作者ネタ切れにより「俺、幼なじみ(男の娘)と同棲します」は思いついた日常を季節関係なく書きます
4月2日
体を揺さぶられ、徐々に意識が覚醒する。
「やっと起きた……ほら、学校だよ!」
目の前には昨日のことなどなかったように平然とした明希がいる。
「昨日は……」
「な、な、なんのこと!? ちょっと分からないなぁ……」
あ……絶対に分かってる。でも知らないふりをしている。もう少し揺さぶるか......。
「実は!  式場の場所決めたんだ!」
とたんに明希は耳を塞ぐ。
「嘘だよ嘘、昨日のことを......」
今度は猛然と部屋を出ていった。
これは謝るのは難しそうだ......。
【改ページ】
学校につくまでに口を利かない、天変地異でも起きてしまうのではないかと思うぐらいに珍しい事態だ。
「お前ら喧嘩したの?」
「いや、昨日の夜にプロポーズしたらこの調子」
横島は吹き出して、腹を抱えて笑う。抱腹絶倒、この言葉がこいつのためにあるなではないかと錯覚してしまうくらいにお似合いだ......。
「仲直りしたいのに昨日っていう単語を出す度に逃げるんだよ」
俺は肩を落とす。見かねたのか傷を抉りにきたかは知らないが竜岡が近づいてきた。
「どうした?  明希は生理か?」
「男だろ......あるわけないだろ」
思わずため息が出た。
このままずるずるとひきづりたくない。できるなら今日中に謝りたいが、どうやったらできるのか......。
「壁ドンで逃げないようにするとか?」
「足ドンもいいんじゃね?」
どっちも壁ドンだろ......。だいたい逃げ道をふさいで謝るのもなんか後味が悪い。
「だいたい、足ドンなんてできるわけないだろ。俺の股関節がもたない」
「固いんだ……」
哀れむようにぼそりと竜岡が呟く。
「悪かったな!」
俺はそれにすら過剰に反応してしまう。今はそれほどまでにカリカリしている。
「あ……昼飯を口実に屋上に呼び出せばいい……」
ボソリと横島が呟く。瞬間、俺も竜岡も横島を鋭い眼光で睨む。
「こ、怖いんだけど……」
「お前誰だよ?  下ネタしか言わない横島以外は認めん!」
「同感だ……貴様は誰だ?」
「邪な横島だよ!」
春先はまだ冷えるな……。
【改ページ】
大きく息を吐く。携帯を見ると、時間は十二時前。あと一分後に明希が来る……。
その時、屋上の扉が開く音が聞こえる。振り向くと、そこには明希がいた。
「こっちこっち!」
手を振ると、明希も小さく手を振る。ぎこちなく笑った顔が可愛い……。
「二人とも同じお弁当ってなんだか不思議だね」
「そうだな、不思議だな」
お弁当箱を開けると中には玉子焼き。俺の大好物で、目を輝かせる。一口サイズに箸で切り、口に運ぶ。口いっぱいにひろがる甘さは甘過ぎず控えめな主張をする。それがたまらなく好きだ。
「やっぱうまい!」
俺は親指を立て、グッドをする。すると、明希はクスリと笑う。
「僕のも食べる?」
「いいよ。申し訳ないし」
そう言ってパクパクと玉子焼きを食べ、あっという間に玉子焼きはなくなった。口いっぱいにひろがる幸福が終わりを告げる。
「ごちそうさま」
明希よりも一足先に食事を終え、ふくれたお腹をさする。こんな料理を毎日食べれれば幸せだが、幸せ太りしてしまう。
「それでさ、明希。大事な話があるんだ」
この一言で明希の箸が止まる。
「ちょっと用事を思い出したから帰るね!」
そそくさとお箸を片付け始める明希の腕を掴む。
「数分で終わる。頼むから聞いてくれ!」
「なに?」
「昨日のあれは言葉のあやで、本当は可愛いって言おうと思ったんだ!  神に誓って約束する!」
すると明希が笑い始める。最初は肩が震えるほどだったが、いつの間にか大きな声で笑う。
「気にしてないよ」
「でも昨日って言うと逃げたじゃん?」
「あれは……ホテルのことを思い出したからだよ……」
顔を赤らめる明希はどこか艶やかだ。なるほど、つまりは結婚の意味は解釈していてホテルのことで逃げてたのか。
ほっと俺は胸を撫で下ろす。
「じゃあ僕行くね?」
そう言って明希は帰っていた。俺は空を見上げ、大きなため息をつく。
「なんだよ……俺がめちゃくちゃ恥ずかしいやつじゃん……」
「やっと起きた……ほら、学校だよ!」
目の前には昨日のことなどなかったように平然とした明希がいる。
「昨日は……」
「な、な、なんのこと!? ちょっと分からないなぁ……」
あ……絶対に分かってる。でも知らないふりをしている。もう少し揺さぶるか......。
「実は!  式場の場所決めたんだ!」
とたんに明希は耳を塞ぐ。
「嘘だよ嘘、昨日のことを......」
今度は猛然と部屋を出ていった。
これは謝るのは難しそうだ......。
【改ページ】
学校につくまでに口を利かない、天変地異でも起きてしまうのではないかと思うぐらいに珍しい事態だ。
「お前ら喧嘩したの?」
「いや、昨日の夜にプロポーズしたらこの調子」
横島は吹き出して、腹を抱えて笑う。抱腹絶倒、この言葉がこいつのためにあるなではないかと錯覚してしまうくらいにお似合いだ......。
「仲直りしたいのに昨日っていう単語を出す度に逃げるんだよ」
俺は肩を落とす。見かねたのか傷を抉りにきたかは知らないが竜岡が近づいてきた。
「どうした?  明希は生理か?」
「男だろ......あるわけないだろ」
思わずため息が出た。
このままずるずるとひきづりたくない。できるなら今日中に謝りたいが、どうやったらできるのか......。
「壁ドンで逃げないようにするとか?」
「足ドンもいいんじゃね?」
どっちも壁ドンだろ......。だいたい逃げ道をふさいで謝るのもなんか後味が悪い。
「だいたい、足ドンなんてできるわけないだろ。俺の股関節がもたない」
「固いんだ……」
哀れむようにぼそりと竜岡が呟く。
「悪かったな!」
俺はそれにすら過剰に反応してしまう。今はそれほどまでにカリカリしている。
「あ……昼飯を口実に屋上に呼び出せばいい……」
ボソリと横島が呟く。瞬間、俺も竜岡も横島を鋭い眼光で睨む。
「こ、怖いんだけど……」
「お前誰だよ?  下ネタしか言わない横島以外は認めん!」
「同感だ……貴様は誰だ?」
「邪な横島だよ!」
春先はまだ冷えるな……。
【改ページ】
大きく息を吐く。携帯を見ると、時間は十二時前。あと一分後に明希が来る……。
その時、屋上の扉が開く音が聞こえる。振り向くと、そこには明希がいた。
「こっちこっち!」
手を振ると、明希も小さく手を振る。ぎこちなく笑った顔が可愛い……。
「二人とも同じお弁当ってなんだか不思議だね」
「そうだな、不思議だな」
お弁当箱を開けると中には玉子焼き。俺の大好物で、目を輝かせる。一口サイズに箸で切り、口に運ぶ。口いっぱいにひろがる甘さは甘過ぎず控えめな主張をする。それがたまらなく好きだ。
「やっぱうまい!」
俺は親指を立て、グッドをする。すると、明希はクスリと笑う。
「僕のも食べる?」
「いいよ。申し訳ないし」
そう言ってパクパクと玉子焼きを食べ、あっという間に玉子焼きはなくなった。口いっぱいにひろがる幸福が終わりを告げる。
「ごちそうさま」
明希よりも一足先に食事を終え、ふくれたお腹をさする。こんな料理を毎日食べれれば幸せだが、幸せ太りしてしまう。
「それでさ、明希。大事な話があるんだ」
この一言で明希の箸が止まる。
「ちょっと用事を思い出したから帰るね!」
そそくさとお箸を片付け始める明希の腕を掴む。
「数分で終わる。頼むから聞いてくれ!」
「なに?」
「昨日のあれは言葉のあやで、本当は可愛いって言おうと思ったんだ!  神に誓って約束する!」
すると明希が笑い始める。最初は肩が震えるほどだったが、いつの間にか大きな声で笑う。
「気にしてないよ」
「でも昨日って言うと逃げたじゃん?」
「あれは……ホテルのことを思い出したからだよ……」
顔を赤らめる明希はどこか艶やかだ。なるほど、つまりは結婚の意味は解釈していてホテルのことで逃げてたのか。
ほっと俺は胸を撫で下ろす。
「じゃあ僕行くね?」
そう言って明希は帰っていた。俺は空を見上げ、大きなため息をつく。
「なんだよ……俺がめちゃくちゃ恥ずかしいやつじゃん……」
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