作者ネタ切れにより「俺、幼なじみ(男の娘)と同棲します」は思いついた日常を季節関係なく書きます

煮干

4月1日 (1)

俺と妹を残して親は海外赴任かいがいふにん。残念なことに俺も妹も家事なんてからっきしだ。けれど問題ない、なぜか?それは俺の幼なじみの明希あきが家事を完璧にこなせるからだ。だからといって全部任せるのもあれだから俺達も手伝う。幼なじみと俺の両親が仲が良いのもあり、幼なじみと同棲している。
【改ページ】
お腹が圧迫される感覚で俺は目を覚ます。これが俺の目覚ましルーティーンだ。
「あ、起きた。おはよう大樹君。」
「もう少し……もう少し寝かせてくれ…。」
「むぅ…そう言って昨日は遅れたじゃん。そうだ!」
俺が眠りに落ちそうになるその瞬間、ボディーブローでもされたかのような衝撃が腹をつきぬけた。
「何した?」
「え?ちょっとお尻をあげて……落とす。」
なるほど、どうりで痛いわけだ。あともう一撃くらったら間違いなく吐くと断言できるくらい強い衝撃だった。
「起きるからどいて。」
「はーい。」
そう言って明希は、階段を降りていった。
「よし寝よう。」
俺の睡眠のさまたげは消えた。これで…
「お兄ちゃん!起きて!」
まだいた。くそ!こいつに俺の睡眠ヘヴンを奪われてなるものか!寝るぞ!俺は断固たる意志で寝るからな!
「貴様がやすやすと踏み入れていい場所ではない!帰れ!悪魔は悪魔の巣窟そうくつへと帰れぇ!!」
「明希さーん!明希さーん!」
「待て!美樹!起きるからその悪魔の呪文をやめろ……な?」
俺は結局しぶしぶ起きた。
【改ページ】
「また寝ようとしたんだって?妹の美樹ちゃんから言われたから、今度からは厳しく起こします!」
「ごめんごめん、でもあれだけはやめてくれ…吐きそうになる…。」
「じゃあどうやって起こしたらいい?」
頭をひねって考えるが思いつく限りはゆするくらいだな。
「ゆするとか?」
「それで起きなかったよね?」
あー、そういえばそうでした。
「簡単なことだよ!目覚めのチューでお兄ちゃんは起きるよ!」
「美樹?そのいまいましいツインテールを引っ張ってやろうか?」
「いまいましいとはなんだ!これは私のアイデンティティーだよ!もし引っこ抜かれたらこの世から大原美樹おおはらみきが消えちゃうよ!ね?嫌でしょ?」
「いえ、大変喜ばしい限りです。」
俺の満点スマイルを見た妹は明希の後ろに隠れて少しだけ顔をのぞかせた。
「お兄ちゃんなんて嫌い!」
妹が泣きそうになるが動揺など一切しない。女の涙が武器になる?親戚の涙なんて塵芥ちりあくたと変わんねぇよ!地面タイプに雷だわ!
「はぁ...まったく二人して...。ほら大樹、お弁当。なら今することは分かるでしょ?大人の対応。」
「......謝んねぇよヴァーカ!大人の対応だぁ?俺はまだ未成年だ!お兄ちゃんだから?宣戦布告はそっちからだ!ひくものか!勝つまでやめんぞ!例えいかなる犠牲を払おうとも勝利を我が手に!!」
饒舌じょうぜつに、声高こわだかに言ってのけた。もちろん美樹はひく。幼なじみの明希も若干ひいていた。
「......美樹ちゃん大変だね。」
「本当ですよ。」
そんなものは俺には聞こえない。聞こえているけど聞こえない。今は自分の完璧なまでの即興そっきょうに酔いしれていたい。

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