チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

茶番劇

目を覚ますと、目の前にアカツキのべっぴんさんな顔。可愛いので撫でる。
なでなで。
撫でるのも程々にして起き上がる。


「ふぇあぁ…」

いい朝だ。
ウチのキツネ様はまだ起きなさそうである。

さて、昨日ギルドを出てからの事だが…

「鹿の一休み」に帰ってくると、部屋を取っておいてくれたらしく、俺達は昨日と同じ部屋に泊まる事となった。
その後、姿を戻して今度はちゃんと風呂に入ってから愛し合い、就寝した。

(いやはや、ごちそうさまです)

美味しゅうございました。
さて、一昨日も昨日もブラッシング出来なかったのだ。今日こそしてやろう。


「んん…キュゥ?」
「おっ!おはようアカツキ」

アカツキが起きたようだ。


「おはようございます…ツカサしゃま…ん…」
「はいよ…んっ…」

おはようのキスだ。
アカツキは朝が弱くて甘えん坊さんである。
俺も嬉しいが、朝はマイサンがマイサンしてるのであまり激しいキスはしない。
唇だけだ。


「さて、部屋を出発する前にブラッシングだ。こっちおいで」
「…?はい」

寝ぼけ目のアカツキがツカサの元へと這ってくる。たわわな果実が揺れて非常に眼福だ。

「お願いします」
「はいよ。よし行くぞ〜」

アカツキの体にブラシを通していく。

「♪♪♪」

どうやらアカツキはブラッシングが気に入ったようだ。アカツキは毛が長いのでブラッシングのしがいがある。
懐かしいな〜日本にいた頃はよく飼ってた長毛種の犬をブラッシングしてたもんだ。
アカツキも気持ち良さそうで良かった。


ブラッシングを終え、外出の準備をしてアカツキと共に部屋の外に出る。食堂からいい匂いがしてきた。
(目玉焼きかな?楽しみだな)
俺達は食堂へ向かった。



朝ごはんは目玉焼きだった。
目玉焼きでどうやったらあれだけ美味しく作れるのだろう。
流石カリーさんである。なお、今日も変わらずカリーさんは厨房で俺達をずっと見てきていた。
食べにくい…


朝ごはんを食べ、ナタリちゃんが弁当をくれたので有難く受け取ってギルドに向かう。
すると、もう向こうさんは準備万端のようだ。


「よう!よく寝れたか!?ビビって寝れなかったとしても手なんか抜いてやらねぇぞ?」


はいはい、無視する。
ミシェアさんの受付に行って昨日頼んだ訓練所の件について聞く。


「おいゴルァ!?無視してんじゃねぇ!」
「あの、訓練所の件どうなりました?」

ミシェアさんは苦笑いをしつつ答える。


「はい、今日の12時なら1時間ほど空いてるそうです」
「分かりました。それでお願いします」


俺はおバカさん達に振り返り、バカでもわかるように時間を教えてあげる。

「12時かららしいぞ?手続きしといたから」
「あ?お、おう。ありがとよ」
「んじゃ〜」
「ああ。……ん?…オイゴラ!!待てやボケェ!」



俺達はギルドから退散した。
12時まで自由時間だ。それまで俺はアカツキと楽しい時間を満喫するのだ!
アカツキとデートである。

(そういやアカツキとアレやったけど、まだデートした事ねぇな…)

順番逆である。まぁ、そんな事もあるだろう。
とりあえずは、デートの事を考えよう。


「サカツキ様!これとかどうですか?」
「うん、似合ってるよ。赤い宝石が君の髪の色に合ってて綺麗だ」
「えへへ…」

アカツキはデートができて、もう表情崩れっぱなし。デレッデレだ。
俺達は恋人繋ぎで屋台やお店を見て回り、アカツキにアクセサリーを買ってあげたり、買い食いしたり、噴水の近くで休憩したりと平和で幸せなデートで12時まで時間を潰した。


そして…茶番の時間だ。
訓練所に行くと、もう既におバカ5人組がおり、模擬戦を見に来た観客の冒険者もチラホラいる。


「今更泣いて謝っても許さねぇからな!」
「そうだそうだ!」
「すぐ泣かせてやるよ!」
「後悔しても知らねぇからな!」
「リア充コロス!」

最後の奴怖っ。
まぁいいか。俺は不敵な笑みを浮かべながら審判であろう人に近付いて挨拶する。


「審判の方ですよね?よろしくお願いします」
「おうよ、頑張りな」


そして、ようやく俺とおバカ5人組が向き合う。
相手は素人冒険者5人、全員完全武装。
対して俺は私服に武器なし。
完全に舐めている。


「テメェ…よくそんな格好で来れたもんだなぁ?ゴラァ…」
「いいから始めようぜ。午後もアカツキとデートしたいんだ」
「チッ…審判!!始めろ!」


審判の人が鐘を持って前に出てきた。

「これより、模擬戦を始める!パーティーFREE、サカツキ。パーティーMTT5、モウル・ティラ・タイス・イサルナ・ゴエル。準備はいいか?」
「ああ」
「「「「「おう!」」」」」

「よーい…始め!」


審判の人が鐘を鳴らしたと同時に後ろへ下がり、おバカさん達が突っ込んでくる。
(うわぁ…おせぇ…)
ツカサはさっさと終わらせたいので、来た奴から倒そうと決める。


「ぐぇあ!?」
「まず1つ」
1番左の奴のみぞおちに手加減して拳を入れる。

「ぶあぅ!?」
「2つ」
次に金髪でチャラチャラした男、顔面に拳を入れて黙らせる。


「ほべぇ!」「ほがぁ!?」
「4つ」
3人目の出っ歯の顔面を掴み、4人目の顔面に激突させて意識を飛ばす。


「あ、あれ?」
「後はお前だけだ」

俺はリーダー格っぽい奴に歩み寄る。
呆然とした表情が焦りに変わり、あたふたする。

「ぐぇ!?」

俺はそんな馬鹿丸出しの表情に蹴りを入れて戦いを終わらせた。

「そこまで!勝者、サカツキ!」

瞬間、観客の冒険者達から歓声と拍手が起こる。

「ふぅ…終わった終わった…お?」

観客席のアカツキが手を振って来ている。
ツカサはそれに手を振って返し、おバカさん達に向き直る。


「おい、おバカさん達」
「な、何だと!?」
「馬鹿に馬鹿と言って何が悪い。とりあえず、お前らには金を要求しよう」
「は!?」

おバカさん達は慌てふためく。

「い、いくら払えばいいってんだ?」
「10万アルナ」
「何だって!?馬鹿げてる!!」

おバカさんが怒りを露わにして叫ぶ。

「え?お前らが昇進すればいい話だろう?上級の冒険者になれば10万アルナは頑張れば稼げる」
「いや、そんな簡単に…はっ!」

おバカさん達のリーダー君がニヤニヤした顔で語りかけてくる。


「お前、アカツキちゃんをかけた勝負で金を要求するって事は…アカツキちゃんを…仲間を金で売ったって事じゃねぇのか!?」
「ふむ…」

往生際の悪い。


「冒険者は人付き合いも大事な仕事だ!そんな話が広まればお前は一生銅のままだぜ!それでもいいのかよ!」
「……」


俺は考えるまでもなく、ただ答えた。


「いいよ」
「へっ?」
「だから、いいよっつったんだよ」
「え、え?ど、どういう…」
「はぁ…あのなぁ。俺は別に冒険者になりたくてなってるわけじゃない。金稼ぐのが楽な仕事だからやってるだけだ」
「へ?え?」
「俺は隣にアカツキがいればそれでいい」
「え?で、でも!アカツキちゃんを賭けた5対1の勝負をお前は簡単に受けて…」



とんだおバカさんだ。
全く何一つとして分かっていない。


「ハァ…あのなぁ…俺はあくまでもお前らのパーティーにアカツキを譲るという話をしただけであって別にアカツキがその後どうするかなんざお前らが縛る権利は無いだろう。
パーティーメンバーになれば恋人になるわけでもあるまいし…」

「だ、だが!お前にアカツキ縛る権利だって無いはずだ!おま…」

俺はおバカさんの言葉を遮り、否定する。

「あるさ。言ったろう?アカツキは…『俺の女』だと」
「なっ!?」




「アカツキは俺のだ。体から心まで1つ残らずアカツキの全ては俺のだ。他の誰にも渡しはしないし、アカツキだって誰にも渡しはしない」
「心を、体を、縛り付けてるわけじゃない。俺に、捧げてるんだ」
「たとえ俺が負けたとしても、お前らのパーティーに入った0.1秒後に抜けて俺の所に戻ってくる」

「そ、そんな確証がどこに…」
「何言ってんだ?」
「は?」


おバカさんの顔が呆けたような表情になる。
こいつずっと口開けてんな。

「アカツキは俺の女なんだ。所有権ってのはそういうもんだろ」
「…はは…言ってる意味がわからな…「つまり」

「俺は負けたとしてもアカツキが一時的にお前らのパーティーに移動するだけで、アカツキは戻ってきて尚且つ俺が勝てば何かを要求できる立場だった訳だ」


「それに、お前ら気付いてたか?パーティーは5人までだ。6人以上入るにはクランを作る必要がある。お前らどうせ1000アルナなんて持ってないだろ。どうするつもりだったんだ?」

「あ…」

「はぁ…だから、お前らは馬鹿なんだ」
「10万アルナの支払い、楽しみにしてるぞ。アカツキ!」
「はい!」

アカツキを呼んで2人で訓練所から退散する。
そして、審判と観客の冒険者もいなくなり…
訓練所に残されたのは、膝立ちで呆然とする馬鹿な冒険者とその冒険者の仲間達だけだった。


その後、俺達はミシェアさんの所へ向かい、本当の勝利報酬の話をする。


「ミシェアさん」
「分かってますよ。あの5人組の全冒険者ギルドへの出入り禁止とギルドカードの無効化ですね!サカツキさんが勝ってすぐ手続きしたのでもう終わってますよ」
「ありがとうございます。ミシェアさん」

そう、10万アルナなんて請求する気は無い。
俺は別に金を稼ごうと思えばいくらでも稼げるし、アイツらから巻き上げるほど金に困ってるわけでもない。
なので、アイツらのギルドカード取り消しとギルドへの出禁をお願いしたのだ。


「いや〜それにしても…」
「ん?」
「かっこよかったですよ、サカツキさん!アカツキは俺の女だ。って!キャー!!あんな事言われたら私だったら惚れ直しちゃいます!」

ツカサは気恥しくなり、頭を掻いてそっぽを向く。
すると、アカツキまで攻撃してきた。


「かっこよかったですよ、サカツキ様。今夜はいっぱいシましょうね♪」

最後のは小声でしたがしっかり聞こえました。
いただきます。


「はいよ。さて、アカツキ。デートの続きだ」
「はいっ!」

俺はアカツキと恋人繋ぎで手を繋ぎ、ギルドを出た。



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コメント

  • solbird

    ノベルバユーザー256411さん
    ギルド出禁と剥奪はあくまでも決闘の報酬としてツカサが提示したものなのでギルドの規則違反とかではないんですよね。
    ツカサが勝利報酬を言わないのも相手は了承していますし、雑魚でマナーの悪い冒険者が5人減った所でギルドも大してダメージは受けないだろうという事でこんな感じにしました。

    臭いのはご愛嬌。

    1
  • ノベルバユーザー256411

    さすがにこれは臭い
    そもそもこの程度でギルド出禁と剥奪はギルド側の対応としてやべーだろ。

    1
  • 真砂土

    1
  • ノベルバユーザー209675

    2
  • 今日のワンコ

    アカツキカワイイ
    ただしツカサ、てめぇはダメだ

    3
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