チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

旅立ち

「っていうか俺また転生するの?」

1番気になっていたことを聞いてみる。

「む…そうか。お主、災厄になった後の記憶がないのであったな。お主は世界が死ぬ寸前にスキルによって自ら転生を行ったぞ」

(そんな事が出来たのか…)

少し驚いたが、それは内心だけに留める。


「どんな世界なんだ?」
「あまり驚かないのだな」


エデンの表情が少し動き、意外そうな顔をする。


「慣れてるし…な?」
「まぁ…そうか」

お相手様も納得したようだ。


「では、説明を続けるぞ。お主が転生する先の世界の名は『アルジュナ』。悪意だけではなく、善意も持っていた魔神の魂を転生させる為に作られた世界だ。ちなみに、普通の人間や亜人、魔物もいるぞ。魔神の生まれ変わりがおること以外、お主がいた世界と大して変わらんな」
「あとは、転生させる魔神の魂は記憶を消して送り込んである。条件を満たすと力も蘇るようにな。お主が転生する体が王家なのか、村人なのかは分からぬが、転生であるが故にレベルはリセットされ、種族も変わるだろう、だが。レベルがリセットされたとしても魂は同じだ。必ず役に立つだろう」

「何か質問はあるか?」

エデンが問いかけてきたので、ツカサは質問を投げかける。

「俺も記憶が消えるのか?」

やはり仲間と旅をした思い出は捨て難いし、何より今まで生きてきた記憶が消えるというのは死ぬのと同じである。
そのため少し不安になった。だが、その心配はいらないようである。


「記憶か…お主は自身の力で転生したであろう?そうなると、記憶を転生のスキルで弄れなくなるのだ…」
「お主がもっと弱ければ弄る事も出来たのだが…まぁお主の場合、成り行きで魔神になったようなものなのだし、記憶を弄らなくとも大丈夫であろう」
「よかった…」

ツカサはホッと胸を撫でおろす。
レベルはまた上げればいいし、種族が変わっても構わない。竜の体は不便だった為ほとんどの時間を鎧の姿で過ごしていたのだが、それでも不便だったのだ。

(次は人型がいいなぁ…)

ツカサは次の種族が人型である事を願って世界蛇に向かってお祈りをする。

「何をしているのだ…お主は…」
「お祈り」
「我に祈っても変わらんぞ。もう転生先は決まっておるのだから…「チッ…」…おい!お主、今舌打ちしただろう!」

(うん、ノリがいい)

蛇足であるが、ツカサは爬虫類が好きである。
エデンと会話して慣れ始めた頃には可愛いと思っていたが、今はなお可愛い。…声は男だが。

「ハァ…」
「勝手にがっかりだよ…みたいな視線を向けられても困るんだが!?」

エデンに向かってジト目を向けるとツッコミが飛んでくる。
やめられない止まらない。
だが、そろそろ自重しよう。これ以上遊ぶのは可哀想だ。

「さて、そろそろ時間だ。何か他に聞きたい事はあるか?」
「…また会って話したりできるか?」

エデンは不思議そうに首を傾げる。

「む?何故だ?」
「え?なんでって…友達だろ?エデンと話すの楽しいし」
「…そうか」

エデンは何処と無く嬉しそうな表情をしてこう言った。

「ならば、我が加護を与えよう。神から見捨てられ、世界に希望を押し付けられ、世界を殺した我が友よ。次こそマトモに生きられるよう祈っている…また会おう」

ツカサの体が光の珠となり、だんだん消えていく。
本当にお別れなのだろう。

「おう!約束だ!じゃあな!」

ツカサは満面の笑みで別れを告げ、自身の未来に思いを馳せながら、泡沫のように消えていった。



《称号:世界蛇の加護を取得しました》






「…友が出来たのは何億年ぶり…いや何兆年ぶりか?まぁどうでもいいか。友が出来たのは久しぶりだ」

エデンは目を瞑って先程旅立った友との会話を噛み締める。

(友とはいいものだ)

自分にはもう友などできないと思っていたが、勘違いだったようだ。

「ついつい嬉しくなって加護も与えてしまった」

『世界蛇の加護』は持つ者同士が惹かれ合う力。
きっとそう遠くない内にまた会うことができるだろう。

「さて、友との約束を果たす為だ」


『妾』も一肌脱ぐとするか。

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