チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

大聖堂

「やっと"羅生門,,に入れるのか…!くぅぅ〜!!絶対攻略してやるぜ!!」
「ヤル気満々ですね…」

フェンは肩を回してヤル気満々。ツカサとアカツキはそれを見て苦笑していた。
現在、"羅生門,,の正面まで来ている。

"羅生門,,

そこは世界屈指の高難易度ダンジョンだ。
迷宮街ラビス近郊の山頂にあり、吹雪の中にポツンと存在している。
巨大な聖堂を巨大な門と外壁が囲うような見た目をしており、とても風格があって如何にも高難易度ダンジョンといった感じである。

「この門を開いた先の地上が1階層だったか?」
「ああ、そうだ」
「この辺りは空気中の魔力が濃いですね…もしかすると以前のフウの街より濃いかもしれないです」

ツカサ達はそんな雑談をしながら"羅生門,,の門を開き、内部へ入る。
すると視界に入って来たのは、吹雪の中に聳える大聖堂と、大聖堂に背を向けて仁王立ちしている鬼。

「なんだ?アイツ…」
「門番みてぇなもんか?」
「それっぽいですね」

ツカサ達が鬼を見つめていると、鬼が突然その手に持った金棒を肩に担いて腰を落とす。
いかにも臨戦態勢といった姿勢だ。

『グルルルゥオオオオオォォォォォォ!!!』

鬼が咆哮を上げて突撃して来る。
敵確定だ。

「私にやらせろ!」

フェンがツカサ達と鬼の間に立つ。
そして、鬼の金棒が振り下ろされた瞬間…

『グオオオオオ!!!!』
「ドルァアアアア!!!!」

────金棒は砕け散り、フェンの大剣によって鬼が真っ二つになった。

「弱えな。折角大剣持って来たってのに…」
「そうだな。あと、持ってたのは俺だぞ」

そう、今日のフェンは自分の武器を持って来ている。それをツカサがパンドラに入れて(入れさせられて)いたのだ。
無骨な鉄が鈍い光を放つ鉄の塊のような1.7mほどの大剣。それをフェンは片手で素振りしている。

(普通、女性が片手で鉄の塊振ってたらホラーだよな)

しかし、それが不思議な事にフェンだと違和感を全く感じない。
そこそこの付き合いだからというのもあるだろうが、フェンから出ている雰囲気とマッチしているのだ。

「おーい!ツカサ!早く先に行こうぜ!」
「ん?ああ、悪い」

フェンは知らない間に大聖堂の扉前まで進んでいた。

「今行くよ!」

ツカサは思考を切り上げ、アカツキと共にフェンの元へ向かう。
それにしても寒い。
吹雪の中なので当たり前だが、とにかく寒い。
そんな事を考えていると、アカツキが突然ピットリと腕に抱きついてきた。

「ん?どうした?」
「ツカサ様が寒いと思いまして…」

ウチのキツネ様は心を読めるようだ。
ご褒美に撫でてやる。

「ん…クゥ♪」
「ヨシヨシ」

(あ^〜ポカポカなんじゃ〜)

アカツキのサラサラモコモコな毛の触り心地とアカツキの体温が心地いい。
アカツキカイロ…最高だ。

「またイチャイチャしてやがる…雪解けんじゃねぇか…?」

フェンが小声で何か言ってる気がするが、気のせいだろう。
ツカサはアカツキカイロを楽しみつつ、フェンの元へ向かう。

「確か、この先だな?敵が本格的に出てくるのは!」

フェンの元へ到着すると、フェンは待ってましたと言わんばかりに興奮した表情になっている。
ツカサは名残惜しいがアカツキと離れる。

「そうらしい。注意しろよ」
「あいよ」

フェンが堂々と大聖堂の扉を開く。
すると、最初に目に入ったのは巨大なステンドグラス。
その足元は少し床が高くなっており、金で塗装され宝石で彩られた演説台のようなものとグランドピアノが置かれている。
ガラス張りの天井はとてつもなく高く、そこからは少しだけではあるが光が差し込んでいる。
大理石の床の上には大量に椅子が置かれ、燭台のロウソクの火が仄かな赤色に照らす。
全体的な色合いは白が基調となっていて、金と赤が純潔の白を装飾している。

まさに<見事>の二文字が似合う素晴らしい聖堂だ。
だが、とある存在がステンドグラスの足元にいた。
純白のフルプレートアーマーを着込み、槍と大盾を携えた騎士。
それら全てが光に祝福された武具である事がひと目でわかる。
そんな鎧が50体並び、まるで1つの絵画のような光景だが、明らかに敵である。何故ならば…


No name

年齢:?

種族:サンクチュアリ・ナイト

Lv.78
評価ランクS
生命力:33098 魔力:12506
攻撃力11480 防御力:23501

スキル:鉄壁Lv.5、槍術Lv.6、盾術Lv.5、殺気Lv.2、聖撃Lv.5

称号:大聖堂を護りし者



「うわぁ…」

ツカサはそのステータスと鎧の数に思わず引いてしまう。

(明らかに過剰戦力だろ…この世界なら10体いれば世界征服も夢じゃないぞ…)

ツカサに関してはその10体どころか50体を一度に相手取っても無傷で勝てるステータスなので、その理論でいけばツカサ自身も世界征服は容易という事なのだがそれは言わないお約束である。

(ま、世界征服なんてする気無いし…そもそも、この世界の全てを知ったわけじゃない。どんなに強い奴がいるかも分からないんだから決めつけるのは良くないな)

どんな状況でも最悪は想定すべきである。

「ツカサ…奴らは敵か?」
「恐らくな」

こうしている間も鎧はピクリとも動かない。
きっと一定範囲内まで進まないと攻撃して来ないタイプだろう。

「フェン、アカツキ。行くぞ」
「はい」「はいよ」

ツカサ達は騎士達へと歩き出す。
1歩、また1歩と。
そして突然、



戦いの火蓋は、切って落とされた。

「チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く