見ているだけで楽しいです」
「…そうかい」

アカツキと軽いキスをしてツカサは作業に没頭する。
その後は特に会話も無く、2時間程で騎士達は完成した。

「よし…アカツキ!フェンを呼んできてくれ」
「はい」

アカツキが立ち上がり、部屋を立ち去る。

「いや〜壮観だな」

2人部屋の3割を占領する5体の騎士、その姿はフクロウのように翼によって包み込まれ、隠れている。

「…狭いな。1体だけなら余裕があるか」

4体をパンドラに仕舞おうとしていると、アカツキがフェンを連れてきた。

「おお!それが完成した騎士か!」
「ああ。剣、槍、槌、弓、杖。それぞれの武器を持った騎士だ。ここは狭いから、今回は剣の奴だけ紹介する」

ツカサは4体を仕舞い、剣の騎士に命令する。

「起動せよ」

騎士はガシャリと音を立て、翼を広げる。
そこに現れたのは銀鎧の騎士。
見た目はシンプル。十字のブレスがヘルムに走り、右肩を隠すように掛かった白のマント、左肩には縦長のカイトシールドのような装甲が伸びている。腰には白のスカートが左側に掛かり、背中には鷲のような形状の銀の翼が生えている。今は背中に畳んでいるようだ。
武器は右手に持つ曲剣のみ。蒼く透明で薄らと光る刃は鋭さと共に、神聖な雰囲気を纏っている。

全体的にスマートに仕上がっており、かなり自信作である。

「かっけぇ!!」
「これは…私も鎧にハマりそうですね…」
「だろう?」

鎧とはロマンだ。
カッコイイは正義である。

「コイツらは自己満足で作ったから使うかは未定だが…家を買ったら警護してもらおうと思ってる」
「豪華な護衛だな…」

確かに。まあ、自宅を荒らされる訳にはいかんし…

「そういやよ」
「ん?」
「名前は付けたのか?」

……そうだった、忘れてた。

「…どうしようかな」
「考えてなかったのかよ」

フェンが呆れたような表情になる。
まあ、忘れていたものは仕方ない。

「ツカサ様。いい案が!」
「…………一応聞く」
「ツカサ様護…「どんな名前にしようかなー」うぅ…」

少しでも期待した俺が馬鹿だった。

「うーん…"ナイツ オブ クロノス,,とかどうだ?」
「ふむ…?」

フェンが顎に手を当てながら名前を挙げる。
まんまだが、いい名前だ。

「フェン、それで採用だ」
「よっしゃ!」

フェンはなかなか名付けのセンスがいいようだ。

「今日からお前達は"ナイツ オブ クロノス,,だ。リーダー君よろしく頼むぞ」

ツカサは剣の騎士の頭をコンッと叩き、パンドラに仕舞った。
すると、フェンが突然立ち上がる。

「よし!んじゃ、街に出かけるか!この前、見つけた気になる店があるんだよ」
「どうせ飯屋だろう?」
「おう!昼飯だ!行こうぜ」

昼飯にはまだ少し早いが、食べられない事は無い。ツカサはアカツキの方へ振り返る。

「アカツキは腹減ったか?」
「ふふっ…はい!食べに行きましょう」
「よし来た!」

3人で料理街へ向かう。
その間の話題は主にダンジョンの話であった。

























「なあ」
「ん?」「どうした?」
「嬉しそうな顔ですね」
「なんかあったんか?」

「……実は…俺がリーダーらしいぜ!」

「「「「は!?」」」」
「「「「…………」」」」

「「「「嘘は良くないぞ」」」」
「嘘じゃねぇ!」

「いやいや、お前がリーダーとかありえないっしょwww」
「「「そうそう」」」
「お前ら会って十数分だろ…ほぼ初対面じゃねぇか!俺の何を知ってるってんだよ!」
「全てだ」
「怖っ!?」
「好きな食べ物?」
「教えた事無いわ!」
「ねえねえ好きなタイプは?」
「中学生かよ!!…清楚で黒髪の子だよ」
「や〜い○貞セレクト〜」
「殺す」


「チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • 真砂土

    可哀そ۳(´◉ω◉`)ブフォwww!?

    1
  • 颯爽

    リーダー多難……

    1
  • ペンギン

    最後の会話笑えるwwww

    1
コメントを書く