不死者の俺は平和に生きたい
種
シスターは腹を抱えて笑う。今がチャンスと考えた俺はシスターに殴りかかった。だが、シスターはいともたやすく俺のこん身のパンチを止めた。
「なら...死ねないことを後悔させてあげる!」
シスターの強烈な右ストレートが腹に深くささる。体はくの字に折れ、口からとしゃぶつが出る。俺はあまりの苦痛に敵の前でありながら膝をついた。
「いじめ壊してあげる!」
シスターはサッカーボールを蹴るように俺の頭を蹴る。ゴキッという鈍く痛々しい音が響き、意識を失う。再び目が覚めると同時にみぞおちをつま先がえぐる。空気を求めて喘ぐ。涙で歪む視界のシスターは笑っていた。
シスターは笑顔のまま神速で足からピストルを取り出すと発砲する。心臓から血が流れ出る。次に目を覚ますと仰向けにされ腕を誰かに捕まれている。肩に足をのせてすることなんて…
気づいた頃には遅かった。関節が外れる激痛に俺は悶える。叫び、乱れる。腕は力なく地面に落ちた。
「そろそろジェミーちゃんと遊ぼうかしら…。」
「待てよ…俺はまだ戦えるぞ…。」
右腕は力なくたれる。立ち上がると同時に発砲音、両足の太ももを撃ち抜かれ血がたれる。
立っていることができなくなり膝をつく。
シスターはそんな俺の姿を嘲笑する。
「貴方の相手はそいつらよ。」
振り向くと神父の正装をした男たちがいる。俺は腹を蹴られ踏まれ蹂躙される。今は歯をくいしばって耐えるしかない。耐えてればいい、だってもう勝っているから。
シスターに突然異変が起きた。立ち尽くし、小言をつぶやく。しまいには頭を抱えてうずくまる。
異変にやっと気づいた男たちは一人残して三人でシスターを囲う。一人なら俺でも勝てる。俺は男の足をつかみバランスを崩させる。男に馬乗りになり、殴る、殴打する。男は防御の構えをとって耐える。だが、仲間はこない。当たり前だ、あいつらにも種は移った。
しばらくして男はついに気絶した。立ち上がると目の前にはシスターと同じようにうずくまる男三人。
「終わったか…。」
蓄積されたダメージもあり俺はその場に座り込んだ。瞬間、後ろから誰かが拍手をする。振り向くとライトが当てられ、眩しさから手で顔を覆う。
「お見事、お見事だね。」
薄目で見ると黒い影が見える。ガリガリで、触っただけで折れてしまいそうなくらい細い。
「今回は組織のメンバーの独断の判断で迷惑をかけたね。組織のボスとして非礼を詫びよう。」
ボスは深々と頭を下げる。
「私たち教会の組織は金輪際ジェミーちゃんに手を出さないと誓おう。そして、この子達にきつい処分をくだす。それでいいかい?」
俺は首をたてにふる。
「ありがとう…神に…いや、私に誓って誓おう。」
そう言うとボスは指をはじいて音をならす。それを合図にシスターと男たちは運ばれていった。
ボスは少し歩いて振り向いた。
「忘れてた、もし君が気をおかしくして教会に歯向かうというのならジェミーちゃんにも危害が加わるからね。やろうと思えば君の戸籍も消せるんだよ。まあ、君には賢い選択ができると信じてるよ...。」
そう言い残すと闇へと消え、車のエンジン音は遠ざかっていった。
「なら...死ねないことを後悔させてあげる!」
シスターの強烈な右ストレートが腹に深くささる。体はくの字に折れ、口からとしゃぶつが出る。俺はあまりの苦痛に敵の前でありながら膝をついた。
「いじめ壊してあげる!」
シスターはサッカーボールを蹴るように俺の頭を蹴る。ゴキッという鈍く痛々しい音が響き、意識を失う。再び目が覚めると同時にみぞおちをつま先がえぐる。空気を求めて喘ぐ。涙で歪む視界のシスターは笑っていた。
シスターは笑顔のまま神速で足からピストルを取り出すと発砲する。心臓から血が流れ出る。次に目を覚ますと仰向けにされ腕を誰かに捕まれている。肩に足をのせてすることなんて…
気づいた頃には遅かった。関節が外れる激痛に俺は悶える。叫び、乱れる。腕は力なく地面に落ちた。
「そろそろジェミーちゃんと遊ぼうかしら…。」
「待てよ…俺はまだ戦えるぞ…。」
右腕は力なくたれる。立ち上がると同時に発砲音、両足の太ももを撃ち抜かれ血がたれる。
立っていることができなくなり膝をつく。
シスターはそんな俺の姿を嘲笑する。
「貴方の相手はそいつらよ。」
振り向くと神父の正装をした男たちがいる。俺は腹を蹴られ踏まれ蹂躙される。今は歯をくいしばって耐えるしかない。耐えてればいい、だってもう勝っているから。
シスターに突然異変が起きた。立ち尽くし、小言をつぶやく。しまいには頭を抱えてうずくまる。
異変にやっと気づいた男たちは一人残して三人でシスターを囲う。一人なら俺でも勝てる。俺は男の足をつかみバランスを崩させる。男に馬乗りになり、殴る、殴打する。男は防御の構えをとって耐える。だが、仲間はこない。当たり前だ、あいつらにも種は移った。
しばらくして男はついに気絶した。立ち上がると目の前にはシスターと同じようにうずくまる男三人。
「終わったか…。」
蓄積されたダメージもあり俺はその場に座り込んだ。瞬間、後ろから誰かが拍手をする。振り向くとライトが当てられ、眩しさから手で顔を覆う。
「お見事、お見事だね。」
薄目で見ると黒い影が見える。ガリガリで、触っただけで折れてしまいそうなくらい細い。
「今回は組織のメンバーの独断の判断で迷惑をかけたね。組織のボスとして非礼を詫びよう。」
ボスは深々と頭を下げる。
「私たち教会の組織は金輪際ジェミーちゃんに手を出さないと誓おう。そして、この子達にきつい処分をくだす。それでいいかい?」
俺は首をたてにふる。
「ありがとう…神に…いや、私に誓って誓おう。」
そう言うとボスは指をはじいて音をならす。それを合図にシスターと男たちは運ばれていった。
ボスは少し歩いて振り向いた。
「忘れてた、もし君が気をおかしくして教会に歯向かうというのならジェミーちゃんにも危害が加わるからね。やろうと思えば君の戸籍も消せるんだよ。まあ、君には賢い選択ができると信じてるよ...。」
そう言い残すと闇へと消え、車のエンジン音は遠ざかっていった。
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