チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

甘美な夜は宿の一室で

「手続きは終了だ。ようこそ!駆け出し冒険者の街へ!」

門番さんと仲良くなった俺とアカツキは門をくぐって街に入る。
その先にあったのは…

「すごい…」
「話には聞いてたが…すごいな」

道に沿って並ぶいくつもの屋台と鍛冶屋から聞こえる金属を打ち鳴らす音、そして人の波である。
レンガ造りの建物が多く建ち並んでおり、まさに異世界!という感じであるが、ツカサが驚いたのはそこではなく、想像以上の人の多さとそのほとんどが冒険者のような服装である事だ。
今は大体18時。暗くなり始め、日帰りの仕事を受けた冒険者が帰ってくる時間帯だ。
薄暗い空の足元を屋台や飲食店などの光が照らし、お祭りのような雰囲気だ。

「ここまで活気のある場所だとは思わなかったな」
「そうですね。とても人がいますし…迷子になったら大変そうです」

アカツキが楽しそうな表情でツカサを見つめる。しかし、その瞳の奥は揺れていた。

(アカツキ…そんな不安そうな目をするな。本当は怖くて仕方ないだろうに)

アカツキは人間によってさんざん虐げられ、挙句の果てには想像を絶するほど長い間、暗闇で封印されていたのだ。
人間が怖くて当然だ。
だが、怯えていては何も変わらないと我慢しているのだろう。
今すぐ抱きしめてあげたいが、それは我慢して手を繋ぐ。

「こうすればはぐれないだろう?」
「…はい」

アカツキが安心したような顔になる。
アカツキは何だかんだで物事に慣れるのが早い。すぐ人に慣れて1人でも街に出られるようになるだろう。

アカツキと手を繋いだまま歩いていると、街の人々から妙な視線を向けられるのが多い事に気が付いた。
すれ違った男が勢いよく振り返ったり、屋台に並ぶ男がこちらをボーっと見てきたりと様々だ。
だが、その誰も彼もが俺を見た途端睨みやがるのである。

(…あぁそうか!アカツキだ!)

ウチのアカツキの美貌は世界レベルだ。
確かに獣人であり、興味の無い人間はあまり気付かないかもしれないが、興味のある人間であれば釘付けになってしまうだろう。
そして、そのアカツキの胸、顔、足に見とれていると手の先に俺という異物が混入。
不機嫌になったという事だろう。

(なんという理不尽だ…)

だが仕方ない。男とはそういう生き物なのだ。

「とりあえず、宿取ろうか。」
「はい!」

ウチのカワイコさんは男共の視線に気付いておらず、俺と手を繋げて御満悦のようだ。
だんだん人に慣れてきている。早い。流石はニュータイプ。
少しアカツキとの距離を縮め、はぐれないように、あるいは見せつけるかのようにアカツキとブラシを選んで買ったりしながら宿を探した。


〜数十分後〜

良さ気な宿を見つけた。
「鹿の一休み」という宿だ。
木造で、少なくとも外観は綺麗である。
表に置いてあった木の板に書いてある値段は良心的で、1泊50アルナ(日本の500円)だ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて、ここで少しこの世界についてお勉強タイムである。この世界のお金はアルナと言い、貨幣は価値が低いものから銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、黒金貨、白金貨だ。
これらの価値は以下のようになっている。
1銅貨(10円)1アルナ
1大銅貨(100円)10アルナ
1銀貨(1000円)100アルナ
1大銀貨(5000円)500アルナ
1金貨(1万円)1000アルナ
1大金貨(10万円)1万アルナ
1黒金貨(100万円)10万アルナ
1白金貨(1億円)1000万アルナ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

扉を開けて中に入る。
中も結構綺麗だ。これはアタリかもしれない。
受付にいた綺麗な女性に話しかける。

「すいません、1泊取りたいんですが」
「いらっしゃいませ。お部屋はどうされますか?2人部屋ですか?1人部屋ですか?」
「2人部屋d「2人部屋ですね。かしこまりました」

おい、全部言わせろや。
まあそりゃあ男と女が手を繋いで宿を取りに来たら恋人だろうし2人部屋取るだろうけども。
すると、奥の方からテトテトと受付にいた女性によく似た13歳くらいの女の子が走って来た。

「おね……あれ?お客さん?」
「ちょうどよかった。ナタリ、この方々を29号室に案内して。」
「分かったお姉ちゃん!それじゃあ付いてきて!」

(娘さんだろうか。ウンウン、よく似て…ん?お姉ちゃん?)

「ナタリちゃん。受付にいたあの人は?」
「私のお姉ちゃんだよ!ごめんね。お姉ちゃん中々相手が見つからなくて今まで恋人いた事無いんだ。だから…」
「分かった!それ以上は言わなくていい!」

これ以上言わせるとあの受付の女性が可哀想だ。


「ところで、お客さんの名前は?」
「ん?俺はサカツキだよ。こっちは…」
「アカツキです。ナタリちゃんよろしくね」
「サカツキさんとアカツキさんだね!うん、覚えた!これからよろしくね!」

ナタリちゃんの笑顔が眩しい。


「…着いた!ここが29号室だよ!」
「ありがとう」
「これが鍵ね!ご飯は明日の朝ごはんとお昼ご飯の2回だよ!それじゃあごゆっくり〜」

ナタリちゃんが走り去って行く。
元気いっぱいだ。若さっていいね。


「とりあえず部屋入るか」
「そうですね」

鍵を開けて部屋に入る。


(思ったより部屋が広い。綺麗だし、これは予想以上にアタリだな〜)

そんな事を考えながらアカツキと自分の姿を元に戻すと、後ろから衝撃。
アカツキ様に押し倒されてしまった。


「ツカサ様…」
「アカツ…んむっ!?」

アカツキがキスしてきた。
唇と唇が重なり、お互いに抱き合う。
そして、いつしか舌を絡め合うキスになり、お互いを激しく求め合い始める。


「んう…プハァ…ハァ、ハァ…」
「ハァ、ハァ…」

十数分ほど息苦しくなったら口を離し、またキスをする…というのを繰り返し、ようやく顔が離れる。
ツカサはアカツキをお姫様抱っこで抱え上げ、今度は逆にツカサが押し倒した体勢になってまたキスをする。


「いいのか?」
「はい、私はあなたのもの。あなた色に染めてください。私を、貴方の形に、変えてください」

俺はアカツキと体を重ね、眠れない夜を過ごした。




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コメント

  • 真砂土

    なんだろう…この人達の反応を見てると…俺がおかしく見えてくる…

    1
  • 野良民

    アルナがア○ルに見えてしまったんだが

    4
  • どんかつ。

    もう...
    好き!

    4
  • 勝長

    やりますねぇ!

    3
  • solbird

    ノベルバユーザー227246さん

    ヤりました

    2
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