チートで勇者な魔神様!〜世界殺しの魔神ライフ〜

solbird

世界蛇

《特定の条件を満たしたためステータスを強化および、進化します》




目を覚ますと、青空の下に広がる水面の上に倒れていた。

「ここ…どこだ?」

水面に触れると波紋が広がるが、全く沈まない。浮いているというより、その場に置かれている感覚だ。
どうやら、本物の水というわけではなさそうである。

「んー…災厄とかいうのに進化したとこまでは覚えてるんだが…ダメだ。それからどうなったんだ?」

とりあえず、起き上がってみる。
やはり、立てる。

「不思議な感覚だな〜」

空には果てしなく広がる蒼天と雲が浮かび、太陽が輝く。水面?が太陽の光を反射し、キラキラと輝いていた。
その幻想的な空間に心が落ち着く。
今まで怒涛の日々だったのだ。少しくらい休んだってバチは当たらないだろう。

「というわけで…おやすみー」

俺は水面?に大の字に寝転がり、そのまま意識を落とした。


〜数時間後〜

「ん…ふあぁあ…よく寝た〜」

どこまでも広がる蒼い空の下で欠伸をしながら背伸びする。
ここまでのびのびと何も気にせずのんびりしたのはいつぶりだろう。
もしかすると、転生する前…日本にいた頃の休日以来ではなかろうか。

(……いや、旅してる時も結構寝てたな。
いやまぁ、魔物が襲いかかって来るかもしれませんし?ちょっとは警戒してましたよ?ええ、してましたとも)

正直この言い訳は苦しい。
何故なら魔王討伐を始める前の旅をしてた頃、ツカサが寝てる間に魔物の群れに襲われて仲間に叩き起こされた事があるからだ。

(まぁ、今となってはどうでもいいか。今は今だ。とりあえず、適当に歩き続けてみよう)

休ませていた腰に喝を入れ、立ち上がって何も無い水面?の上を歩き出す。

(本当に何も無いな〜)

正直暇だ。
蒼い空、白い雲、輝く太陽、立てる水面。
これだけである。

(何も考えない方がいいか)

とりあえず、何も考えずに歩き続ける事にした。暇つぶしを何も考えずにこなすのは得意である。
看板持ちのアルバイト経験者を舐めるなよ!
フハハハハハハ!!!!




〜十数時間後〜

こちらツカサ。何も無い空間に変化が出てきた。空の色が薄くなってきている。あと、水平線の奥に何か見える。オーバー。



〜さらに十数時間後〜

空の色がもう完全に白一色である。
そして、水平線の奥にある何かは木のようだ。まだ上の方しか見えていないようだが…
どれだけでかいんだこの木は…


〜さらにさらに?時間後〜

何も考えずに下向いて歩いていたのだが、知らない間に地面が草原になっていた。
流石俺、何も考えない事への集中力が素晴らしい。
良く気付かないものである。
そして、視線を上に上げて────



「…は?」




鳥肌が立った。

(何なんだ…アレは)


俺の視界に映っていたのは、天高く…それも想像できないほど高く聳える巨大な大樹と、それに巻き付く恐ろしく巨大な蛇である。
大樹には金色の巨大リンゴが一つだけなっている。

(あんなの…無茶苦茶だ。あの木、高すぎて何十kmあるのか分からない!しかも蛇の方は明らかにあの木よりもデカいぞ!)

ツカサは口を手で覆い、息を殺す。
あんなのに襲われればひとたまりもない。
『魔王を打ち倒せる』程度の存在には絶対に届かない『圧倒的な力』。
あんな凄まじい存在に今まで気付かないとはやはりツカサは大物である。

(幸い、寝てるみたいだな…だが、どうやって逃げる?障害物なんて何も無いぞ…)


不幸中の幸い中の不幸である。
巨大な蛇に会った。
幸い相手は眠っている。
しかし、周囲には無限に広がる草丈の短い草原のみ。障害物などありはしない。


(あー…死ぬかもな〜俺)

そんな事を考えていると、突如大地が揺れ始めた。大樹に巻き付いていた巨大な蛇が目を開き、白の天空に首を伸ばす。

「はは…やっば…」

大樹に巻き付いていたその巨体は空に浮遊し、全容が見えることによってさらに威圧感と存在感を増す。
その巨体からは膨大すぎる魔力が溢れ出し、まるで重力が何倍もかかったかのように体が重くなった。


(こいつ…やっぱり見た目だけじゃない。こんな馬鹿げた魔力初めてだぞ…天聖竜がまるで赤ん坊だ)

彼が生前戦った七聖竜のボス「天聖竜」も、かなり馬鹿げた魔力を持っていたのだがそれとは比べ物にならない。
格が違うなどというものでは無い。

『次元が違う』

圧倒的上位存在から発せられる重圧に、ツカサは動こうにも動けなくなっていた。
そんなツカサに、大蛇が声を発した。

「ようやく来たか。待ちくたびれたぞ」

何重にもエコーがかかったような風格のある男の声。
返事をしようとするが、まるで喉が詰まったように声が出ない。

「………」
「おい…返事を…あぁ、そうか…スキルのせいだな。すまないな、今解除してやる」
「…っ...…お前は誰だ」

震えそうになる声をなんとかこらえて大蛇に問いかける。

「我は世界蛇という種族のエデンという。よろしく頼む」

世界蛇という種族は聞いたことが無い。恐らく神話や物語などにはなっていない上位存在だろう。
七聖竜がそれだった。神からのお告げで初めて世界中に存在が知れ渡ったのだ。

「お主の名は…ツカサだったな。全く…面倒臭いことをしよってからに…」

エデンは呆れたように溜息をつく。
俺が何をしたと言うんだ。

「…俺は災厄とかいうのになった後どうなったんだ?」

エデンは少し考えてから口を開いた。

「お主は、お主がいた世界を殺したのだ。そして、その世界はお主となった。簡単に言うと経験値になったのだ」







「……えっ」











(世界を…殺した…?)






「俺が?」「お主が」


「「…………」」









「ええええええぇぇぇぇぇ!!!!!」

(ちょっと待ってぇ!?俺そんな事やったの!?何やってんの俺ェ!!!)

ツカサが頭を抱えて叫ぶ。
しかしそれは魔王城で叫んでいたような絶望的なものではなく、驚愕と焦りに満ちたものだ。

(確かに、種族は災厄とかいう仰々しいのに進化したけどぉぉぉぉ!!!?なんで世界殺しちゃってんの俺ぇぇぇぇ!!!)

「ハッ!さては嘘!?ナイスなジョークだったり…」
「嘘ではない。信じられぬというなら自分のステータスを見てみよ。ステータスに世界を殺した者の証明が記されているはずだ」


俺は半ばテンパりながらもステータスを開く。

そこにあったのは…


朝宮 司(アサミヤ  ツカサ)

年齢:∞

種族:災厄(呪竜王・トゥループラチナ)

Lv.??????????
評価ランク:EX
生命力:∞             魔力:ERROR
攻撃力:ERROR  防御力:ERROR

スキル:人化Lv.MAX、竜の息吹Lv.MAX、呪詛Lv.MAX、呪魔法Lv.MAX、魔力操作Lv.MAX、体術Lv.MAX、剣術Lv.MAX、身体強化Lv.MAX、盾術Lv.MAX、防御Lv.MAX、鉄壁Lv.MAX、光魔法Lv.MAX、刀術Lv.MAX、拳闘術Lv.MAX、殺戮Lv.MAX、惨殺Lv.MAX、虐殺Lv.MAX、鏖殺Lv.MAX、爪術Lv.MAX、自然治癒Lv.MAX、吸血Lv.MAX、血魔法Lv.MAX、無双Lv.MAX、氷魔法Lv.MAX、眷属化Lv.MAX、全状態異常耐性Lv.MAX、健康体Lv.MAX、殺気Lv.MAX、反転Lv.MAX、堕天拳Lv.MAX、手刀Lv.MAX、回復魔法Lv.MAX、女神の涙Lv.MAX

ユニークスキル:呪作成Lv.MAX、魔神Lv.MAX、勇者の証Lv.MAX、竜聖鎧Lv.MAX、パンドラの箱Lv.MAX、禁忌Lv.MAX、不老不死Lv.MAX、儀血血闘術Lv.MAX、殺LvMAX、鑑定Lv.MAX、魔天使Lv.MAX、無限再生Lv.MAX、天災Lv.MAX、世界核Lv.MAX

称号:呪竜の王、選ばれし者、呪われし者、七聖、滅ぼす者、禁忌、吸血神、虐殺者、殺戮者、無双、鬼畜、天使、朽ちぬ者、災厄、魔神、世界を殺せし者


(…チートかな?)

あまりにも馬鹿げたステータスに呆然とする。

(なんだよERRORって…なんだよ∞って…)

「確認したな?では、今後について説明するぞ」
「えぇ…」

(はええよ。心の準備させろよ)

ツカサは内心でボヤくが、それを巨大な蛇に向かって真っ向から言う気はサラサラ無い。

「まず、現在お主は転生前の世界と転生先の世界の狭間…まあ簡単に言うと次元の狭間のような場所にいる」

ツカサの頭の中に一つ疑問が浮かぶ。

「…なんで俺は次元の狭間なんて所にいるんだ?あんたが呼び出したの?」


エデンに聞いてみると、エデンは少し困ったような表情で答えた。


「そうだ。事が事だからな…まあ、世界を殺したとはいえ、その直前に世界を救ってくれたからな。それに、過ぎたことを問いただしても仕方が無いので水に流そう」
「有り難き幸せ?」
「やめろ。気持ち悪い」
「ヒデ」

いきなり態度を変えると気持ち悪そうにイヤイヤと首を振る。
態度はデカいが、なんだかんだで仲良くなれそうだ。

「仲良くしてやってもいいぞ!」
「いきなりなんだ…態度でかすぎであろう…」

ツッコミもできる。これは仲良くなれそうだ。
あと、少しだけ言葉使いが砕けてきている。
可愛い。撫でてやりたい。

「撫でてやってもいいぞ!」
「さっきから何なのだお主は!!」


うん。仲良くなれそうだ。

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