帰ろうか。

瀬那

「ねぇ。」

「なに?」

「唐突だけどさ、熱って、かわいそうだよね。」

「本当に唐突ね。で?なんでかわいそうなの?」

「だってさ?必要にされる時はめっちゃ感謝されるじゃない?でもさ、いらない時は厄介者扱いされるんだよ?」

「まぁ、たしかに。」

「冬は嬉しがられるのに、夏は全力で払おうとする。人間のエゴだね〜。」

「あっ、そっちの熱か。病気の方だと思った。」

「病気じゃなくて季節とかのね。」

「でもさぁ、夏、暑くない方が良くない?」

「それとこれとは話が別!」

「どこがだよ…」

「全部だよ!」

「はーいはーい。」

「暑い…やっぱり、夏嫌い。」

「さっきまでかわいそうとか言ってたのにね。」

「暑いものは暑いのさ。」

「たしかに。」

「あっ、家ついた。」

「あっ、本当だ。じゃあ、また明日ね。」

「うん。バイバイ。あぁ、暑い…」

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